ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

佐幌ダム(元)

2021-08-17 11:17:34 | 北海道
2021年7月19日 佐幌ダム(元)
 
佐幌ダム(元)は北海道上川郡新得町新内の十勝川水系佐幌川にある北海道建設部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1962年(昭和37年)8月の台風9号による甚大な洪水被害を契機に佐幌川の河川整備が進められ、治水対策をより盤石とするために当地への治水専用ダム建設が決定しました。
佐幌ダム(元)は建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、佐幌川の洪水調節を目的として1984年(昭和59年)に竣工しました。
また河川維持放流を利用して管理用発電を行っています。
 
2016年の平成28年8月豪雨により佐幌川流域では多大な洪水被害が発生しました。
これを受け2019年(令和元年)に『佐幌ダム再生事業』が採択され、当ダムの再開発が決定しました。
具体的には堤高を2.9メートル嵩上げして49.5メートルとし、総貯水容量は1200万立米(+160万立米)、有効貯水容量は960万立米(+160万立米)とすることで、治水能力の増強を図ることを目的として2032年(令和14年)の竣工を目指しています。
 
ダム下から
クレスト自由越流頂は6門
自由越流頂と自然調節式オリフィスが横に並ぶ珍しい形状です。
 
オリフィスゲートをズームアップ。
ゲート上部に操作建屋を配置した縦長構造。
下には低水放流設備であるジェットフローゲートがあります。
 
上流面。
 
右岸の竣工記念碑。
 
ダムの説明板。
 
天端は車両通行可。
 
クレスト自由越流頂とオリフィスが横並になっているため減勢工も独特の形状
手前の草付きはクレスト自由越流頂の減勢工。
 
ダム下には管理用発電所を挟み二本の洪水吐導流部が伸びます。
右手はクレスト自由越流頂及び河川維持放流を利用した管理用発電所からの放流路
左手はオリフィス及びジェットフローゲートの減勢工。
 
貯水池はサホロ湖で総貯水容量1040万立米。
治水専用ダムですが、堆砂容量240万立米分が貯留されています。
 
左岸から
訪問時、再開発に向けた堤体の強度調査工事が行われていました。

0111 佐幌ダム(元)(1682)
北海道上川郡新得町新内
十勝川水系佐幌川
46.6メートル
255メートル
10400千㎥/8000千㎥
北海道建設部
1984年
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3709 佐幌ダム(再)
北海道上川郡新得町新内
十勝川水系佐幌川
49.5メートル
292メートル
12000千㎥/9600千㎥
北海道建設部
2019年~


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