ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

朝月溜池

2019-06-02 12:08:55 | 佐賀県
2019年5月24日 朝月溜池
 
朝月溜池は佐賀県唐津市湊町の橋本川水系橋本川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
東松浦半島は大半が上場台地と呼ばれる火山性堆積物で形成された台地となっており、水利に乏しく古くから灌漑用水は小河川や天水に依存し多数の溜池が作られてきました。
朝月溜池もそんな溜池の一つで、ダム便覧によれば朝月地区の事業で1929年(昭和4年)の竣工となっています。
ダム便覧では朝月溜池は『位置未確認』となっている一方経緯度が掲載されています。
しかしこの経緯度が示す溜池はダムの要件を満たしていません。
ダム便覧の拾泉舎さまのレポートで唐津市湊町と鎮西町八床に跨る二連の溜池のうち南西側の溜池が朝月溜池とほぼ確定していることから、ここを朝月溜池として訪問、見学しました。
 
地図の赤の部分が朝月溜池の堤体となります。隣接する溜池は十連溜池と言いどちらも朝月水利組合が管理しています。
 
下流面
時節柄草が伸びています。
 
右岸から
天端は車道で貯水池先に風力発電が見えます。
 
貯水池は総貯水容量25万2000立米。
 
上流面は石が積まれています。
ちょうど代掻きから田植えの時期で補給量が多いせいか水位が低くなっています。
 
堤体中央に尺八樋があります。
コンクリートが新しく、拾泉舎さまのレポートによれば2014年(平成26年)に改修が行われたようです。
 
貯水池左岸
この奥が洪水吐になります。
 
ちょっとわかりづらいですがこれが洪水吐。
 
洪水吐から溢流した水はこの隧道を流下します。
 
上流面を遠望
堤体はアーチ状に緩やかに湾曲しています。
 
朝月溜池(左)と十連溜を分ける道路
農作業をしていた方の話では両池は水のやり取りはなく、それぞれ別の受益者へと用水補給するそうです。
 
草が繁茂していたためダム下の底樋は確認すませんでした。
佐賀県ため池データベースでもここが朝月溜池であることは明白でが、いまだ便覧の経緯度および河川は誤った記載をしています。(令和元年6月2日現在)
速やかな修正をお願いしたいものです。
 
2513 朝月溜池(1440) 
ため池コード 412020091
佐賀県唐津市湊町
橋本川水系橋本川
16.1メートル
100メートル
252千㎥/227千㎥
朝月水利組合
1929年


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