貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

売り上げに木の葉!

2020-09-02 13:27:08 | 日記

売り上げに木の葉!

令和2年9月2日(水)

 伝通院の学寮(栴談林といって修行する処)

に、沢蔵司という修行僧がいた。

 僅か三年で浄土宗の奥義を極め、

元和6年(1620)5月7日の夜、

学寮長の極山和尚の夢枕に立つ。

 「そもそも余は千代田城の内の稲荷

大明神である。かねて浄土宗の勉学を

したいと思っていたが、多年の希望を

ここに達した。

 今より元の神に還るが、永く当山を

守護して、恩に報いよう。」

と告げて、暁の雲に隠れたという。

 そこで、伝通院の住職廓山上人は、

沢蔵司稲荷を境内に祀り、

慈眼院を別当寺とする。

 江戸時代から参詣する人が多く繁栄。

 「東京名所図会」には、

「東裏の崖下に狐棲(狐の棲む)の洞穴

あり」とある。

 

 今も霊窟と称する窪地があり、

奥に洞穴があって、稲荷が祀られている。

  伝通院の門前の蕎麦屋に、沢蔵司は

よく出かける。

 彼が来た時は、売り上げの中に

必ず木の葉が入っている。

 主人は、沢蔵司は稲荷大明神と察知。

 毎朝「お初」の蕎麦を供え、稲荷蕎麦

と称する。

 また、すぐ前の善光寺坂に椋の老樹が

あるが、これには沢蔵司が宿っていると

いわれる。

 道路拡幅の時、道を二股にし避けて

通るようにする。

 慈眼院、続く!