貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

最後となる五月富士!

2020-09-11 09:27:59 | 日記

最後となる五月富士!

令和2年9月11日(金)

 宮益坂の上り口にある神社。

 宮益(みやますみ)御嶽神社。

 階段の前には高層のビル群。

 渋谷駅の近くにきちんと残されている。

 社内には、 珍しい日本狼の狛犬がある。

 この狛犬は全国的にも珍しい日本狼の

石像である。

 延宝年間(江戸時代1673~1681)の作品。 

 原形は損傷が甚だしく、社殿復興に際

修復し、社務所内に安置。

 社殿前の日本狼像狛犬は、

ブロンズ製で、原形をモデルに

製作した多田端穂氏の作。

  芭蕉句碑は、社殿左側に整備され

ている。

 「眼にかかる 

   時や殊更 

     月不二」
  

 出典は『芭蕉翁行状記』
        (路通編)。

「目にかかる 

   時やことさら 

     五月富士」

 元禄六年5月。最後の富士。

 江戸を発って上方へ最後の旅をする芭蕉。

 箱根を越えた辺り、丁度富士山の全貌が

見えてくる。俳聖の最後を気遣ったか、

富士は五月晴れとなって、その姿を

「ことさら」美しく現してくれる。

 曽良宛書簡では、箱根は雨。三島への下りも

難儀したことが報告されているので、

「この五月富士」は、心象風景としての富士か、

または雨の合間の瞬間の眺望だったの

かもしれない・・・?

 文政8年(1825)5月、建立。  

 宮益坂は、別名「富士見坂」と呼ばれている。