2015年12月29日 菰野調整池
鈴鹿山脈東に広がる伊勢平野は平安期より日本有数の穀倉地帯となっていましたが、大河がないため水源は中小河川や溜池に頼らざるを得ず、安定した水源の確保が大きな課題となっていました。
そこで農水省は鈴鹿山系の水を北勢地域の灌漑用水として供給する三重用水土地改良事業を策定、その後四日市コンビナートを中心とした伊勢湾沿岸部の発展に伴う上水道、工業用水の需要増加にも対応するために1966年(昭和41年)から水資源開発公団が事業を継承しました。
1972年(昭和47年)の幹線水路および中里ダムの着工から暫時事業が進み1993年(平成5年)の三重用水管理所発足により三重用水が完成、現在は水資源機構が管理運営を行っています。
菰野調整池は三重用水幹線路のほぼ中間部に位置し、流域河川および中里ダムからの導水を貯留するとともに、受益地域への灌漑用水および、四日市市、鈴鹿市、菰野町の水道用水の供給を担っています。
ダム湖岸に三重用水管理所があり三重用水全体の管制を行っており、湖岸には三重用水の石碑が建っています。
三重用水の竣工記念碑。
三重用水管理所。
傾斜式取水設備。
ここで取水された水は幹線水路および上水道、灌漑用水である竹谷用水路へと送られます。
堤体下に浄水場があり、四日市、鈴鹿、菰野の上水道水が供給されています。
右岸の洪水吐。
洪水吐導流部、河川維持用水が流れています。
左手は浄水場。
下流から堤体を遠望。
(追記)
菰野調整池はは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え 事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
1325 菰野調整池(0150)
三重県三重郡菰野町菰野
三滝川水系赤川
AWI
E
28.4メートル
674メートル
1650㎥/1600㎥
水資源機構
1989年
◎治水協定が締結されたダム
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます