最後となる五月富士!
令和2年9月11日(金)
宮益坂の上り口にある神社。
宮益(みやますみ)御嶽神社。
階段の前には高層のビル群。
渋谷駅の近くにきちんと残されている。
社内には、 珍しい日本狼の狛犬がある。
この狛犬は全国的にも珍しい日本狼の
石像である。
延宝年間(江戸時代1673~1681)の作品。
原形は損傷が甚だしく、社殿復興に際
修復し、社務所内に安置。
社殿前の日本狼像狛犬は、
ブロンズ製で、原形をモデルに
製作した多田端穂氏の作。
芭蕉句碑は、社殿左側に整備され
ている。
「眼にかかる
時や殊更
月不二」 。
出典は『芭蕉翁行状記』
(路通編)。
「目にかかる
時やことさら
五月富士」
元禄六年5月。最後の富士。
江戸を発って上方へ最後の旅をする芭蕉。
箱根を越えた辺り、丁度富士山の全貌が
見えてくる。俳聖の最後を気遣ったか、
富士は五月晴れとなって、その姿を
「ことさら」美しく現してくれる。
曽良宛書簡では、箱根は雨。三島への下りも
難儀したことが報告されているので、
「この五月富士」は、心象風景としての富士か、
または雨の合間の瞬間の眺望だったの
かもしれない・・・?
文政8年(1825)5月、建立。
宮益坂は、別名「富士見坂」と呼ばれている。