ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

千貫石ダム(再)

2016-05-09 12:00:00 | 岩手県
2016年5月3日 千貫石ダム(再)
 
千貫石ダム(再)は岩手県和賀郡金ヶ崎町西野の北上川水系宿内川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
金ヶ崎町の県道37号線沿いには二つの大きな溜池が並んでおり、北側にあるのが千貫石ダムです。
千貫石溜池の歴史は古く起源は伊達藩時代にさかのぼります。着工当初は毎年のように大破してしまったため『おいし』という女性を銭千貫で買い牛とともに人柱にしたという伝説が残り、これが千貫石の由来になったと言われています。
1934年(昭和9年)に千貫石溜池として整備され戦後は千貫石土地改良区の管理となります。
2005年(平成17年)から2009年(平成21年)にかけては大規模な改修が行われ千貫石ダムとして再開発されました。
その間の2008年(平成20年)に周辺土地改良区が統合され、隣接する橇引沢溜池ともども新しく誕生した岩手中部土地改良区の管理となり現在に至っています。
由緒ある溜池であり、また貯水池周辺は千貫石森林公園として整備され東北自然歩道の一部となっているなどの点を評価され、農水省によりため池百選に選ばれています。
 
橇引沢溜池から北に向かうとそのまま千貫石ダムの右岸に到着します。
 
南の橇引沢溜池から通じる道路が天端を通っています。
 
下流面。
 
洪水吐。
 
洪水吐越流部、薄く越流しています。
モノトーンの中で赤い手すりが目立ちます。
 
湾曲した洪水吐。
 
洪水吐の曲線が美しくどうしても目が行ってしまいます。
 
左岸上流に斜樋があります。
 
下流からもダムを見ることができます。
副ダムの手前で取水設備からの水路が減勢工に合流します。
 
橇引沢溜池と千貫石ダム、ともに古い歴史を持ち隣接していながら受益者が異なる二つの溜池。
歴史に現れないそれぞれの受益者同士の確執があったんだと思いますが、今はともに岩手中部土地改良区の管理となっています。
 
0232 千貫石ダム(再)(0366)
ため池コード 338110044
岩手県胆沢郡金ヶ崎町西根
北上川水系宿内川
31.3メートル(ため池データベース 31.5メートル)
247.5メートル(ため池データベース 191メートル)
5168千㎥(ため池データベース 5159千㎥)/5168千㎥
岩手中部土地改良区
1934年


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