ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

黒杭川上流ダム

2017-05-12 15:01:29 | 山口県
2017年5月6日 黒杭川上流ダム 
 
黒杭川上流ダムは山口県柳井市の柳井川水系黒杭川にある山口県営の多目的重力式コンクリートダムです。
柳井川は柳井市を南北に貫流し柳井市中心街で瀬戸内海にそそぐ2級河川ですが、大雨のたびに下流の市街地に洪水被害が頻発していました。
これに対処するために県は1970年(昭和45年)に黒杭川ダムを建設しますが、ダム完成後も洪水被害は絶えず一段の洪水対策が必要となりました。そこで黒杭川ダムの上流に新たなダムを建設し、2基のダムを一体運用することで万全の治水、利水を図ることにしました。
黒杭ダム上流に2011年(平成23年)に建設されたのが黒杭川上流ダムで、黒杭川ダムと連携して黒杭川の洪水調節および安定した河川流量の保持、既得取水権への補給を目的としています。
 
柳井市中心部から県道7号を北上し黒杭川ダムを通過するとすぐに黒杭川上流ダムに到着します。
まずは下流から
クレストは自由越流式の非常用洪水吐が2門、中央に常用洪水吐が1門あります。
あとは利水放流設備があるだけの坊主ダムです。
 
県道から。
 
左岸から。
 
減勢工と副ダム
右岸に利水放流設備があります。
 
天端から下流の黒杭川ダムが遠望できます。
 
ダム湖は鳴滝湖
貯水容量45万立米の小さなダム湖です。
 
堤体は右岸側が屈曲『カド』があります。
 
 
右岸から
選択取水設備は連続サイフォン方式という珍しい形式です。
 
本当は下流の黒杭川ダムから見学するのが順当なんでしょうが、上流ダムのカードも合わせて黒杭川ダム管理所で配布されているので、先にこちらを見学しました。
 
追記
黒杭川上流ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
3136 黒杭川上流ダム(0975)
山口県柳井市柳井
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
柳井川水系黒杭川
FN
 
48メートル
253メートル
 
山口県土木建築部
2011年
◎治水協定が締結されたダム


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