ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

白浜ダム

2024-02-08 08:00:22 | 千葉県
2017年1月28日 白浜ダム
2024年1月26日
 
白浜ダムは左岸が千葉県館山市畑、右岸が同県南房総市白浜町白浜の長尾川水系馬喰川にある南房総市水道局が管理する上水道用水目的の重力式コンクリートダムです。
昭和30年代に入り房総各自治体では海水浴客など観光客の増大に対応して、水道事業の開設が進みます。
房総半島南端の旧白浜町でも昭和30年代後半に町営水道の事業認可を受けその上水道水源として1966年(昭和41年)に竣工したのが白浜ダムです。
ダムと合わせて白浜浄水場も完成し、同年給水が開始されました。
その後2006年(平成18年)に安房郡6町1村が合併して南房総市が誕生、旧富浦町と旧三芳村を除く水道事業は南房総市水道局に統合されました。

白浜ダムはダム敷地への立ち入りが禁止され、初回訪問時はダムを見ることはできませんでした。 
2024年(平成26年)の再訪時は事前に南房総市に見学申請し、職員様同行での見学が叶いました。
1枚目の写真は初訪時、あとはすべて再訪時のものとなります。

南房総市白浜町の房総フラワーラインから北へ約4キロ、車で12~3分で白浜ダムに到着します。
道路は舗装済みですが、途中からは隘路になるため運転には注意しましょう。
初訪時は入り口に立ち入り禁止の警告板とチェーンが掛けられていました。
(2017年1月28日)

 
再訪時は厳重なフェンスが設置され、また敷地内には黄色い建屋(電気室)が新設されています。

 
職員さんに鍵を開けていただき敷地内へ。
写真はポンプ
ダムで取水した水をここまでポンプアップしたのち下流約2キロ地点にある白浜浄水場に送水します。

 
天端への入り口
取水口からの配管が伸びています。


堤体を俯瞰
堤高18.5メートル、堤頂長62.3メートルの小ぶりな堤体
堤頂部の白い鉄骨はホイストクレーンで配管の置換など資材運搬用です。

 
天端には導水管が這い、堤頂には白い鉄骨のホイスト
ちょっと他所では見られない独特の眺め。

 
総貯水容量23万立米のダム湖。
少雨で貯水池率は50%ほど。
南房総は若い堆積岩で形成されており、地質的な要因で貯水池の水はどこも濁りがち。

 
湖岸の巡視艇
満水ならこの船のあるあたりまで水があるそうです。


堤頂中央へ
左手のバルコニーが取水設備で配管が複雑に交差。
一本は浄水場向けでもう一つは水位低下放流用。

 
天端から減勢工を見下ろす。

 
放流管をズームアップ
ダムのある馬喰川は長尾川の右支流で河川維持放流義務はないとのこと。
放流管は主として水位低下目的で使用されるようです。


天端にある謎の構造物。
もとはここの照明灯があったそうですが必要ないため撤去、これはその基礎部分。

 
右岸上流から
ゲート部分だけ高くなっているのは昭和30年~40年ごろの上水ダムでよくみられる形状。
クレスト自由越流頂が3門
右から2番目の扶壁が取水設備で貯水池に水管が2本伸びています。
1本は取水用、もう1本は水位低下放流用。
その左手、湖面に突き出たラッパのようなものは水位計。

 
ダムの南側2キロ地点にある白浜浄水場
当然のことながら立ち入りできません。

 
昨今の人口減少、水道施設の老朽化等に対処するために2015年(平成27年)に千葉県が示した「県内水道の統合・広域化の進め方(取組方針)」に従い、安房地区の鋸南町・三芳水道事業団・南房総市・鴨川市各水道事業者の事業統合に向けた調整が進められており、早晩事業の統合が実施される見込みです。
 
2993 白浜ダム(0818)
左岸 千葉県館山市畑
右岸 千葉県南房総市白浜町白浜
長尾川水系馬喰川
18.5メートル
62.3メートル
230千㎥/207千㎥
南房総市水道局
1966年


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