ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

長篠堰堤

2017-02-28 18:23:58 | 愛知県
2017年2月25日 長篠堰堤
 
長篠堰堤は愛知県新城市の豊川本流にある中部電力の発電用取水堰堤で、1912年(明治45年)に福沢桃介率いる豊橋電気によって長篠発電所の取水堰として建設されました。
その後は名古屋電灯⇒東邦電力⇒中部電力(現在の中部電力とは別会社)⇒東邦電力⇒中部配電を経て戦後の電力分割民営化により中部電力が事業を継承しています。
現在も長篠発電所で最大760キロワットの発電を行い発電した電力は主としてJR飯田線へ送電されています。
長篠堰堤は堤高8メートルと河川法上のダムの要件を満たしていませんが、秋田県の藤倉堰堤、大分県の白水堰堤とともに日本三大美堰堤とされダム便覧に参考掲載されています。
またその歴史的、技術的価値から近代土木遺産にも指定されています。
 
長篠発電所は発電機を水車から離れた上部に設置し長いシャフトで連結するナイアガラ方式をとっています。一方で取水堰の長篠堰堤も『愛知のナイアガラ』と呼ばれていますが、それは発電方式によるものではなく堰堤から取水口に至る長い導水路を越流する水の様があたかもナイアガラの谷のように見えることに由来しています。
 
国道151号線の有海交差点を左折して国道257号に入り県道21号分岐から豊川右岸側(西側)の旧道を北上するとすぐに花の木公園釣堀センターに到着します。
右手の釣堀の先が長篠堰堤ですが地元では花の木ダムとも呼ばれているようです。
 
取水堰堤から取水口に至る導水路から越流する水
この越流が愛知のナイアガラと呼ばれる所以です。
 
同じ導水路をスローシャッターで。
 
堰堤部分。
 
堰堤中央の赤いトラスで鉄板を支え止水しており、両岸は余水が自由越流しています。
訪問時は水量が多いせいか迫力ある越流が見れました。
 
 
堤頂部は立入禁止。
 
 
下流からみた導水路の越流。
 
スローシャッターで。
 
取水口部分
写真は雨水用のゲートで、この奥に取水ゲートがあります。
ここから720メートルのトンネルで長篠発電所に送水されます。
 
素晴らしい晴天、おまけに水量も豊富で堰堤、導水路ともに迫力ある越流を見ることができました。

S505 長篠堰堤(0838)
愛知県新城市横川
豊川水系豊川
8メートル
25.4メートル
中部電力(株)
1912年


コメントを投稿