ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

逆瀬池

2018-04-02 00:41:24 | 香川県
2018年3月21日 逆瀬池
 
逆瀬池は香川県三豊市山本町河内の財田川水系河内川左支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
三豊平野の旧辻村(現在の三豊市山本町辻地区)は古来より水利に乏しく中小の溜池が多数つくられたものの集水能力が低く、『田回り畑回り』と稲作と畑作を一年おきに繰り返すありさまでした。
この窮状を打開すべく1942年(昭和17年)に県営事業として河内川上流部で逆瀬池建設事業が着手されましたが戦争で中断、事業開始から14年目の1955年(昭和30年)にようやく竣工しました。
池の管理は三豊郡中部用水土地改良区連合が行い、360ヘクタールの農地に灌漑用水の供給を行っています。
逆瀬池湖畔は『四国の道』に指定されており、春秋には多くのハイカーが訪れるほか、桜の名所としても知られています。
また逆瀬池の洪水吐は全国でも珍しいシャフト式(竪穴落下式)となっており、いわゆる『ダム穴』式洪水吐となっています。
 
池は県道6号ぞいにあります。
下流面は犬走りを挟んで2段構成、基部は谷積石の擁壁。
 
堤体の右岸側(向かって左側)に隧道吐口があります。
これは底樋?それとも洪水吐?
斜樋は左岸から右岸に移築されたので、底樋ならもっと新しいはず。
たぶん、既存の洪水吐導流トンネルに斜樋からの水路も合体させたのでは?と想像。
 
堤体下からの『四国の道』のハイキングコースを歩いて登ると天端左岸に到着します。
 
直近の改修で新設された斜樋。
 
天端は道路が通り車両も通行できます。
 
総貯水容量は53万6000立米。
 
もともと左岸に取水設備がありましたが、湖畔の土砂崩れにより使用不可となり4枚目の写真の斜樋が新設されました。
 
土砂崩れに伴う取水設備刷新工事の竣工記念碑。
 
右岸の横越流式洪水吐
手前の穴がシャフトでいわゆるダム穴式です。
 
アングルを変えて。

2168 逆瀬池(1263)
ため池コード
香川県三豊市山本町河内
財田川水系河内川左支流
22.2メートル
78メートル
536千㎥/536千㎥
三豊郡中部用水土地改良区連合
1955年


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