ナナは無事に帰って来たのだが、私としてはがっくりすることが多かった。近くにいれば帰ってこないはずはないと思って遠くばかり探していた。しかし意外に近くでうろうろしていたようだった。後になって聞けば1月24日には家の近くを元気に走っていて捕まえようと思ったけど逃げて行ってしまったとか………牛舎の辺をうろうろしていたとか。見つかった時もあわてて飛んで行った私にしっぽをお尻の間に入れてワンワン吠えた。喜んで飛びついてくれると思っていた私は複雑な心境だった。捨てられた猟犬のナナは食べるものもなく車に脅されたりしたことも忘れて、いっぱいいっぱい走りたかったのかもしれない。ナナの幸せはどっちだったんだろう。