▼親父が倒れたのだが、その病院通いにもいささか疲れ、気分転換の為に、弟と、いつものMOVIX昭島に『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』を観に行った。
痛快な娯楽アクションホラーを期待していたのだが、意外にちゃんと作りこまれた作品であった。
▼前作の『AVP1』は、エイリアンと相打ちになって、宇宙船に収容されたプレデターの体から、植えつけられていたエイリアンの卵が孵化すると言う衝撃的なラストシーンでした。
今回、物語はその直後から始まります。
プレデターの身体から生まれたエイリアンは、戦闘種族プレデターの種族特質を受け継いだ<プレデリアン>として、宇宙船のプレデターを惨殺して回ります。
エイリアンはモンスターですが、プレデターは文化・文明を持った異星人です。
宇宙船の中では、しとめたエイリアンの生皮を剥ぐという高尚な趣味(^^;)を楽しんだりもしていますが、そんな楽しいひと時を、後ろからプレデリアンに狙われてしまいます。
宇宙船の中には、エイリアン幼体の飼育標本などもあるのですが、混乱の中で、それらも開放されてしまいます。
そして、宇宙船は、地球に墜落してしまうのでした・・・。
▼アメリカのコロラド州はガニソン郡の森の中に墜落した宇宙船からはエイリアンが飛び出し、猟に来ていた父子を襲います。
親父の方だけならまだしも、幼い息子までも、グローブみたいな幼体エイリアンに顔を覆われ、腹からエイリアンをぶちまけるシーンがあるので、私は思わず「うっ!」と声を出してしまった・・・。
しかし、この描写を見て、私は、この監督の「ハンパないやり方」が分かったのです。
そして、その頃、プレデター本星では、プレデリアンに襲撃された宇宙船からの救援信号を受け取った戦士がいました。
プレデターは、あくまでも「エイリアン(異星人)狩り」を趣味として楽しんでおります。
故に、プレデター本星から軍隊が派遣されるようなことはなく、ただ、戦闘種族サイヤ人ならぬプレデター人としての美学を貫徹するために立ち上がる戦士がいるのみなのです。
その一人のプレデターは、おもむろに立ち上がると、壁に飾られた無数の戦闘マスクの中からお気に入りを選ぶと、得物を体に装着し、宇宙船に乗り込み、地球に旅立つのでした。
プレデター本星の描写は、今回はじめて描かれたわけですが、マニアにはたまらないのだろうなぁ^^;
▼さて、ここから、地球を舞台にしたエイリアン(プレデリアン)VSプレデターの痛快アクションホラーが語られるのかと思いきや、
物語は、妙に念入りにガニソン郡に住む人々の描写となる。
町を守る保安官や、
その保安官にお世話になった青年、
その青年の弟、
その弟の恋焦がれる娘、
その娘の乱暴者の彼氏、
その彼氏の不良仲間たち。
町の下水道を根城にするホームレスたち。
行方不明の夫と息子を心配する妻。
森を捜索する警官たち。
二重遭難した警官の彼女。
その彼女に下心を見せるバイト先の料理人。
退役してきた女軍人、
その旦那、
その娘。
・・・こうして書き上げただけでも、かなりの人間が丹念に描かれる。
それが何とも作品に複雑な味わいを生んでいる。
パニック群像劇を描きたかったのか?
分からない。
私は、小野不由美が小説『屍鬼』の中で、とある村を描き尽くす段において数百人の人物を設定したと聞いたが、この作品も、「町」を描くためにそれを目指したのかもしれない、などと無用な深い考察をしてしまうのだった^^;
▼ただ、「町」を描き尽くしたいと言うのなら、町VSエイリアンの構図で充分だったと思うのが、そこにプレデターと言うドラマツルギー上の不協和音的存在が存在している。
しかも、そのプレデターは、独特の美学をもって戦っている。
プレデターは残虐なのだが、地球人に対し、妙に戦いの痕跡を残さないように、エイリアンやその犠牲者を<青い薬品>で消去したりする。
しかし、エイリアンは、病院を襲ったりして、妊婦や赤ちゃんに卵を容赦なく植えつけたりして大繁殖をはじめる。
弟は、映画を見終えてから、私に言った。
『証拠隠滅が追っついてないよ^^』
・・・そのセリフに100点さしあげたい・・・^^;
▽(おまけ話)
恐怖映画には、無意味ともいえるお色気シーンがつきものであるが、この作品にも、主人公の男を、下着姿で誘惑する娘のシーンがある。
女優としてはめちゃ美人ではないのだが、真夜中の学校プールと言うシチュエーションが、妙に見ている私たち兄弟の気持ちを高揚させたのは否定できない^^;
そして、そういうお色気女は、結局、モンスターに殺されてしまうのである・・・。
(2007/12/31)
痛快な娯楽アクションホラーを期待していたのだが、意外にちゃんと作りこまれた作品であった。
▼前作の『AVP1』は、エイリアンと相打ちになって、宇宙船に収容されたプレデターの体から、植えつけられていたエイリアンの卵が孵化すると言う衝撃的なラストシーンでした。
今回、物語はその直後から始まります。
プレデターの身体から生まれたエイリアンは、戦闘種族プレデターの種族特質を受け継いだ<プレデリアン>として、宇宙船のプレデターを惨殺して回ります。
エイリアンはモンスターですが、プレデターは文化・文明を持った異星人です。
宇宙船の中では、しとめたエイリアンの生皮を剥ぐという高尚な趣味(^^;)を楽しんだりもしていますが、そんな楽しいひと時を、後ろからプレデリアンに狙われてしまいます。
宇宙船の中には、エイリアン幼体の飼育標本などもあるのですが、混乱の中で、それらも開放されてしまいます。
そして、宇宙船は、地球に墜落してしまうのでした・・・。
▼アメリカのコロラド州はガニソン郡の森の中に墜落した宇宙船からはエイリアンが飛び出し、猟に来ていた父子を襲います。
親父の方だけならまだしも、幼い息子までも、グローブみたいな幼体エイリアンに顔を覆われ、腹からエイリアンをぶちまけるシーンがあるので、私は思わず「うっ!」と声を出してしまった・・・。
しかし、この描写を見て、私は、この監督の「ハンパないやり方」が分かったのです。
そして、その頃、プレデター本星では、プレデリアンに襲撃された宇宙船からの救援信号を受け取った戦士がいました。
プレデターは、あくまでも「エイリアン(異星人)狩り」を趣味として楽しんでおります。
故に、プレデター本星から軍隊が派遣されるようなことはなく、ただ、戦闘種族サイヤ人ならぬプレデター人としての美学を貫徹するために立ち上がる戦士がいるのみなのです。
その一人のプレデターは、おもむろに立ち上がると、壁に飾られた無数の戦闘マスクの中からお気に入りを選ぶと、得物を体に装着し、宇宙船に乗り込み、地球に旅立つのでした。
プレデター本星の描写は、今回はじめて描かれたわけですが、マニアにはたまらないのだろうなぁ^^;
▼さて、ここから、地球を舞台にしたエイリアン(プレデリアン)VSプレデターの痛快アクションホラーが語られるのかと思いきや、
物語は、妙に念入りにガニソン郡に住む人々の描写となる。
町を守る保安官や、
その保安官にお世話になった青年、
その青年の弟、
その弟の恋焦がれる娘、
その娘の乱暴者の彼氏、
その彼氏の不良仲間たち。
町の下水道を根城にするホームレスたち。
行方不明の夫と息子を心配する妻。
森を捜索する警官たち。
二重遭難した警官の彼女。
その彼女に下心を見せるバイト先の料理人。
退役してきた女軍人、
その旦那、
その娘。
・・・こうして書き上げただけでも、かなりの人間が丹念に描かれる。
それが何とも作品に複雑な味わいを生んでいる。
パニック群像劇を描きたかったのか?
分からない。
私は、小野不由美が小説『屍鬼』の中で、とある村を描き尽くす段において数百人の人物を設定したと聞いたが、この作品も、「町」を描くためにそれを目指したのかもしれない、などと無用な深い考察をしてしまうのだった^^;
▼ただ、「町」を描き尽くしたいと言うのなら、町VSエイリアンの構図で充分だったと思うのが、そこにプレデターと言うドラマツルギー上の不協和音的存在が存在している。
しかも、そのプレデターは、独特の美学をもって戦っている。
プレデターは残虐なのだが、地球人に対し、妙に戦いの痕跡を残さないように、エイリアンやその犠牲者を<青い薬品>で消去したりする。
しかし、エイリアンは、病院を襲ったりして、妊婦や赤ちゃんに卵を容赦なく植えつけたりして大繁殖をはじめる。
弟は、映画を見終えてから、私に言った。
『証拠隠滅が追っついてないよ^^』
・・・そのセリフに100点さしあげたい・・・^^;
▽(おまけ話)
恐怖映画には、無意味ともいえるお色気シーンがつきものであるが、この作品にも、主人公の男を、下着姿で誘惑する娘のシーンがある。
女優としてはめちゃ美人ではないのだが、真夜中の学校プールと言うシチュエーションが、妙に見ている私たち兄弟の気持ちを高揚させたのは否定できない^^;
そして、そういうお色気女は、結局、モンスターに殺されてしまうのである・・・。
(2007/12/31)