今回はホオジロガモ。この種も雲場池では珍しい種のようで、過去2年ほどの朝の散歩の間にこの種に出会ったのはたった1日だけであった。
尤も、昼間の様子は判らないので、決めつけるわけにはいかないが、他種がこの雲場池にやってくる様子を見ていると、やはりこのホオジロガモとオシドリ、アオサギはここでは数の少ない種と言えると思う。
雲場池でこれまでに撮影ができた種は以下のとおりであるが、アオサギは不鮮明な写真が数枚という状況で、紹介できないでいるので、これを除くとこのホオジロガモで一通り紹介したことになる。

雲場池で見られる水鳥(2020.1-2022.3)
このホオジロガモ、現地で撮影したものの、すぐには種名が判らず、図鑑で調べてホオジロガモの♀と判定したのは撮影後しばらくしてからであった。手元に3冊ある図鑑のうち、1冊にはこのホオジロガモの♀の写真が載っていなかったことも一因である。
「日本の鳥550・水辺の鳥」(2000年 文一総合出版発行)の写真と見比べると、「第1回冬羽」とされるものに、羽色と眼の色が一番近いことが判る。
いつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育者発行)の記述を見ると、次のようである。
「♂は頭部と頸部の前半紫黒色で顔に大形の丸い一白紋がある。嘴峰28~36mm、翼長197~227mm、尾長77~90mm、跗蹠34~38mm。背、腰、尾、肩羽、小雨覆、初列風切は黒色でその他は上下面とも白色で配色美しい。♀は頭部と頸部の前半とはかっ色で顔には白紋を欠く。上面は灰かっ色、下面は白。
欧州及びおよびアジアの中部以北で繁殖し、冬期はアフリカ北部・印度北部・中国南部などに渡来す。我国には冬期まれならず渡来するが本州中部以南では数はスズガモやキンクロハジロほど多くない。河口部、入江などの比較的浅い所に小群で生活し、巧みに潜水する。北海道では厳冬期大きな川の結氷しない所には数十羽が群生することもまれでない。
分布 冬鳥として北海道・本州・八丈島・四国・九州・対馬に渡来する。」
♂を伴っていれば、名前通りその特徴ある頬の白斑から、もう少し容易に同定ができたと思う。撮影したのは2020年12月であるが、それ以降まだ一度も見る機会がない。
大きさは、一緒に移っているキンクロハジロと比べると、ほぼ同程度で、小さめのカモということになる。

雲場池のホオジロガモ♀ 1/7(2020.12.10 撮影)

雲場池のホオジロガモ♀ 2/7(2020.12.10 撮影)

雲場池のホオジロガモ♀ 3/7(2020.12.10 撮影)

雲場池のホオジロガモ♀ 4/7(2020.12.10 撮影)

雲場池のホオジロガモ♀ 5/7(2020.12.10 撮影)

雲場池のホオジロガモ♀ 6/7(2020.12.10 撮影)

雲場池のホオジロガモ♀ 7/7(2020.12.10 撮影)

雲場池のホオジロガモ♀(奥)とキンクロハジロ(2020.12.10 撮影)
もともと、水鳥の個体数も種数もそれほど多くない雲場池ではあるが、今後ホオジロガモの♂に出会えることを期待したい。