ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

平木場ダム

2019-06-03 11:47:02 | 佐賀県
2019年5月24日 平木場ダム
 
平古場ダムは佐賀県唐津市神田の松浦川水系町田(ちょうだ)川上流部にある佐賀県県土整備部の多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで町田川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、唐津市への上水道用水の供給を目的として1983年(昭和58年)に竣工しました。
ダム名は計画段階では河川名から町田(ちょうだ)ダムとなっていましたが、運用開始後は水没集落の地名を採用して平木場ダムに変更されました。
 
なお平木場ダムでは満水時での左岸からの溢流を防ぐため、重力式コンクリートの主ダムのほか左岸にアースフィルの脇ダムが建設されています。
脇ダムの規模は堤頂長で主ダムの約3倍、堤体積では約10倍の規模となっています。
主ダムと脇ダムの位置関係は下の地図の通りで、地図の赤線が主ダム、青線が脇ダムとなります。
 
唐津市街から西へ向かう県道33号線沿いにダムがあり、入口に標識も出ているのでアプローチは簡単です。
左岸から下流面
波返しの付いた堤趾導流壁が目を惹きます。
 
天端は車道で右岸にある集落へと続いています。
親柱の円球の装飾は何を意味してるんでしょう?
対岸の斜面崩落は2018年(平成30年)の西日本豪雨によるものです。
 
減勢工と放流設備
福岡県営ダムでよくみられる減勢池がついた放流設備。
ここから浄水場に直接水が送られます。
 
ダム便覧には『ダム天端から玄界灘と唐津城をセットで望むことが出来るというが、本当だろうか。』と書かれていますが、
本当です!
望遠で撮ったものをトリミングしたので画質は悪くなっていますが、唐津城と海がはっきりと見えます。
 
ダム湖は総貯水容量108万立米と県ダムにしては小ぶり。
職員さんの話では、今年は降雨量が少なくこの時期にしては貯水量がかなり厳しいそうです。
 
右岸から天端と管理事務所。
 
左岸にある金箔仕様の竣工記念碑。
 
左岸から上流面
非常用洪水吐としてクレストに自由越流式洪水吐が7門
常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲートが1門。
 
上流から遠望。
 
脇ダムと主ダムをセットで。
 
全国でも珍しい海と城が見えるダムです。 
 
(追記)
平木場ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2543 平木場ダム(1443) 
佐賀県唐津市神田
松浦川水系町田川
FNW
29.5メートル
117メートル
1080千㎥/1024千㎥
佐賀県県土整備部
1983年
◎治水協定が締結されたダム


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