朝の散歩で出会う野鳥は私には名前が分からないものが結構いる。今回のこの鳥も、3回ほど出会い、都度撮影はして帰るのだが、今一つの写りで、自宅で写真と図鑑とを見比べながら、ああでもない、こうでもないと、なかなか種が同定できないでいた。
その後、それまでに見かけたことのあるこの鳥が、頭上の枝に長い間止まってくれたことと、飛び立ってもすぐ近くの枝を行ったり来たりで逃げ去ることがなかったので、いろんな角度からの写真を撮ることができた。
これらの写真を基に妻と図鑑で調べてみて、「コサメビタキ」ということで落ち着いた。
外観だけ見ると、キビタキ♀にもとてもよく似ているが、下から見上げた時の嘴の色がこれらではもっと黒いはずであった。また、ニシオジロビタキも嘴がオレンジ色であるが、こちらは名前通り尾部の両側が白いので違っている。
実は、はじめこの尾部の色がよく見えず、下嘴の色が橙黄色であることから「ニシオジロビタキ」かもしれないと、我が家で盛り上がったのであったが、残念ながらこちらはそう簡単にお目に掛かれる種ではなさそうである。
コサメビタキにたどり着いたが、図鑑にも類似種として挙げられているくらいで、他にもよく似た種がいる。サメビタキとエゾビタキである。
これらに詳しい人の見分け方を参考にしたが、決め手としたのは目の周辺の色、嘴の形状と下嘴の色であった。
コサメビタキ、エゾビタキ、サメビタキの見分け方(大阪南港野鳥園のHPを参考にして作成)
いつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育社発行)で「コサメビタキ」の項を見ておくと、次のようである。
「【形態】 灰かっ色小型の地味な鳥。嘴峰9~11mm、翼長66~77mm、尾長42~53mm、跗蹠12~14mm。♂♀共上面灰かっ色で下面灰白色。胸、脇わずかに灰かっ色。嘴は扁平である。
【生態】 我国には春季渡来し、低山帯や市街地の林縁の樹枝上に営巣する。各地に普通の鳥である。10月下旬ころ渡帰、冬期は中国南部・馬来諸島・印度支那半島などに渡る。
【分布】 北海道・本州・四国・九州などで繁殖し伊豆七島・壱岐・対馬などにも渡来する。
別の図鑑には「昔は東京都内でも繁殖していたが近年は見られない」との記述があり、近年飛来数が減少しているようである。
以下写真を紹介するが、幼鳥のような印象のある鳥である。
コサメビタキ 1/12 (2020.4.25 撮影)
コサメビタキ 2/12 (2020.4.25 撮影)
コサメビタキ 3/12 (2020.4.23 撮影)
コサメビタキ 4/12 (2020.4.23 撮影)
コサメビタキ 5/12 (2020.4.25 撮影)
コサメビタキ 6/12 (2020.4.28 撮影)
コサメビタキ 7/12 (2020. 4.23 撮影)
コサメビタキ 8/12 (2020.4.25 撮影)
コサメビタキ 9/12 (2020.4.25 撮影)
コサメビタキ 10/12 (2020. 4.25 撮影)
コサメビタキ 11/12 (2020.4.23 撮影)
コサメビタキ 12/12 (2020. 4.25 撮影)
漢字では「小鮫鶲」と書く。何故「鮫」という文字が入っているのか気になって調べてみたが、色の感じから使われたということのようで、詳しいことは判らなかった。
雲場池周辺で繁殖しているようであり、もうすぐ幼鳥が見られるのではと期待している。
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