☆・・・藤子不二雄Ⓐ先生が亡くなった。
この方、生まれてから一度も病気になったことがないと、テレビインタビューやエッセイマンガで言っていたものだったが…。
▼私が小学生の頃は、藤子・F・不二雄と藤子不二雄Ⓐの区別がなかった。
しかし、当時、明らかに、藤子不二雄には「明と暗」があると思っていた。
私は週刊少年チャンピオンを子供の頃に読んでいたので、「魔太郎が来る!」や「ブラック商会変奇郎」が身近だった。
「変奇郎」はともかく、「魔太郎」は、子供が読んでも酷いイジメ復讐物語だと思った(^_^;)
藤子不二雄Ⓐはダークサイドだ。
もちろん、藤子・F・不二雄の「ドラえもん」も読んでいたけど。
(トリビア)
①「ブラック商会変奇郎」は、後に「シャドウ商会変奇郎」とタイトルが変わる。
②「黒いせぇるすまん」も「笑うせぇるすまん」に変わる、これは、当時の黒人差別をなくす運動の過剰な表出だと思う(黒人などは出てこないのだ。言葉狩り)。
③魔太郎のインナーは、薔薇の模様。
▼ 藤子不二雄Ⓐには文学的な名作が二つある「少年時代」と「まんが道」だ。
この二作は、緻密に丹念に描写を積み上げてきた果てに、とてつもない感動が待っていることを教えてくれる。
▼数年前に、「まんが道」の愛蔵版をブックオフで100円で買った。
すると、藤子不二雄Ⓐ(我孫子素雄)と手塚治虫のツーショット写真が挟まっていた。
これは、お宝であった。
▼ただ、かつて、中国共産党に憧れ、毛沢東礼賛の作品を書いたのは頂けない。
毛沢東は、プーチンの二十万倍くらいの虐殺者だからなぁ。
▼それから、私が挙げる藤子不二雄Ⓐ代表キャラは、「魔太郎」の切人である。
悪魔のような幼児で、何故かカタカナで喋る。
子供の頃の私のトラウマだ。
▼また、さっき、「魔太郎」を読み直していたら、面白いシーンがあったので、最後に載せる。
…体調の悪くなった魔太郎が、バスで座っていると、不気味な親子が、魔太郎に席を譲れと言ってくる。
何とかやり過ごす魔太郎、しかし、親子は家にまで追いかけて来て、家に入ってくる。
魔太郎「お、おばさん、何しに来たんですかっ!」
おばさん「何しに来たって? さっきのバスでのお礼参りさ! わしら親子は、六道順逆の修羅の道を歩むもの! 自分らに害を加えたものには、必ず仕返しをするのだわ」
……六道順逆の修羅の道…、こんな言葉、藤子不二雄Ⓐ作品でしか聞けないぜ!
合掌! (2022/04/07)