ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

元小屋ダム

2021-08-17 10:54:40 | 北海道
2021年7月19日 元小屋ダム
 
元小屋ダムは北海道河東郡上士幌町黒石平の十勝川水系音更川にある電源開発(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により新たに北海道電力が誕生しますが、包蔵電力豊富な北海道の電源開発を同社のみで行うのは不可能で、公営発電である北海道企業局や半官半民の電源開発(株)による電源開発が併せて進められました。
電源開発(株)は十勝川支流の音更川や利別川での電源開発に注力、1956年(昭和31年)に音更川上流部に糠平ダム・発電所(最大出力4万2000キロワット)を完成させます。
そして4年後の1960年(昭和35年)に糠平ダム下流5キロ地点に建設されたのが元小屋ダムです。
元小屋ダムは糠平発電所の出力調整に伴う水位変動を緩和するための逆調整池に加え、ここで取水された十勝川水系美里別川にある芽登第1・第2発電所に導水され計5万5500キロワットのダム水力発電に供されます。
元小屋ダムの完成により糠平ダムの2億立米弱の巨大な貯水池のより効率的運用が可能となりました。
 
残念ながら元小屋ダムは一般開放されておらず、その姿を目にすることはできません。
国道273号線沿いの元小屋ダムへの管理道路入り口に立つダムの看板。
 
元小屋へ通じる道路の厳重なゲート。
 
(追記)
元小屋ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0056 元小屋ダム
北海道河東郡上士幌町黒石平
十勝川水系音更川
32メートル
86メートル
2610千㎥/798千㎥
電源開発(株)
1960年
◎治水協定が締結されたダム


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