ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

伊良原ダム

2017-06-22 14:54:13 | 福岡県
2017年6月16日 伊良原ダム
 
伊良原ダムは福岡県京都郡みやこ町の祓川本流に建設中の福岡県営の多目的重力式コンクリートダムで2017年(平成29年)に竣工予定となっています。
福岡・大分県境にある英彦山付近に源を発しみやこ町から行橋市を南北に貫流する祓川は、急流河川のため豪雨のたびに流域に大きな洪水被害をもたらす一方、夏場には渇水による水不足が頻発していました。
また苅田町から大分県境の吉富町に至る周防灘沿岸地域、いわゆる京築地域は大河がなく、安定した上水道水源の確保が長年の課題となっていました。
そこでこれら諸課題に対処するために福岡県は『祓川総合開発事業』を策定、その中核として建設着手されたのが伊良原ダムです。
しかし土地買収の遅れから工事の進捗が遅延するなか、民主党政権の成立により進行中のダム建設事業の是非が問われる状況となりました。国交省が建設中及び建設予定のダム事業を検証し事業の是非を再検討する中、福岡県はいち早く伊良原ダムの事業継続を決定ししました。
現在伊良原ダムの堤体はほぼ完成、これから試験湛水に進むことになります。
伊良原ダム完成のあかつきには、祓川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への補給、田川地区水道企業団および京筑地区水道企業団への上水道用水の供給を目的とする予定です。
 
伊良原ダムは国道496号線沿いに建設されており、みやこ町から国道496号を南下するとダム建設現場に到着します。
ダム左岸上流に展望デッキが設けられ建設作業を見ることができます。
 
本体のコンクリート打設が終了し、すでに型枠が外されています。
 
いよいよ竣工に向けてカウントダウンというところでしょうか?
 
 
 
ダム建設現場下流(北側)の建設事務所でダムカードをもらうことができます。
 
建設工事もいよいよ大詰めを迎え、これからは試験湛水へと向かうことになります。
 
追記
伊良原ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2441 伊良原ダム(1023)
福岡県京都郡みやこ町犀川下伊良原
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
祓川水系祓川
FNW
 
81.3メートル
339メートル
 
福岡県県土整備部
2017年
◎治水協定が締結されたダム


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