☆遅ればせながらの感想です。
これまた、英国紳士的なスマートな造りの傑作ですなぁ^^
先の大戦前夜、国民の多くの期待を受けて即位せしジョージ6世・・・、英国王として、その「言葉」は大いなる力になり得るのだが、彼は幼い頃から深刻な吃音症に悩んでいた。
そんな彼を愛情深く支える妻・エリザベスは、多くの医者に治療を求めるも、うまくいかず、ある日、スピーチ矯正の専門家・ライオネルの家を訪ねるのだった・・・。
実話を基にしているのだろうが、やや、ストーリーが平板すぎるきらいもある、が、最大公約数の観客の気持ちを揺さ振る「定番」とも言える。
そうだな、物語構造が『ロッキー』にそっくりなのだ。
「ロッキー」におけるコーチ役にライオネルが位置する。
物語の当初は、このライオネル(ジェフリー・ラッシュ)の、とぼけつつ、時に見せる斜に構えた表情に代表される味わいに夢中にさせられた。
その魅力は、最後まで全く褪せない。
オーストラリアから戻ってきた男の設定だが、私には、身のこなしが「ダンディ」な英国紳士に見えた^^
だが、途中から、後にジョージ6世となる、主人公であるヨーク公・バーティ(コリン・ファース)に、俄然興味が向いて来る。
王室育ちの傲岸不遜なところもあり、人にものを頼むのも横柄なのであるが、王族としての義務(国民を幸せに導く)に対しては真摯で、政治に対しては聡明なのである。
まともに話すことの出来ないバーティ・・・、物語の中でも、何度となく「どもる」。
その演技がうまいので、見ている私の喉も詰まってくる。
途中、その吃音症の原因となったと思われる幼少時の生活を吐露するシーンがあるのだが、
そこなど、ロッキーやランボーが、物語の最中で不遇な自分を告白するシーンとダブった。
この物語は、平民がキングになる「アメリカン・ドリーム」ではないが、
王族が、名実ともにキングになる「ロイヤル・ドリーム」の作品なのだ。
クライマックスのメインイベントは、戦争の始まりを告げる英国民への「スピーチ」である。
ここには、過剰な成功はない。
だが、厳粛なる「無難」があった。
そのスピーチが終わった後、戦いを終えたロッキーを迎えるエイドリアンの役割として、エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)が凄まじく輝く。
喜びと安堵と、尊敬と愛という複雑な感情を表情に一気に表出させ、ジョージ6世と抱擁する。
この一瞬での表情の変化には圧倒された。
そして、この記事を書くときにはじめて、エリザベス役がヘレナ・ボナム=カーターだと分かり、驚いた。
最近じゃあ、ティム・バートン作品での「なんか色々とやり過ぎ女」やら、「ハリー・ポッター」でのエキセントリックな魔女・べラトリックスのイメージしかなかったからなぁ^^;
感服!
(2011/05/28)
これまた、英国紳士的なスマートな造りの傑作ですなぁ^^
先の大戦前夜、国民の多くの期待を受けて即位せしジョージ6世・・・、英国王として、その「言葉」は大いなる力になり得るのだが、彼は幼い頃から深刻な吃音症に悩んでいた。
そんな彼を愛情深く支える妻・エリザベスは、多くの医者に治療を求めるも、うまくいかず、ある日、スピーチ矯正の専門家・ライオネルの家を訪ねるのだった・・・。
実話を基にしているのだろうが、やや、ストーリーが平板すぎるきらいもある、が、最大公約数の観客の気持ちを揺さ振る「定番」とも言える。
そうだな、物語構造が『ロッキー』にそっくりなのだ。
「ロッキー」におけるコーチ役にライオネルが位置する。
物語の当初は、このライオネル(ジェフリー・ラッシュ)の、とぼけつつ、時に見せる斜に構えた表情に代表される味わいに夢中にさせられた。
その魅力は、最後まで全く褪せない。
オーストラリアから戻ってきた男の設定だが、私には、身のこなしが「ダンディ」な英国紳士に見えた^^
だが、途中から、後にジョージ6世となる、主人公であるヨーク公・バーティ(コリン・ファース)に、俄然興味が向いて来る。
王室育ちの傲岸不遜なところもあり、人にものを頼むのも横柄なのであるが、王族としての義務(国民を幸せに導く)に対しては真摯で、政治に対しては聡明なのである。
まともに話すことの出来ないバーティ・・・、物語の中でも、何度となく「どもる」。
その演技がうまいので、見ている私の喉も詰まってくる。
途中、その吃音症の原因となったと思われる幼少時の生活を吐露するシーンがあるのだが、
そこなど、ロッキーやランボーが、物語の最中で不遇な自分を告白するシーンとダブった。
この物語は、平民がキングになる「アメリカン・ドリーム」ではないが、
王族が、名実ともにキングになる「ロイヤル・ドリーム」の作品なのだ。
クライマックスのメインイベントは、戦争の始まりを告げる英国民への「スピーチ」である。
ここには、過剰な成功はない。
だが、厳粛なる「無難」があった。
そのスピーチが終わった後、戦いを終えたロッキーを迎えるエイドリアンの役割として、エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)が凄まじく輝く。
喜びと安堵と、尊敬と愛という複雑な感情を表情に一気に表出させ、ジョージ6世と抱擁する。
この一瞬での表情の変化には圧倒された。
そして、この記事を書くときにはじめて、エリザベス役がヘレナ・ボナム=カーターだと分かり、驚いた。
最近じゃあ、ティム・バートン作品での「なんか色々とやり過ぎ女」やら、「ハリー・ポッター」でのエキセントリックな魔女・べラトリックスのイメージしかなかったからなぁ^^;
感服!
(2011/05/28)
でも、理不尽なる攻撃を受けての、自国防衛の戦争なんですから、あまり論わないで欲しいですよね。
敵はヒトラーですからね。
戦争=悪の図式の浸透は、日教組教育の弊害だと思っています^^;
>>KGRさんへ^^
私は英語に疎いので、十全に間合いを堪能できたか分かりませんが、メイン3人それぞれ、「おお!」と感嘆させられる瞬間がありました。
個人的には、バーティーが「ファック!」を連呼するところや、セリフを歌にするところが好きです^^
>>リバーさんへ^^
これが、アカデミー賞を取れる風格なのだな、と素直に感動させられる作品でしたよね。
ある意味、「王様と私」ですね^^
>>sakuraiさんへ^^
私は、物語の普遍的な典型として「ロッキー」の名前をよく挙げるので、あまり気にせんで下さい^^;
でも、登場人物を照らし合わせると、ロッキーの頼りない義兄・ポーリー(だったかな?)に相当する人物も、バーティーの兄として登場してますし、両作品、やっぱり、なかなか似ていますよね。
では、これからも4649!
それはうかつでしたね。てか、そのくらい、今まで違った姿を見せてましたね。
お見事だったと思います。
そっか、「ロッキー」かあ。
なるほどねえ。到達地点についても、そこからが苦労の連続だったというのも、相似かもです。
ストーリーとしては正当派で
しっかりとした作りで 感動も
コリン・ファースをはじめ 俳優陣が
素晴らしかったです
それまで常に上から目線のライオネルが、
初めて王と平民になる瞬間が感動的でした。
'Cause I have a voice.
Yes, you do.