2017年12月22日 公渕池
公渕(きんぶち)池は香川県高松市東植田町の新川水系春日川右支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
公渕池は四箇池の中では一番新しく、1863年(文久3年)に高松藩の普請で築造されました。『公渕』という名称は屋島の戦いで敗れた平家の公達がこの地の渕に身を投げたことに由来するそうです。
1933年(昭和8年)の県営事業による改修で総貯水容量176万立米という香川県屈指の規模の溜池となりました。
ダム便覧ではこの県営事業の竣工を持って竣工年度としています。
1960年(昭和35年)には神内上池を調整池として松尾池・城池・公渕池を結ぶ四箇池用水が完成し、四箇池に加え神内上池、坂瀬池の6基の池を四箇池土地改良区が管理し、春日川流域1100ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
また竣工当時の姿を残すコンクリート作りの底樋管はCクラスの近代土木遺産に選定されています。
なお、香川県のデータとダム便覧では堤高や堤頂長の数字が異なっていますが、ここでは香川県の数字を採用します。
高松道高松東インターから県道30号を南下し東植田町に入ると正面に公渕池が見えてきます。
1975年(昭和50年)に公渕池及び城池を含む一帯が公渕森林公園として整備され周辺住民の憩いの場となっています。
取水設備からの底樋樋門
コンクリート造りの樋門は1933年(昭和8年)の改修工事により設置されたもので、底樋管はCランクの近代土木遺産に選ばれています。
堤体は直角に屈曲。
右岸の斜樋。
広大な天端は車両通行可能で公渕森林公園利用者の駐車スペースにもなっています。
天端から
三角錐の山がそびえる香川県特有の景色が広がります。
斜樋の建屋
こちらも1933年(昭和8年)のもので扁額付き。
貯水量176万立米は四箇池最大、香川県でも屈指の規模を誇ります。
貯水池の規模に比べて小さな洪水吐
越流部分に切れ込みがあります。
各種石碑と社
公渕池の由来や歴史、四箇池用水について詳しく記述されています。
公渕池及び城池周辺は森林公園として遊歩道が整備され、平日にもかかわらず非常に多くの人がウォーキングやジョギングを楽しんでいました。
2158 公渕池(1221)
ため池コード
香川県高松市東植田町
新川水系春日川右支流
A
E
27.8メートル
260メートル
1793千㎥/1785千㎥
四箇池土地改良区
1933年築造
1991年改修
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