まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

今月の詩 ’16.3月

2016-03-15 17:13:44 | 文庫のページ
  三年よ
       阪田寛夫

 ついに三年はおわろうとしている
 あとなん十日かのうんめいである
 おい三年よ
 いっしょに四年になりたいか
 四年になったら六時間目があるぞ
 あひる当番もきついぞ
 いままでみたいなちょうしでは
 まあ、むりだな

 三年よ
 また二年から
 ちびさんたちがあがってくるよ
 ぼうしやカバンの二年の二の字に
 一本棒を書きたして
 三年なん組だれそれって、すましていうさ
 ぼくらはこんどはそうはいかん
 四は三とはだんぜんちがう
 だから、いまからかくごもかたい
 そろそろいくぞ
 なくなよ三年
   (『夕方のにおい』教育出版センター)

 この1年、元気な3年生が男の子も女の子もたくさん文庫に来てくれました。1年生の時からずっと来ている人も多いですね。今月はそんな3年生の今の気持ちにぴったりの詩を選びました。阪田寛夫さんの「三年よ」という詩です。どうぞ楽しんでください。もうすぐ終わる「三年」に勇ましく呼びかけている楽しい詩です。「四年」になるということはすごいことなのですね。「ニ」に一本棒を加えて「三」にするのとはわけが違う。「かくごもかたい」という言葉からもその思いが伝わってきます。
 4年生になるということは、誕生日が来ると10才になるということですね。『ラモーナ、明日へ』という物語を知っていますか。10才になったラモーナは、その喜びをこんなふうに言っています。「あたしティーンエイジャーになるのよね。」「ゼロティーンだよ。二けたの数字だもの。」「来年はワンティーン(11)で、再来年はツーティーン(12)で、それからサーティーン(13)、フォーティーン(14)ってなるんだもの。」
 ラモーナにとって10才はちょっぴり大人になること。ラモーナ流に考えると、ティーンエイジャーの仲間入りをすることなのでしょう。小さい時からいつも悩みを抱えていたラモーナが10才になったときにはとてもうれしい思いをしました。シリーズがたくさんあるので、ぜひラモーナの物語を読んでみませんか。ラモーナと出会ってほしいです。
 以前、テレビでケストナーが取りあげられた時、ケストナーの作品をどんなふうに読んでいるか、ドイツの子どもたちに尋ねる場面がありました。「まだ10才でないので、お父さんに読んでもらっている」「もう10才になったから一人で読んでいる」と答えていました。
 読んでもらうか、一人で読むか、10才は子どもの読書にとっても大きな分岐点になります。10才を過ぎてもその子が望むなら読んであげていいと思いますが、10才は本当のひとり読みが始まる時と言ってもいいようです。絵本を読んであげるお母さんは多いですが、昔話や幼年文学、児童文学もどうぞ読んであげてください。ぜひお家で、長い物語を、10才までに1冊でも2冊でも読んであげてください。お父さんに読んでもらうのもいいですね。春休みはそのチャンスです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新しく買った本 2月 | トップ | 3月4月の文庫の日 ’16年 »

コメントを投稿

文庫のページ」カテゴリの最新記事