ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

十勝ダム

2021-08-17 11:04:11 | 北海道
2021年7月19日 十勝ダム 
 
十勝ダムは北海道上川郡新得町屈足の一級河川十勝川本流上流部にある多目的ロックフィルダムです。
十勝川は十勝平野全域に本支流を毛細血管のように張り巡らし農業王国十勝を支える重要河川ですが、洪水被害も多くその治水・利水対策は十勝の長年の悲願でもありました。
1962年(昭和37年)8月の台風9号による甚大な被害を契機に『十勝川水系工事実施基本計画』が採択され当地へのダム建設事業が着手され1984年(昭和59年)に十勝ダムが竣工しました。
十勝ダムは国交省北海道開発局建設部が直轄管理する特定多目的ダムで、十勝川の洪水調節(最大毎秒1450立米の洪水カット)、北海道電力十勝発電所での最大4万キロワットのダム式発電を目的としています。

ダム下は十勝ダムキャンプ場できれいな芝生の広場になっていますが、トイレや水道施設が貧弱でキャンパーの利用はあまりなさそう。
木が伸びて堤体を一望することはできません。
 
左岸ダム下の常用洪水吐からの放流口。
 
右岸の非常用洪水吐はラジアルゲート2門を装備
ここから見上げると堤高84.3メートルの高さを実感できます。
 
 
北海道電力十勝発電所と放流路
最大4万キロワットのダム式水力発電を行います。
 
右岸から下流面
北海道のロックフィルダムはリップラップに芝が張られたものが多いのですが、ここはロック材がむき出し。
 
洪水吐から
バップルピアと背の高いエンドシルを装備
上から3枚目の写真は下流の橋から撮りました。
 
ラッパのように大きく開いた洪水吐の導流堤
奥は十勝発電所の取水塔。
 
堤頂長は443メートルあり、天端は道道718号が通ります。
 
東大雪湖と命名されたダム湖は総貯水容量1億1200万立米
ダム右岸(手前)に十勝発電所の取水塔、左岸(奥)に常用洪水吐の取水塔があります。
 
ロックフィルの断面を模した記念碑。
 
左岸の常用洪水吐とインクライン。
 
(追記)
十勝ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0112 十勝ダム(1681)
北海道上川郡新得町屈足
十勝川水系十勝川
FP
84.3メートル
443メートル
112000千㎥/88000千㎥
国交省北海道開発局
1984年
◎治水協定が締結されたダム


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