☆・・・世に棲む日日 (96)
確かにあたいは映画をよく観る。
どんなジャンルのものも観る。
でも、同じ映像ジャンルだからと言って、海外のを含めたドラマに詳しい訳ではない。
映画とドラマでは、構成要素がかなり異なる。
「ウォーキングデッド」には嵌まったけど、基本、ドラマと言うものとの長期間のつきあいには、あたいは慣れていない。
だから、その評価には自信がない。
おそらく、俺が夢中になったものに対し、ドラマ好きの人は「もっと凄いのがあるぜ!」と思うかも知れない。
だが、この、ネットフリックスのベルギー産オリジナルドラマ「イントゥ・ザ・ナイト」には夢中になっている。
シリーズ1が7話と短く、俺には間口が広い。
なんと言っても設定がたまらなかった。
SFであり、スリラーであり、極限の人間ドラマ。
・・・太陽の活動が異常化し、地球に、電子レンジの効果のようなマイクロ波が降り注ぐ。
とある日の、夜が明けた場所から、人がバタバタと死んでいく。
朝を迎えてないブリュッセルで、その情報を知ったNATO所属のイタリア軍人がテンパって、機乗がはじまったばかりの旅客機をハイジャック、とにかく、太陽光にさらされない、未明の西に飛び立つ。
わずかに乗り込んでいた乗客もスタッフも、それぞれ、複雑な人生を抱えている。
また、そのフライト自体も前途多難、世界各地の空港に降りたち、燃料を補給しつつ、夜が明ける前に、西に西に!
だが、その燃料も、マイクロ波に曝され変質し劣化!
補給する食料も、何時間も電子レンジに掛けられたかのようなチョークのような味に・・・!
地球を何周も逆に向かいながら、安住の地を探・・・、したいが、なんとも先が見通せない。
もう、八方塞がりのメンバーたち。
1話目の最後に主人公の一人が「どこに行く!?」と聞かれ答える。
「イントゥ・ザ・ナイト!(深き闇の中へ!)」
かっけぇ!
・・・で、そのシーズン2がはじまった!
見てみて!
(2021/09/16)
☆・・・総鑑賞本数118本、コロナによる映画館自粛期間が2ヵ月あった割りには見てるなぁ^^
コロナ禍のもと、感受性が研ぎ澄まされ、ベストナインを選ぶのに苦労しました^^;
◇ ◇ ◇
1・ジョジョ・ラビット…4.0
♪ 2・イン・トゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり…4.5 (トム・ハーバー監督)
3・パラサイト 半地下の家族…4.0
4・カイジ ファイナルゲーム…3.0
5・ジュマンジ ネクストレベル…3.0
6・ヒックとドラゴン 聖地への冒険…3.0
7・フォードvsフェラーリ…4.0
8・リチャード・ジュエル…4.0
9・フィッシャーマンズソング…4.0
10・メイド・イン・アビス 深き魂の黎明…4.0
11・AI崩壊…3.5
12・ザ・ピーナッツバター・ファルコン…4.0
13・ナイブス・アウト 名探偵と刃の館の秘密…3.5
14・テリー・ギリアムのドン・キホーテ…3.5
♪ 15・僕のヒーローアカデミア ヒーローズライジング…4.0 (長崎健司監督)
♪ 16・マリッジ・ストーリー…5.0 (ノア・バームバック監督)
17・黒い司法 0からの軌跡…4.0
18・スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼…3.5
19・チャーリーズ・エンジェル…3.5
20・1917 命をかけた伝令…4.0
21・野生の呼び声…3.5
22・ミッドサマー…3.5
23・Fukushima50…4.0
24・キャッツ…3.5
25・スキャンダル…3.5
26・スケアリーストーリーズ 怖い本…3.0
27・ヲタクに恋は難しい…3.0
28・弥生、三月 君を愛した30年…3.0
29・ハーレイ・クインの華麗なる覚醒…4.0
30・おいしい給食…3.5
31・ブラッド・ショット…3.0
32・囚われた国家…3.5
33・21世紀の資本…3.5
34・ロイヤルコーギー レックスの大冒険…4.0
35・架空OL日記…3.5
♪ 36・家族を想うとき…4.5 (ケン・ローチ監督)
37・ワールドエンド…3.0
38・ライブリポート…3.5
39・タワーリングインフェルノ(リバイバル)…3.5
40・ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語…4.0
41・エキス・マキナ(リバイバル)…5.0…傑作だが、2020年のベストには入れられない。
42・デンジャー・クロース 極限着弾…4.0
43・俺たちに明日はない(リバイバル)…4.0
44・プレーム兄貴、王になる…3.5
45・ランボー ラスト・ブラッド…3.5
46・風の谷のナウシカ(リバイバル)…4.0
47・エジソンズ・ゲーム…3.5
48・プロメア…3.0
49・In the Life of Music 音楽とともに生きて…3.5
50・のぼる小寺さん…4.0
51・アンチ・グラビティ…3.0
52・チア・アップ…3.5
53・透明人間…3.5
54・レイニー・デイ・イン・ニューヨーク…3.0
55・ライド・ライク・ア・ガール…3.5
56・T-34 レジェンド・オブ・ウォー 最強ディレクターズ・カット版…4.0
57・リトル・ミス・サンシャイン(リバイバル)…3.0
58・劇場版 秘密×戦士 ファントミラージュ! ~映画になってちょーだいします~…2.5
59・機動警察パトレイバー the Movie(4DX版)…4.0
60・今日から俺は!! 劇場版…3.5
61・ドラえもん のび太の新恐竜…3.5
62・ファヒム パリが見た奇跡…3.5
63・アルプススタンドのはしの方…3.0
64・弱虫ペダル…3.5
65・2分の1の魔法…3.0
66・サーホー…3.5
67・荒野のコトブキ飛行隊 完全版…3.5
68・ミッドウェイ…3.0
♪ 69・ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー…4.0 (オリヴィア・ワイルド監督)
♪ 70・ソニア ナチスの女スパイ…4.0 (イェンス・ヨンソン監督)
71・事故物件 怖い間取り…2.5
72・幸せへのまわり道…3.5
73・ジェクシー スマホを変えただけなのに…3.0
74・きっと、また会える…4.0
75・ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン 劇場版…3.0
76・プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵…3.5
77・甘いお酒でうがい…4.0
78・テネット…3.5
79・パプリカ(リバイバル)…3.0
80・望み…3.0
81・星の子…3.0
82・クレヨンしんちゃん 激突ラクガキングダムとほぼ四人の勇者…3.5
83・映像研には手を出すな!…3.5
84・BURN THE WITCH…3.0
85・鬼滅の刃 無限列車編…3.5
86・鬼滅の刃 無限列車編(アイマックス版)…3.5
87・ドラえもん のび太の新恐竜(2観目)…3.5
88・シカゴ7裁判…4.0
89・キーパー ある兵士の奇跡…4.0
♪ 90・朝が来る…5.0 (河瀬直美監督)
91・悪人伝…4.0
92・とんかつDJアゲ太郎…3.5
93・水上のフライト…4.0
94・ドクターデスの遺産…2.5
95・昨日からの少女…3.5
96・スパイの妻…3.0
97・ストックホルムケース…3.5
98・ばるぼら…3.5
♪ 99・ミッドナイト・スワン…5.0 (内田英治監督)
100・アーニャは、きっと来る…4.0
101・罪の声…3.0
102・ホテルローヤル…3.0
103・新解釈 三國志…3.0
104・イマジン(リバイバル)…2.0
105・新・鮫島事件…2.5
106・サイレント・トーキョー…2.5
107・家なき子 希望の歌声…4.0
108・ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒…3.5
109・劇場版 ポケットモンスター ココ…3.5
110・ネットフリックス 世界征服の野望…3.0
111・天外者…3.5
112・'96…4.0
113・エヴァンゲリオン 新劇場版:Q…3.0
114・えんとつ町のプペル…3.5
115・ミッドナイト・スカイ…3.5
116・プロム…3.5
117・ワンダーウーマン 1984…3.0
♪ 118・ソング・トゥ・ソング…5.0 (テレンス・マリック監督)
(2012/01/01)
☆・・・最近、点数が甘めなので、やや下げてみた^_^;
(今年の43作目)『俺たちに明日はない』…4.0
言わずと知れたアメリカンニューシネマの傑作。
日本では、俺の生まれた年に公開。
でも、全く古くささはなく、
行く町行く町で、金を下ろすように強盗を繰り返し旅を続ける、元祖「無軌道な若者」のボニー&クライドの青春を大画面で見ることが出来て感動。
作品は良く出来てるけど、俺は、こいつらを友達には持ちたくない(キッパリ!)。
(44作目)『プレーム兄貴、王になる』…3.5
これまた、毎回面白い、…膨大だろう作品群の中から、選りすぐられて日本で配給されるインド映画。
もう、いい男と、極上の美女が織りなす、歌って踊って戦って心に染みる大エンターテイメント!
いつも、お腹いっぱいになる長尺です。
(45作目)『ランボー ラストブラッド』…3.5
凄いね、スタローン脚本は、ランボーにけして安住の地を与えない。
ささやかな幸せは、いとも簡単に崩壊させられる。
ランボーは、それはもう、ジェイソンの如き残虐さでメキシカン人身売買マフィアに怒りが剥く。
容赦ないランボーの怒り。
いっそ、爽やかである。
これは、生ぬるい時代へのランボーの怒りでもある。
そして、これからは、幸福だった思い出とともに生きると言うランボーに、こっちは哀しくなるのだ。
ランボーは生きてる。
もう一作、戦場で最後を迎えさせたい。
(46作目)『風の谷のナウシカ』…4.0
これも大画面で見たかった名作。
地味に感じていたのだけど、こんなにもアクション豊富で、プロットが複雑なのは分かるけど、ストーリーも詰まっている。
また、宮崎アニメ特有の「神は細部に宿る」的に細やかな演出。
俺、つくづく影響を受けて生きてきたことが実感出来る。
しかし、宮崎駿の兵器描写の生き生きとしてることと言ったら^_^;
(47作目)『エジソンズ・ゲーム』…3.5
原題直訳は「電流戦争」、つまり、電力供給業界の覇権争いの話。
エジソンと争うと言ったらニコラ・テスラが思い出させられるのだが、テスラは準主役で、エジソンと戦うのは、実業家ジョージ・ウェスティングハウス。
エジソンは2人の主役の一人であるが、おやおや、知ってはいたけど、頑なで性格悪い、嫌がらせばかりしている。
対して、ウェスティングハウスは、ファーストシーンのパーティーからして、席を外すときに、一人一人の名前を言って去り、もうその時点でいい人物だと分かる。
最初から、ウェスティングハウスは協力しあおうと言ってるのだが、エジソン! エジソンだけが意固地になっているから、その意思が変わるまでの2時間の話^_^;
(48作目)『プロメア』…3.0
これ、去年から、かなり長くロングランしていたよね。
このコロナ禍の中、まだ需要があるらしく再上映だ。
俺も観る。
2時間ノンストップとも言える強烈にパワフルな演出で面白かった。
都市の消防隊の話に、炎の怪人が出てくるのはおろか、最終的に地球の命運を左右していく展開は圧巻だ。
でも、独特の淡いピンクやブルーのポップな色づかいは個性的だけど、おじさんには違和感が残った。
(2020/07/03)
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☆・・・《最近 観た映画(5)》
これら、3月に観た作品です。
4月は、おそらく、映画館で映画鑑賞は出来ないでしょう。
こんな長期間、映画館に行けないのは、ここ四十年、なかったことです。
(今年の27作目)『ヲタクに恋は難しい』…3.0
福田監督にしては笑えなかった。
鷲巣詩郎担当の音楽を使ったミュージカルシーンも、物語の水増しのイメージしかない。
高畑充希は確かに、演技・踊り・歌、何をやらしてもうまい。
でも、それが笑いに繋がるとは限らない。
対して、賀来賢人の登場シーンだけは笑った。
(28作目)『弥生、3月 君を愛した30年』…3.0
全10話、1話ごとに1年づつ10年を描いた、変わり者の主人公と仲間たちを描いたテレビドラマ『同期のサクラ』の作り手が手がけた、姉妹編とも言うべき作品。
こちらは、30年の毎年3月だけを描いた紆余曲折の恋愛物語だ。
描かれない年もあるし、時間が前後したりもする。
感動のクライマックスだけをつなげたような泣ける展開。
感動するけど、個々の話はありきたりだ。
大量の寄せ集め感動話で、こちらを圧倒する。
ヒロインの#波瑠 は美しく、見惚れた。
(29作目)『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』…4.0
マーゴット・ロビー演じる、このハーレイ・クイン、俺、全く魅力を感じない。
美形なのだが、全くそそらないし、物語も、いまいちパッとしないで進んでいく。
なんか、物語上、ハーレイクインを含めて5人の女が登場するが、いずれも、容姿にグッとくるものがなく、物語上 冴えないし、女優面では俺を引きつけない。
と、思いきや、終盤で一気に、あれよあれよと、その5人の、社会からの「はみ出し者たち」がチームを組み、悪党に挑む。
超盛り上がり展開!(^O^)v
(今年の30作目)『おいしい給食』…3.5
深夜ドラマ版と平行して作られていた映画版。
給食に命を賭けている教師と一生徒の、どちらがより給食をおいしく堪能出来ているか、の毎日のバトルの物語。
前半は面白い。
いつもテレビの画面で見ていた給食バトルが大画面で見られるのだ。
笑いに不向きと思われた市原隼人の見事なコメディアン振り、生徒役のドヤ顔。
たまらなく面白い。
しかし、後半は劇場版ならではの事件が起き、その解決に2人は奔走する。
それが妙にリアルに描かれ、悩む2人に、私は、こんな2人は見たくなかった、と思わせられるのだった…。
……映画興行界のドル箱の時期のゴールデンウィークも、映画館は閉鎖だろう……。
(2020/04/13)
☆・・・
(今年の21作目)『野性の呼び声』…3.5
これ、原作は冒険小説の古典ですな。
私は、甘ったれた人物に苛立ちを覚える男なので、それが女の子ならば良いが、幼児であっても男には厳しい。
主人公の犬が、金持ちの家のペットとして傍若無人に振る舞う様にイライラさせられるのだが、犬泥棒にさらわれ、ゴールドラッシュに湧くアラスカでソリ犬となり、犬たちとの友情を形づくり、信頼できる主人と出会い、最終的には野性に還り、狼の群れのリーダーになるまでが描かれる。
人は変われるのだな、と考えさせられる(犬だけど)。
(22)『ミッドサマー』…3.5
強烈な作品。
凄い作品だとは思うが、あたいはカルト臭を嫌うので、なんかやだ。
事件で家族を失った主人公が、彼氏や同級生らと、白夜のスウェーデンの片田舎の村で行われる90年に一度の祝祭に参加する。
一見、自然豊か人和やかな雰囲気の村なのだが、徐々に異常な因習が見え隠れしていく。
白昼堂々のホラー作品。
不幸な状況にあった主人公の女の子。
人は変わってしまうのだな、と考えさせられる。
この作品、スウェーデンにとっては国辱もんだなと思うのだが、まあ、日本の田舎も勝手なカルトめかして描かれることもよくあるからいいのかな(^.^)
(23)『Fukushima50』…4.0
良く出来た作品だ。
佐藤浩市と渡辺謙のダブルメインがリアルを宿していて良かった。
渡辺謙が演じた福島第1原発所長が感情を隠さないとこが特に良かった。
原発事故の経緯は、菅直人総理の人災の側面があるが、最終的に、この人も自分の命を賭していたのが感じられ、そのセリフは事実か分からないが、物語的には許せる。
現場にテレビ電話で無理難題を吹っかける本社の幹部も、最後には汗でドロドロになっていた。
二号機がメルトダウンしなかった理由は、未だに不明だそうだ。
「人事を尽くして天命を待つ」、その結果としか思えない。
(24)『キャッツ』…3.5
舞台版を観てない私は、初め、話の方向性が分からずにかなり戸惑った。
吹き替え版で観たのだが、ミュージカル故にセリフは歌われているので、言葉が十全に理解できなかったのだ。
どうやら、町の片隅に捨てられた小ネコが行き着いた世界は、ナンバーワン猫を決めるセレクションの真っ只中だった。
そこには、汚い手を使ってもナンバーワンになりたい悪猫や、今は落ちぶれて仲間に相手にされない元スターの汚れ猫がいた。
猫たちは悪猫を駆逐し、野良として落ちぶれていた元スター猫が、「話のオチをつけるための如く」復権し、ナンバーワン猫になる。
「♪メモリー」が流れると、うむを言わさずに感動させられる。
しかし、ナイスプロポーションの女優のキャッツ扮装は、なかなかエロいもので^_^;
(25)『スキャンダル』…3.5
アメリカのメディア界を揺るがしたセクハラ裁判の実話。
古き常識にとらわれていた男社会のFOXニュース社。
女が会社内で向上したく思うと、男の上司に「忠誠心」として身体を要求されるのが常となっていた。
蜷川実花が見たら日本を舞台にリメイクしたくなるだろうなと思わせられる、女たちの、それでも美しい活躍が見られる。
女たちのほとんどが、昇進と身体をバーターされることに苦渋を感じていることが意外だった。
一人くらい、身体を武器にしてのし上がることに、なんら躊躇ない女がいてもおかしくないのに。
(今年の26作目)『スケアリーストーリーズ 怖い本』…3.0
ギレルモ・デル・トロ監督がプロデュースと言うので期待していたのだけど、原作が児童書なので、なんだかソフトな作りのホラー作品だった。
モンスター造形など、視覚デザインで良かった点はあるかな。
物語の背景にベトナム戦争があり、その時代の舞台設定で、スティーブン・キング的なノスタルジーを出したかったかも知れないが、残念ながら、その効果はなかった。
(2020/03/14)