まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

新しく買った本 4月

2024-04-17 17:10:29 | 文庫のページ
①『おにぎりをつくる』 2020.1
②『みそしるをつくる』 2020.11 高山なおみ/写真・長野陽一 ブロンズ新社
 おにぎりや味噌汁の作り方を写真で丁寧に描いた絵本です。子どもが初めておにぎりや味噌汁に挑戦するときにうれしい本です。
 ご飯が炊きあがるまでの基本的なことをしっかり教えてくれます。大人は大きなおにぎりを、子どもは小さなおにぎりを手の中で「むすんで にぎって」を繰り返して作っていく様子が楽しめます。美味しいおにぎりのできあがりです。味噌汁も昆布と煮干しでしっかりだしを取るところから始まって、水の量、お味噌の量についも教えてくれます。油揚げと豆腐の味噌汁のできあがりです。
 裏表紙には高山さんからのすてきなメッセージもあります。
③『あさいち』 絵=大石可久也 かたり=輪島・朝市の人々 福音館書店 2024.3復刊
 1980年1月号の「かがくのとも」で出た絵本です。今年元旦に起きた石川県能登の地震で輪島の有名な朝市が火災でなくなってしまいました。40年以上も前に出たこの絵本の復刊を望む声が多く寄せられ、3月に復刊になりました。
 元気なおばあたちの声が店に響き渡ります。輪島の人々の土地言葉で交わされる売り手と買い手の会話の様子が温かいです。海のものや山のものなど、様々なものが並ぶ朝市の賑わいと活気が伝わります。輪島の人々の暮らしの豊かさにも触れることができます。朝市の様子を丹念に取材し絵巻物風に描いたという絵も味わいがあります。
 福音館書店では、売り上げの一部を地震災害義援金として日本赤十字社に寄付するそうです。文庫でも一冊でも多く売れるよう、ささやかですがお手伝いしたいと思っています。たくさん取り寄せましたので、もしよかったらどうぞ購入してください。1冊1100円です。
④『ただいま、おかえり。 3.11からのあのこたち 写真・文 石井麻木 世界文化社 2023.2
 東日本大震災のあった2011年3月11日から毎月、月命日に通い続けて、12年間撮りつづけてきた写真をもとに作り上げた写真絵本です。13回忌を迎える2023年2月に出版になりました。
 12年という時間の中で出会った人々との心の触れ合いの中から、生まれた絵本です。忘れてはならないこと、伝え続けなければならないこと、あの時、小学生だった子どもたちの成人する姿を見届けることができたこと、あの時、生まれた子どもが中学生になったこと、悲しみは決して消えることはないが、確かに時は過ぎ、前に進んでいることを、写真と言葉で語りつづけます。最後に行くにつれ、笑顔の子どもの写真が多くなります。「この子たちの笑顔をこれからも見守りたい」という言葉に写真の持つ大きな力を感じます。
 絵本の最初に書いてある文章にも「あとがき」にも、写真家石井麻木さんの深い思いが込められています。石井さんは絵本作家いせひでこさんのお嬢さんです。
⑤『ワンダーランドに卒業はない』 中島京子 世界思想社 2022.8
 中島京子さんが子どものころどんな本を読み、どんな風に楽しんだのか、18冊の児童文学を取りあげて書いた興味深いエッセイです。
 この本を書くために子ども時代に愛読したたくさんの本を読み返し、選んだ作品です。印象深いのは夢中になって読んだ子ども時代の感動が少しも色あせずに熱く語られていることです。これから児童文学を読みたいと思っている人にとって、最高の道案内をしてくれる本です。児童文学の魅力をたっぷり味わうことができます。大人はもちろん、中高生にもおすすめです。
 3月のレンゲの会でこの本を取りあげたのですが、読んでいない作品も、再読したい作品もあり、2024年度のレンゲの会ではこの中から5冊を取りあげることになりました。
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寄贈本 24年4月

2024-04-17 15:54:47 | 文庫のページ
ありがとうございます。寄贈本
◆内田麟太郎さんからいただきました。
①『たんぽぽに なりたくて』 内田麟太郎/南塚直子 童心社 2024.2.9
 風に飛ばされて飛んでいく綿毛の気持ちをすてきに描いた絵本です。行き先を自分で決めることはできないけれど、たんぽぽになりたくて、笑いながら飛んでいく綿毛。幸せいっぱいのたんぽぽの黄色が美しいです。南塚さんの陶板画が魅力です。
②『ありえない』 内田麟太郎・クレーン謙 ハッピーオウル社 2024.3.19
 何がありえて、何がありえないのか、4人の下す判定が愉快です。ありえない言葉の世界をありえる世界に変えてしまう絵が見事です。ナンセンスな世界が広がります。
③『ともだち ともる』 内田麟太郎/黒井健 文研出版 2024.3
 小さなアマガエルと大きなウシガエルが友だちになれたすてきなお話です。声をかけたいのだけれど、どちらも自分と相手の違いが気になって、なかなか声をかけられません。でもとうとうウシガエルが声をかけます。カエルたちの表情も葉っぱの一枚一枚も黒井健さんの絵が素晴らしいです。
◆さわちゃんのお家からいただきました。
『はだしのゲン』第3巻 中沢啓治 汐文社 1975
 いつもさわちゃんと一緒に来ているお父さんが2月、『はだしのゲン』を一巻目から読み始めました。全10巻のうち3巻目だけが抜けて気になっていたので、この機会に再度買おうと思っていたのですが、その前にさわちゃんのお家からいただいてしまいました。
◆佐藤千鶴さん(るいちゃんのお母さん)からいただきました。
「14ひき」シリーズ9冊 いわむらかずお 童心社 1983~1994
 3月のコーヒーサロンに来てくださって、30年ぶりにお会いすることができました。このシリーズはカバーと表紙の絵が違うのですが、文庫の本はカバーを外してあるので、表紙と比べてもらうことができません。いただいた9冊はカバーをそのままにしますので、違いを楽しんでください。カバーと表紙の間にも物語を読み取ることができます。
◆佐藤しげ子さんからいただきました。
『下水道のサバイバル 1⃣』 ポドアルチング/韓賢東 HANA韓国語教育研究会訳 朝日新聞出版 2023.12
 体内の老廃物を運ぶ静脈とよくたとえられる下水道の大事さを知ることができる、科学マンガサバイバルシリーズの一冊です。
◆糸満市(沖縄)の大城ひかるさんからいただきました。
『海ヤカラ』 照屋年之( ガレージセール・ゴリ)/とろっち ポプラ社 2022.5
 春休み、大城さんが娘さんご夫婦と一緒に文庫の見学にいらっしゃいました。30年近く前、仙台に住んでいた城野さん(現在糸満市在住)のお友だちです。
 沖縄が日本に復帰する2年前の糸満を舞台に、ウミンチュ(漁師のこと)の息子ヤカラ(10才)たち4人の友情の物語です。沖縄の持つ厳しい現実の中で沖縄の自然や文化や暮らしを守り、懸命に生きる人々を描いています。沖縄は戦後27年後の1972年5月にやっと日本に復帰します。その一週間後に生まれた作者(「ちゅらさん」に出演したゴリさん)が沖縄への恩返しの思いを込めて描いた初めての児童書。出版された2022年5月は復帰からちょうど50年の年です。
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