
☆・・・開催終了間近の楳図かずお大美術展に、マジ風邪で朦朧としながら、フラフラと行った。
それは、まさに真悟が、母・真鈴の言葉を、父・悟に伝えるべく、不自由な身体をズルズルさせて、アスファルトを進んで行くように、だ。
今回、101枚の連作絵画の形で、名作『わたしは真悟』の続編が、35年振りに発表されると言う、…行かずにはおられなかった。
今でこそ、フランスで漫画遺産に選ばれたりと評価が高いけど、昭和61年の連載完結時は、静かに終わった。
しかし、当時、猛烈に感動した高校3年生がいた、俺だ。
「そしてアイだけが残った」シーンなど、瞬間に泣ける…。
受験生なのに、スピリッツ編集部に感想を送り、雑誌末の読者欄に載り、3500円の稿料を頂いた。
…六本木ヒルズの東京シティビュー!
ここで展覧会が行われるのは、連載開始の40年前からの必然!
ここからは東京タワーが見える。
サトルとマリンの「共同作業」、〈333ノテッペンカラトビウツレ〉の現場だ。
この「行為」により、産業用ロボットに魂が宿る。
俺、コラージュされた、『真悟』の名シーンがランダムに流れるアートに「333」が映し出された時、東京タワーとの撮影に成功。
偶然にも、真悟みたいな幼児も映り込んだぞ、サイコー!
いやはや、最悪の体調で、俺は20分ほど、シャッターチャンスを待ったよ!
ずっと立ちぼうけの俺が、急にシャッターを切ったので、周りの人が、俺の意図を察知し、すぐに同じ構図で写し始めた。
俺は目的を果たし、すぐに、その場を離れた。
その場所に殺到する真似っこたち(^_^;)
新作「ZOKU・SHINGO」は、絵画媒体だけあり、初見では充全に理解できたとは言えない。
ただ、「奇跡」は成就していたことが分かった。
観てる間はそれでも夢中で、体調不良を意識しないで済んだ。
しかし、館内を出てからどっと状態がぶり返した。
大江戸線は、高低差も、新宿での移動距離も「地獄」のようだった、楳図ホラーのように…。
(2022/03/26)