新しく買った本 その1
①『さくらがさくと』 とうごうなりさ 福音館書店 2020.2
駅に向かう川沿いの道の桜並木が舞台です。桜の花が芽吹き、満開になり、やがて散って、葉桜になり、緑の若葉を茂らせていく様子が美しく描かれています。優しい色づかいで桜色に染まるページが美しいです。
その道を通る人々の朝の光景も興味深いです。急ぎ足のサラリーマンやОLのお姉さん、走って通り過ぎる高校生のお兄さん、ゆっくり歩く小学生の女の子など。
桜の開花に気づいてやってくるのは、まず小鳥たち。そしてある朝、すずめが落とした桜の花に気づく小学生の女の子。頭の上は桜色に染まっているのにまだ人々は急ぎ足で駅に向かいます。桜が満開になり、やっと人々は桜を楽しみます。写真を撮ったり、お花見をしたり、夜桜を楽しんだり、やがて桜は散り、駅に向かう人々の朝の光景もいつもと同じになっていきます。
そんな人々の動きが豊かに絵で語られていて、楽しめます。桜の季節に楽しみたい絵本です。
②『ねこと王さま』 ニック・シャラット作・絵 徳間書店 2019.12
「うんがわるいこと」のせいで、お城も12人の召使も失ってしまった王さまと、ねこの愉快なお話。
12人も召使がいたので、王さまの仕事しかしたことのない王さまは、ねこと一緒に暮らす中で、生きていくさまざまなことを一つずつ学んでいきます。
ねこは人間の言葉を話すことはしませんが、文字を書くことができます。運転免許を持ち、王さまのお金の管理もします。よき友として王さまをささえるねこがなんとも頼もしいです。
赤を基調としたセンスのよい絵がどのページにもあふれ、王さまとねこの繰り広げる愉快な生活の様子を豊かに語ってくれます。すてきな絵物語です。最後にうれしいおまけもついています。お隣のクロムウェルの奥さんが届けてくれた「ロイヤル・ショートブレッド」の作り方が詳しく載っています。
③『ゆりの木荘の子どもたち』 富安陽子/佐竹美保 講談社 2020.4
100年以上前に建てられた立派な洋館「ゆりの木荘」は、今は4人のおばあさんと2人のおじいさんが住む「有料老人ホーム・ゆりの木荘」になっています。そこで起きた不思議な物語です。
モリノさんとサクラさんはどちらも87歳のおばあさん。テラスでおしゃべりをしていると、サクラさんの耳に聞こえてきた手まり歌。どこかで聞いたことがあるような気がして、歌ってみると最後まで歌えてしまいます。いつの間にかサクラさんとモリノさんは10歳の子どもになっていて驚きます。ふたりだけでなく、ここに住む他のお年寄りも子どもに戻っています。いったいなぜ自分たちが子どもに戻ったのか、サクラさんたちの謎解きが始まります。
子どものときのサクラさんとこのお屋敷の接点が次第に明かになっていくにつれ、緊張感が高まります。77年前の8月3日、時間は午後5時。それは何を意味するのか、「ゆりの木荘」にかけられた魔法とは何だったのか、その謎を解き明かすために、奮闘する子どもたちの物語です。
さし絵は佐竹美保さん。表紙の絵が印象的です。
老人ホームには6人のおじいさん、おばあさんが住んでいたはず。でも、表紙には5人の子どもしか描かれていません。その謎も、読後、納得できます。
①『さくらがさくと』 とうごうなりさ 福音館書店 2020.2
駅に向かう川沿いの道の桜並木が舞台です。桜の花が芽吹き、満開になり、やがて散って、葉桜になり、緑の若葉を茂らせていく様子が美しく描かれています。優しい色づかいで桜色に染まるページが美しいです。
その道を通る人々の朝の光景も興味深いです。急ぎ足のサラリーマンやОLのお姉さん、走って通り過ぎる高校生のお兄さん、ゆっくり歩く小学生の女の子など。
桜の開花に気づいてやってくるのは、まず小鳥たち。そしてある朝、すずめが落とした桜の花に気づく小学生の女の子。頭の上は桜色に染まっているのにまだ人々は急ぎ足で駅に向かいます。桜が満開になり、やっと人々は桜を楽しみます。写真を撮ったり、お花見をしたり、夜桜を楽しんだり、やがて桜は散り、駅に向かう人々の朝の光景もいつもと同じになっていきます。
そんな人々の動きが豊かに絵で語られていて、楽しめます。桜の季節に楽しみたい絵本です。
②『ねこと王さま』 ニック・シャラット作・絵 徳間書店 2019.12
「うんがわるいこと」のせいで、お城も12人の召使も失ってしまった王さまと、ねこの愉快なお話。
12人も召使がいたので、王さまの仕事しかしたことのない王さまは、ねこと一緒に暮らす中で、生きていくさまざまなことを一つずつ学んでいきます。
ねこは人間の言葉を話すことはしませんが、文字を書くことができます。運転免許を持ち、王さまのお金の管理もします。よき友として王さまをささえるねこがなんとも頼もしいです。
赤を基調としたセンスのよい絵がどのページにもあふれ、王さまとねこの繰り広げる愉快な生活の様子を豊かに語ってくれます。すてきな絵物語です。最後にうれしいおまけもついています。お隣のクロムウェルの奥さんが届けてくれた「ロイヤル・ショートブレッド」の作り方が詳しく載っています。
③『ゆりの木荘の子どもたち』 富安陽子/佐竹美保 講談社 2020.4
100年以上前に建てられた立派な洋館「ゆりの木荘」は、今は4人のおばあさんと2人のおじいさんが住む「有料老人ホーム・ゆりの木荘」になっています。そこで起きた不思議な物語です。
モリノさんとサクラさんはどちらも87歳のおばあさん。テラスでおしゃべりをしていると、サクラさんの耳に聞こえてきた手まり歌。どこかで聞いたことがあるような気がして、歌ってみると最後まで歌えてしまいます。いつの間にかサクラさんとモリノさんは10歳の子どもになっていて驚きます。ふたりだけでなく、ここに住む他のお年寄りも子どもに戻っています。いったいなぜ自分たちが子どもに戻ったのか、サクラさんたちの謎解きが始まります。
子どものときのサクラさんとこのお屋敷の接点が次第に明かになっていくにつれ、緊張感が高まります。77年前の8月3日、時間は午後5時。それは何を意味するのか、「ゆりの木荘」にかけられた魔法とは何だったのか、その謎を解き明かすために、奮闘する子どもたちの物語です。
さし絵は佐竹美保さん。表紙の絵が印象的です。
老人ホームには6人のおじいさん、おばあさんが住んでいたはず。でも、表紙には5人の子どもしか描かれていません。その謎も、読後、納得できます。