ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

岩倉池

2021-12-16 07:44:16 | 高知県
2021年11月24日 岩倉池
 
岩倉池は高知県安芸郡芸西村馬ノ上の和食川水系北川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
芸西村一帯は年間降水量1400ミリ以下の少雨に加え村内を流れる河川は集水面積が小さく戦前より灌漑用水源は溜池に依存してきました。
昭和40年代以降の減反政策により稲作から園芸農業に転換する農家が続出した結果、既存の溜池だけで用水需要を賄うことが困難となりました。
そこで新たな水源確保の一環として、貯水量3000立米の小規模溜池だった岩倉池の嵩上げ再開発が実施され1967年(昭和42年)に事業は竣工、貯水容量は従来の25倍近い7万3000立米まで増加しました。
ダム便覧ではこの年を竣工年度としています。
さらに1991年(平成2年)には新規灌漑用水源として奥出ダムが完成、現在では芸西村は村内各所にビニールハウスが立ち並ぶ全国屈指の園芸農業地帯となっています。
 
馬ノ上集落から北川沿いの隘路を北上すると岩倉池に到着します。
芸西村の溜池では珍しく上流面はコンクリートで護岸。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
少子高齢化の時代、池で泳ぐ子供はもういません。
 
総貯水容量7万3000立米。
もとは3000立米の小さな溜池でした。
 
海岸からは2.6キロ、天端から太平洋が見えます。
眼下の平坦地は見渡す限りのビニールハウス。
 
天端中央のゲート操作盤。
 
近年刷新されたと思われる斜樋。
 
堤高22メートルの下流面。
 
たぶんこれが調圧水槽
底樋桝と言った方が妥当か?
 
2319 岩倉池 (1770)
ため池コード 393070005
高知県安芸郡芸西村馬ノ上
和食川水系北川
22メートル
53メートル(ため池データベース 60メートル)
73千㎥/73千㎥
芸西土地改良区
1967年


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