ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

岸谷ダム

2021-04-15 02:42:23 | 京都府
2021年3月27日 岸谷ダム
 
岸谷ダムは京都府舞鶴市与保呂の与保呂川水系岸谷川にある舞鶴市上下水道部が管理する上水道用水目的のアースフィルダムです。
帝国海軍舞鶴鎮守府開庁に合わせて海軍の補給用水道水源として1900年(明治33年)に桂貯水池堰堤が建設されますが、その後の海軍水道拡充のために1921年(大正10年)に建設されたのが岸谷ダムです。
堤高30メートルは大正期のアースフィルダムではもっと高いダムとされています。
水道事業黎明期の貴重な土木遺産としての評価は高く、2003年(平成15年)に『舞鶴旧鎮守府水道施設』として、周辺の水道施設と合わせて国の重要文化財に指定されたほかBランクの近代土木遺産に選ばれています。
終戦により『舞鶴鎮守府水道施設』はすべて舞鶴市に移管され、ダム直下に建設された与保呂浄水場ともども現在でも舞鶴市上水道の貴重な水源となっています。
ダムおよび堤体直下の与保呂浄水場は普段は立ち入り禁止のため敷地外から覗き見るしかなかったのが残念なところです。
 
与保呂川上流から遠望。
 
与保呂浄水場のフェンス越しに
ダム直下に植えられた桜がちょうど満開、
 
下流面には舞鶴市の市章をあしらった植栽。
 
浄水場のろ過池越しの桜。
与保呂浄水場は全国でも珍しい緩速ろ過方式です。
 
右岸にあるカスケード式の余水吐斜水路
カスケード式斜水路は明治から昭和にかけての上水用アースフィルダムで多く用いられています。
 
立ち入り規制のない斜水路沿いの山道を登ります。
 
斜水路越しに与保呂浄水場を望む。
 
右岸の余水吐
越流堤の下流側が階段状になっているのもの戦前の上水用アースダムの特徴の一つ。
 
貯水池は21万立米。
遠目ですが上流面は石積みで護岸されています。
 
円筒形取水塔
これもまた戦前の上水ダムの特徴です。
 
岸谷ダムおよび与保呂浄水場は毎年4月第一週の土日に一般公開されています。
訪問したのは3月最終週。一週間早すぎました。

1393 岸谷ダム(1611)
京都府舞鶴市与保呂
与保呂川水系岸谷川
30メートル
248メートル
210千㎥/184千㎥
舞鶴市上下水道部
1921年 


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