朝から体調が良くなかった。 起きて来た夫もそのようだ。
だからと言って、昨晩の何かがあたった訳でもない、娘や孫も一緒に食べたから。
「正露丸 正露丸 どこや?」「テレビの下の左側の引き出しの中」「何錠?」「3錠」
出した瓶はテーブルに置いたまま。 たいていこんな調子。
「映画行こうか?」お昼前良くなったので夫が言う。 「あれ?」「おう、あれや」
あれの公開が5月25日、行きたかったが仕事の日で行けなかったから。
昔ながらの典型的な一戸建て。
高齢の夫の両親と同居、サラリーマンの夫、高校生の息子二人、専業主婦でそんな家族の為に一日を費やす、
労いさえない関白亭主、あることで献身的な主婦が、夫の思いやりない一言で家を出た。
主婦のいない間の家事情はもう大変なものだった。 いいのだ、当たり前のように過ごしてきた日常、
主婦の仕事がいかに大変なものか、いかにみんなの日頃の一日を主婦が支えているか。
そんな中でも、長女夫婦、次男夫婦と事あるごとに実家に集まっては色々な問題をみんなして考える。
救われるのはやはりお嫁さんをかばう長女、いつもみんなを思いやれる次男のお嫁さん。
現代高齢化社会なればこその様々な家庭の問題を定義しながら、いかにみんなが思いやって暮らしてゆくか、
山田洋次さんならでは、大切な家庭の在り方を面白おかしく見せてくれている。
育児や洗濯を放棄して映画を見にと言うけれど、だからと言ってたまには家出位して
家族に主婦の大変さを感じてもらいなさい・・・ではない。
これは夫婦であるなら、夫とみなくては夫にも見てもらわなくては駄目である。
妻たちが、男の人って本当に主婦の苦労分かってないんだから・・などと、共感して帰ってはいけない、
家出を実行する前に、夫に感じて・・分かってもらわないと。
いつも映画が終わると「今日は何点?」と聞くが、共感大いにの感、なんとも感想は言いにくかった。
まるで(夫よ・・私の陰の苦労分かった? 感謝してる?)
妻からの暗黙のメッセージのようだから、この映画は。
【 妻よ薔薇のように 】最新作 劇場公開 2018年5月25日
【 家族はつらいよ 】一作目 2016年3月12日
【 家族はつらいよ 】二作目 2017年5月27日
映画の後、久しぶりに蕎麦を打つという夫。
木曜の休み、一緒にいつものそば粉の会社で、1キロ買っていた。
うちも困るぞ・・私がいなかったら。
先月・・ボックスティッシュの箱「どうやって開けるねん」なんか後ろの方破ってるし・・。
私がやってもらった事ないんやわ。(でも・・それくらい見たら分かるやろう68にもなって)
今日なんかざる蕎麦用に映画の帰り、夫がそばつゆ作れでなく買おうと言うから、お店のカートに籠を載せて待ってた。
一生懸命吟味してる(味にうるさい人だから)私は、お野菜コーナーへバック、すると先にいる夫が声を出してる!
後ろ向きのカートの女性が自分の籠から1リットルのボトルを棚へ戻しているではない、迷惑そうに。
(分かった!)謝らないと・・と走ったが、スーッと消えて行った。
「何してんの~、よその奥さんの籠にいれたんやろ」「あんたや思うて入れたんや」
その蕎麦、娘たちにも食べさせるからと呼んでいて、夫はどうやと言わんばかりに自分でボトルを開けた。
ふたの中の引っ張って開けるプラスチックのやつ・・開けたことなかったんやね今まで、全部私がしてたのよね。
あけそこねて引っ張った途端にパーっとだしが飛び散って・・お風呂上りの白いシャツにおだしが絵を描いたわ。北斎か!
どうするんやろ私がいなかったら。
まぁ、お蕎麦だけは私は見る人、まねできひんから・・
それにお蕎麦のでき具合・・みんなが「いいんじゃない、美味しい」って言うから、負けとくわ。
映画を見て、今更自分の事にもったいはつけないけれど、もし私が先に逝ったら何もできない夫は必ずや間違いなく
子供たちに手をかけ負担をかける、はず。 それでなくても、年取って行くのだから。
ブロ友さんの中には、ご自分でそれを自覚して家の用事も手伝ったり、主夫をしておられる賢明な方もおられる。
せめて私、子供に教えるように夫には手取り足取り家の事、教えて行かないと! 子供たちの為に。
夫が結婚する前、「いい奥さんいはならんでもええから、賢い母親になってくれ」と言ってくれてたのに~。
妻・・大失敗!