ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

又木戸ダム

2022-12-03 21:56:19 | 青森県
2022年10月23日 又木戸ダム
 
又木戸ダムは青森県三戸郡新郷村戸来の五戸川水系三川目川にある農地防災目的のアースフィルダムです。
1958年(昭和33年)9月の台風22号(狩野川台風)により五戸川が氾濫し下流沿岸農地で甚大な洪水被害が発生しました。 
これを受け青森県は1967年(昭和42年)に農林省(現農水省)の補助を受けた防災ダム事業五戸川地区を採択、五戸川および支流の三川目川への2基の農地防災ダム建設事業が着手されました。
まず1970年(昭和45年)に五戸川本流に二の倉ダムが完成、次いで1988年(平成元年)に支流の三川目川に建設されたのが又木戸ダムです。
両ダムともに完成後は青森県農林水産部が管理を受託し、五戸川流域の農地防災を担っています。

事前情報ではダムへ通じる管理道路は入り口にゲートがあり進入禁止と思われたんですが、職員駐在中はゲートが開けられダムサイトの立ち入りはOKでした。
左岸ダムサイトから下流面
アースフィルダムですが、堤体にはロック材が貼り付けられています。


ダム下の建屋はたぶんドレーン設備、
気になるのはその下の白いピラミッド状の設備。
何なんでしょう?


天端には関係者以外立ち入り禁止の小さなプレート。


ダム湖は総貯水容量123万6000立米、うち堆砂容量24万立米分だけ貯留されています。
右手は管理事務所。


同じアングルでズームアップ
管理事務所横から伸びているのは常用洪水吐となる放流ゲート
奥は??たぶんインクラインじゃないかと思うんですが?


上流面もロック材で護岸
対岸に非常用となる横越流式洪水吐があります。


アングルを変えて。
下流のロック材といいやっぱりロックフィルでは??と思ったのですが…


ダムサイトの竣工記念碑
デザインは違いますが、兄弟分となる二の倉ダム同様山の形をした記念碑です。
上下流面ともにロック材が張られ、もしやロックフィルと思ったのですが、記念碑には『ゾーン型アース』と明記されております。


左岸の放流ゲート
流水型防災ダムのため、普段は流入量はここから放流します。


管理事務所
職員さん常駐のようですが、ピンポンを鳴らしても応答はなし。
いろいろ質問があったのですが、残念ながら巡回等で不在のようでした。


(追記)
又木戸ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0204 又木戸ダム(1901)  
青森県三戸郡新郷村戸来
五戸川水系三川目川
34.6メートル
179.6メートル
1236千㎥/996千㎥
青森県農林水産部
1988年
◎治水協定が締結されたダム


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