ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

舘山溜池

2023-03-29 17:56:41 | 福島県
2023年3月19日 舘山溜池
 
舘山溜池は左岸が福島県双葉郡富岡町大菅、右岸が同町上手岡の熊川水系熊川右支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1940年(昭和15年)に耕地整理組合の事業で竣工と記されており、管理は耕地整理組合を引き継いだ富岡町土地改良区が行っています。
2011年(平成23年)3月の原発事故により、富岡町全域が避難地域となり受益農家が一時的に消滅、訪問した2023年(令和5年)3月19日時点でも受益地の大半が帰還困難区域となっており貯水池の水は抜かれ低水管理が続いていました。
しかし、訪問直後の同年3月22日に同年4月1日をもって受益地となる富岡町大菅、夜の森、桜地区等の避難指示解除が発表されたことで、今後受益農家の帰還に合わせて舘山溜池の運用再開が期待されます。

天端には道路が通っていましたが、今は陥没して通行は不能。
左右両側にバリケードが置かれています。
写真は左岸のバリケード。


左岸の越流式洪水吐。


洪水吐導流部
溜池直下の杉林を抜けてゆきます。


総貯水容量123万3000立米(ため池データベース)の貯水池。
本州の灌漑用溜池としてはかなり大規模。
原発事故以来受益農地が避難地域となっていたため、水が抜かれ低水管理が続いています。


右岸の斜樋。


手前に土砂吐があり、流入量はそのまま放流されています。
奥の設備や左手の小さな池はよくわかりません。


下流面
秋冬に草が刈られたようで、溜池としてはきちんと管理されています。


右岸からの天端。
道路は陥没していますが、道路わきの草もきれいに刈られています。


上流面はコンクリートで護岸。


丸太小屋風の斜樋操作室。


草が刈られた下流面
ダム下に下りましたが底樋管は見つかりませんでした。
たぶん杉林のさらに下流にあると思われます。


復旧事業により既に灌漑用貯水池としての機能は確保されています。
訪問直後に受益地となる大菅、夜の森、桜地区等の規制が解除されました。
今後受益農家の帰還に伴って灌漑用貯水池としての運用再開が期待されます。

0467 舘山溜池(1963) 
ため池コード 075430017 
左岸 福島県双葉郡富岡町大菅
右岸        同町上手岡
熊川水系熊川右支流
20メートル(ため池データベース15メートル)
155メートル(ため池データベース160メートル)
1286千㎥(ため池データベース1233千㎥)/1286千㎥
富岡町土地改良区
1940年 


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