ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

転石ダム

2019-07-30 12:32:35 | 長崎県
2019年7月14日 転石ダム
 
転石ダムは長崎県佐世保市柚木町の相浦川水系久保仁田川にある佐世保市水道局が管理する上水及び灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
佐世保は1889年(明治22年)の海軍鎮守府開庁をきっかけに軍港都市として発展し、1901年(明治34年)に近代水道としてまず海軍水道が開設されました。
日清・日露戦争を経て佐世保の発展は著しく、急増する水需要に対応するため海軍水道では数次にわたる事業拡張が行われその一環として1927年(昭和2年)に竣工したのが転石ダムです。
転石ダムは表面石張粗石コンクリート重力式ダムで、隔壁には火山灰を混入したコンクリートが使われています。
終戦後、海軍の水道事業はすべて市に移譲され佐世保市水道局が事業継承します。
転石ダムは上水道に加えて久保仁田川流域への灌漑用水源も兼ねることになり、現在も日量最大2700立米の上水道用水を供給しています。
また戦前の貴重な土木遺産としてCランクの近代土木遺産に選定されています。
 
佐世保市上柚木町の国道498号線から転石ダムが遠望できます。
 
柚木郵便局前を南に折れると転石水源地正門前に到着します。
ここから先は立ち入り禁止。
 
敷地外から堤体を撮影するのみ。
 
 
持参したレンズではこれが限界。
 
念のためダム右岸方向にも行きましたが、この写真が撮れただけ。
 
佐世保市には山の田、転石、菰田相当と戦前戦中の貴重な上水道水源が複数ありますが、いずれも立ち入りが制限され満足に見学することはできません。人の口に入る水の水源ですのでやむをえないと思いますし、観光資源にと言っても首都圏近郊とは異なり石積みのダムで人が集まると思えません。
でもたとえば呉の本庄ダムのように期間限定でもいいので見学する機会があれば!と願うことしきりです。
 
2592 転石ダム(1493) 
長崎県佐世保市柚木町
相浦川水系久保仁田川
AW
22.7メートル
164メートル
246千㎥/233千㎥
佐世保市水道局
1927年


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