ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

千軒平溜池

2023-03-28 17:53:53 | 福島県
2023年3月19日 千軒平溜池
 
千軒平溜池は福島県いわき市四倉町八茎の仁井田川水系仁井田川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
いわき市四倉町の仁井田川流域は水源となる仁井田川の水量が不安定で、渇水による干ばつ被害が多発しており戦前より灌漑設備の整備が強く求められていました。
戦後の食糧難を受け、1948年(昭和23年)に県営かんがい排水事業が採択され1959年(昭和34年)に竣工したのが千軒平溜池ダムです。
運用開始後は千軒平溜池土地改良区が管理を受託し約500ヘクタールの水田に灌漑用水を供給しています。
名称は千軒平溜池ですが、福島県のため池データベースへの記載はなく『農業ダム』に分類されるようです。
ダムへの入り口には立ち入り禁止を示す標識がありチェーンが張られていますが、今回は事前に千軒平土地改良区の許可を得て立ち入りました。

仁井田川沿いの県道343号八茎四倉線を北上、八茎鉱山跡を過ぎると三叉路になっている林道入口に到着します。
ゲートはありませんがここから先は一般車両進入禁止のため徒歩となります。


三叉路に建つ千軒平ダムの説明板。


三叉路から150メートルほど進むと溜池への入口が現れます。
写真のように関係者以外立ち入り禁止が表記されチェーンが張られています。
今回は事前に土地改良区の許可を得ております。


右岸ダムサイトに建つ記念碑
竣工10周年を記念して建立され、溜池建設に至る経緯が刻されています。


堤頂長127メートルの天端。


右岸の横越流式洪水吐。


総貯水容量86万5000立米の貯水池
冬場に水が抜かれるますが、灌漑期を控えてほぼ満水まで貯水されています。


左岸から天端と下流面
きれいに刈り込まれており、貴重な水源であると伺えます。
下流側にはイノシシ除けの電柵が張られています。


斜樋。


斜樋のシャフト。


上流面はコンクリートで護岸。


堤体中央の階段でダム下へ。


ダム下の底樋樋門。
非灌漑期のため河川維持放流だけ流されています。

0496 千軒平溜池(1962)
福島県いわき市四倉町八茎
仁井田川水系仁井田川
25.5メートル
127メートル
865千㎥/865千㎥
千軒平溜池土地改良区
1959年


コメントを投稿