『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

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[映画『君の名前で僕を呼んで』を観た]

2018-07-09 23:58:31 | 新・物語の感想

4月27日(金)公開『君の名前で僕を呼んで』日本版本予告

☆・・・私は恋愛対象を女性にしか感じられなくて、多分、死ぬまでそうだろう。
 この作品は同性の恋愛を描いている。
 自分の恋愛をそのまま、同性に移しかえてみて観ることは出来ようが、それでゲイの恋愛を理解できるかというと、そういうものでもないのかも知れない。
 が、私は、エンディングでウルッと来た。
 親に大学の考古学教授を持つ少年エリオは、夏のバカンスで、家族と北イタリアの別荘に来ていた。
 夏の間だけの人間関係が、その田舎町にはあり、自然の色彩に彩られていた。
 そこに、父親に師事する青年オリヴァーが、ともに、ひと夏を過ごすためにやって来た。
 外見上、全く嫌みのない青年だ。
 エリオは、なんかオリヴァーが気に食わない。
 ダンスパーティーでは、エリオが懇意にしている女性にキスなんかしたりするし、言葉や行動が妙に冷たい時もある。
 が、その一挙手一投足が気になる。
 自転車で街に繰り出すオリヴァーの姿を、いつも目で追っているエリオがいた。
 反感→興味→観察→そして・・・。
 後からわかるのだが、エリオには、その素養があった。
 そして、オリヴァーも、ローマ帝国の遺物の、特に男性像を研究していたこともあろうか、男の肉体に美しさを感じるタイプのようだった。
 いや、もとからそうで、男性像云々は、オリヴァーの指向を暗喩している演出だ。
 二人は、お互いを求める。
 オリヴァーもエリオも、美青年・美少年なので、そのキスや抱擁は、普通に綺麗。
 女性が見たらたまらないのではなかろうか?^^;
 それまでの経過が、田舎町の情緒や、家族や友人とのつきあいの中で、いたって自然に描かれているので、淡々と心に響く。
 全てがリアルで、ゆえに、二人の恋も現実感をもって、見ているこちらに突き刺さってくる。
 ゆっくりと、着実に、夏の終わりは近づいていく。
 円満に別れ、恋の再開に思いをはせて生活するエリオ。
 オリヴァーから連絡が来る。
 その報告を受け、エリオはもの想う。
 カメラは、その表情の変化を長回しで捉える。
 エリオの頬を涙が伝う。
 私の目にも涙がたまった。
 このシーンは、ゲイを広言しているガス・ヴァン・サント監督の『永遠の僕たち』のラストを模しているのではなかろうか?

                          (2018/07/09)


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