ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

船上山ダム

2018-10-17 02:30:54 | 鳥取県
2018年10月9日 船上山ダム
 
船上山ダムは鳥取県東伯郡琴浦町山川の勝田川水系勝田川源流部にある灌漑目的のロックフィルダムです。
大山北東山麓に位置する東伯郡琴浦町から北栄町一帯は広く火山堆積物で覆われた台地が広がり、地味は豊かながら水利に乏しく灌漑施設の整備が強く求められていました。
1979年(昭和54年)より農水省による国営かんがい排水事業東伯地区が着手され3基のダム、3箇所の揚水機場、延長38.2キロの幹線水路の整備が開始されました。
まず1992年(平成4年)に西高尾ダム、2003年(平成15年)に船上山ダム、に2006年(平成18年)に小田股ダムが竣工、同年かんがい排水事業全体も完了し約2700ヘクタールの田畑への灌漑設備が整備されました。
運用開始後はダムを含めた灌漑施設全体を東伯地区土地改良区連合が管理を受託しています。
また2014年(平成26年)から河川維持放流を利用した船上山発電所(最大出力110キロワット)が稼働しています。

下流から
堤高43.9メートル、堤頂長232.7メートル
堤体下部は芝が張られツートンカラー
手前の黒いドアの下が小水力発電所。

 
右岸の洪水吐斜水路。

 
左岸から
農業用ロックフィルダムの場合、管理の手が届かずせっかくの美しいリップラップが草まみれになっているダムが少なからずありますが、ここはきれいに整備されています。


天端から
ダム下は万本桜公園、奥の赤い屋根は県立少年自然の家。
船上山の登山口になっています。


ダム湖の総貯水容量は72万立米。
これだけの規模のダムにしては貯水量は小さい気が。


右岸の繋留設備も兼ねた斜樋。


天端中央の定礎石。
この位置に置かれるのは珍しい。


天端は徒歩のみ開放
背後に聳えるのが船上山。
ぱっと見メサかと思いましたが、大山の火山活動で噴出した溶岩流が侵食されてこんな姿になったとのこと。
ということで凝灰岩。


水利使用標識
かんがい面積2740ヘクタールのうち、畑が2000ヘクタールを占めるため年間を通じて水利権が配分されています。


右岸の横越流式洪水吐
僅かに越流しています。


上流から
右手は管理事務所ですが職員の常駐はなく巡回のみ。


上流面
こちらも草はなくきれいなロック。


竣工記念碑と船上山
できれば青空の下で眺めたかった。


1688 船上山ダム(1394)
鳥取県東伯郡琴浦町山川
勝田川水系勝田川
43.9メートル
232.7メートル
720千㎥/520千㎥
東伯地区土地改良区連合
2003年


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