貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

久し振りに 白秋を偲ぶ!

2017-11-26 07:51:52 | 日記
久し振りに 白秋を偲ぶ!

平成29年11月26日(日)

 朝刊の日曜版の「名言巡礼」で、

久し振りに白秋と出合う。

 「からまつはさびしかりけり。

 たびゆくはさびしかりけり。」

の詩の一節に目が釘となる。

 タイトルは「安寧得て気づいた美しさ」

となっている。

 「悲惨な曲折を経てやうやうに辿りついた」

と「水墨集」の後書きに記されているという。

 白秋36歳。

 その年の春、終生の妻となる菊子をめとり、

人生の喜びや楽しさを感じ取る白秋がいる。

 今朝は、久し振りに、白秋の「落葉松」を

味わうことにした。

 落 葉 松 (からまつ)


 1 からまつの林を過ぎて、
   からまつをしみじみと見き。
   からまつはさびしかりけり。
   たびゆくはさびしかりけり。

 ※浅間の落葉松林をひとり歩く。
  晩秋の寂しさは、落葉松の美しさと
  さびしさをしみじみと・・・・。
  人生という旅も同じようだ・・・。

  2 からまつの林を出でて、
   からまつの林に入りぬ。
   からまつの林に入りて、
   また細く道はつづけり。

  3 からまつの林の奥も
   わが通る道はありけり。
   霧雨のかかる道なり。
   山風のかよふ道なり。
 
 ※落葉松林の奥へ奥へ。
  私が通る道がある。
  この道は霧雨がかかったり、
  浅間の風が吹き抜けたり・・・・。
  落葉松林の自然とともにある。

  4 からまつの林の道は
   われのみか、ひともかよひぬ。
   ほそぼそと通ふ道なり。
   さびさびといそぐ道なり。

  5 からまつの林を過ぎて、
   ゆゑしらず歩みひそめつ。
   からまつはさびしかりけり、   
   からまつとささやきにけり。
 
 ※ 落葉松のさびしさと私のさびしさを
   囁き合い、共感しつつ同化したり・・・。


  6 からまつの林を出でて、
   浅間嶺にけぶり立つ見つ。   
   浅間嶺にけぶり立つ見つ。
   からまつのまたそのうへに。

  7 からまつの林の雨は
   さびしけどいよよしづけし。
   かんこ鳥鳴けるのみなる。
   からまつの濡るるのみなる。
  
  8 世の中よ、あはれなりけり。
   常なけどうれしかりけり。
   山川に山がはの音、
   からまつにからまつのかぜ。

 ※ 無常のこの世なれど、
   落葉松林をひとり歩き、
   落葉松と囁きあったり・・・。
   山川の流れる音も心地よく、
   落葉松林の落葉松の風を感じとったり・・・。
   自然と一体となり、幸福感に浸ることができた。


≪落葉松≫の初めには、

 「 落葉松の幽かなる、その風のこまかに

 さびしく物あはれなる、ただ心より心へと

伝ふべし。また知らむ。

  その風はそのささやきは、また我が心の

 心のささやきなるを、読者よ、これらは声に

 出して歌ふべききはのものにあらず、

 ただ韻(ひびき)を韻とし、匂を匂とせよ。

 
「韻を韻とし、匂いを匂いとし、感じて下さい。」

 というのもいいなあ!

  
霞ヶ浦を照らす太陽



小型船の造形美と







筑波山も映える



カモメもいっぱい集まる!