ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

溜池1号ダム(第1号溜池)

2022-12-26 17:38:54 | 大分県
2022年11月17日 溜池1号ダム(第1号溜池)
 
溜池1号ダムは左岸が大分県竹田市叶野、右岸が同市仏面の大野川水系橘木川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1926年(大正15年)にダム事業者直営により竣工と記されており、土地改良区の前身である荻柏原耕地整理組合の事業で建設されたようです。
1924年(大正13年)に大野川上流大谷川を水源とする荻柏原井路が完成しており、井路を補完する目的で建設されたと思われます。
1930年(昭和5年)には下流に溜池2号ダムも完成、現在は両ダムともに大谷ダムと同じく荻柏原土地改良区が管理し、井路からの補給を受けつつ下流域に灌漑用水を供給しています。
なお土地改良区の資料やため池データベースでは『第1号溜池』と記載されていますが、ここではダム便覧に倣って溜池1号ダムと記すことにします。

左岸から下流面
冬か春に草を刈るんでしょうか?


天端を車道が通りますが、道路両側も草が伸び放題。
堤頂長はダム便覧が69メートル、ため池データベースは104メートル
見た目は100メートルありそう。


上流面。


左岸の斜樋機械室
周りは草ぼうぼう、ドアも半開きです。


ダム下の様子
田んぼの右手を橘木川が流れてており、放流した水はこの川を流下します。
1号ダムの受益地はこの谷沿いの水田のようです。


貯水池
ダム便覧では貯水量は52万7000立米になっていますが、どう見てもそんなスケールはありません。
こちらもため池データベースの14万3000立米が正しいようです。


天端から斜樋を見ますが…
草が伸びシャフトは見えません。


右岸から上流面。


右岸の横越流式洪水吐
洪水吐の中も草が伸びており、あまり越流することはないのかも?


洪水吐導流部
木に隠れて上手く撮れません。


写真左上に底樋管があります。
右手は洪水吐導流部で、越流した水は底樋管からの用水路と合流します。


池の下流の水田も耕作されており、いまだ貴重な溜池なのは間違いなさそうですが・・・
繁茂した草木や荒れた斜樋を見るともうちょっと手入れしてよ!
と言いたくなります。

2740 溜池1号ダム(1928)
ため池コード
左岸 大分県竹田市荻町叶野
右岸     同市荻町仏面
大野川水系橘木川
20メートル
69メートル(ため池データベース 104メートル)
527千㎥(ため池データベース 143千㎥)/527千㎥
荻柏原土地改良区
1926年


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