石けんに使われるオイルについてです。長くなりますので気になるオイルだけど~ぞ。
工業的に作られる石けんは、石鹸素地を一度溶かして、いろんなオイルや有効成分を後から入れ込んで作ります。そのほうが時間も価格も安くできます。
しかし手つくり石けんは、そうはいきません。時間も手間も、価格もそれとはくらべものになりません。時間などは工業的に作られたものが3日から長くて1wくらいですが、手つくりは早くて40日~6ケ月くらいです。
また熱に弱いデリケートなオイルは、工業的には入れ込めません、なぜか?というと作り方が、いきなり熱いなべの中で2~3日かけて攪拌されるからです(おおまかです)・・・・HP法
それに比べ、手つくりは低い温度のまま石鹸にして、長い時間の間に熟成させます・・・CP法
なので、出来上がった結晶も違い、これも溶け崩れやすさの原因になりますが、大切なのはデリケートなオイルを石鹸にできることです。
自分に合う自分だけの石鹸が作れると人気があるのもこんな理由からです。
そんな中で、手作りならではのものが、オイルの特徴やハーブの効能を生かして、石けんをつくれることです。そのオイルにどんな性格があるのかを解いていきます。一部ですが・・・
左から順番に
・月見草オイル
アメリカ、カナダ、イギリスなどが主な産地、イブニングプリムローズとしても知られています。その最大の特徴は人の体内では合成されないγ-リノレン酸を豊富に含んでいることです。このガンマリノレン酸は皮膚細胞にとって不可欠な脂肪酸で、炎症やかゆみを抑え、ホルモンの分泌を整える上に保湿作用にも大変優れているとされています。また、アトピー性皮膚炎はこのγ-リノレン酸の不足が原因ともいわれています。湿疹や乾燥によるかゆみ、老化、乾燥肌などによいとされている高価なオイルです
・アボガドオイル
アボカドの果実から取れる油。ビタミンA,B,D,Eや保湿効果の高いステロール類、オレイン酸を含みます。 石けんに用いると、保湿力のある肌に優しい石けんになります。アメリカのベビーオイルといわれ、ベビー石けんによく配合されます
・アカパーム 精製パーム
油やしから取れる。未脱色精製のものが、アカパームで、脱色精製したものが、一般のパームです。解け崩れにくい硬い石けんができ、レッドパームを使用した場合のオレンジ色は。カロテンで、VEや、トコフェロールが多量にふくまれ、肌荒れや傷の修復に効果があるといわれています
・オリーブオイル
オリーブの果実から取れる油。泡たちはよくないが、保湿力があり肌刺激がほとんどなく、比較的固めの石鹸になるが溶けやすい 。バージン油を精製したものが、精製オリーブ、精製オリーグとバージンをまぜたものが、ピュアオリーブ オリーブの搾りかすがポーマスオリーブ油です。クアレン カロテン ステロール クロロフィル トコフェロール ポリフェノール などがふくまれ、抗酸化作用大きく酸化安定性があります。
・ホホバオイル
酸化しにくく、けん化価も低いため、苛性ソーダの量がすくなくてすみ、マイルドな仕あがりの石けんになります。保湿効果アップのため石けんのタネに残すには、最適!
皮膚の水分を守りながら皮膚呼吸を妨げません。また、皮脂の過度の分泌も抑えるともいわれ、脂性肌から乾燥肌までどんな肌質や髪質の方にもお使いいただける上質な液体ワックスです。酸化安定に優れ刺激もほとんどなくさらっとしているのに保湿力が高く、皮膚の炎症や乾燥を防ぎます
・グレープシードオイル
ぶどうの種からとれるオイルで、ワイン産地などで主に生産されます。(イタリア、フランス、スペイン、チリ等)。リノール酸が多いため石けんに入れると肌あたりはいいのですが、軟らかい石けんになりますので、多くはいれられません。でもアボガドオイルと同じくきれいなグリーンの色がでてきます。
リノール酸(多価不飽和脂肪酸)は古くなり酸化すると有害な過酸化脂質を作るといわれていますがこのオイルには天然葉緑素と酸化防止剤(VE)を含むため、同等のオイルよりも保存期間が長いことが特徴です。
さらにオレイン酸の多いオイルと組み合わせることで、相乗効果をねらえます。石けんを作ると、さっぱりとした使い心地の石けんができます。
・Sアーモンドオイル
地中海沿岸とアメリカが主な産地です。保湿力に優れたオレイン酸や人の体内では合成されない脂肪酸のリノレン酸を豊富に含み、その上ビタミンB、Eなどの栄養分も豊富に含んでいます。大変軽い感触のオイルですが、皮膚の炎症、かゆみ、乾燥肌などによいといわれています。石けんに用いると、柔らかいが肌に優しく、きめ細かい泡立ちの石けんになります。ヨーロッパのベビーオイルとの別名もあります
・マカダミアオイル
ハワイが主な産地のマカデミアナッツオイルは、皮膚の再生に大変重要なパルミトレイン酸を高濃度に含んでいます。パルミトレイン酸は、傷などの修復や老化防止効果のある脂肪酸といわれています。その他に、保湿や潤いのためのオレイン酸もたっぷり含んでいることから乾燥にもよいとされています。植物油の中では最も人の皮脂に近いので肌への浸透性が大変よいオイルです。 酸化安定の悪いリノール酸やリノレイン酸の含有が少ないので、酸化安定に優れています。泡たちは控えめです。
皮膚細胞の再生に老化肌や敏感肌におすすめマイルドで使用感のいい石けんになります
・椿オイル
オリーブオイルと兄弟的なオイルで、同じような性質です。江戸時代日本では、頭髪用に使用され頭皮に栄養やうるおいとハリを与え、紫外線をカットし枝毛 抜け毛 ふけ かゆみを防ぐといわれています。
・ココナツ、 パーム核オイル
ラウリン酸が多く石けんに泡を立て、硬さと洗浄力をもたせる。多く入れると洗浄力も強い上、肌に刺激の強いカプリン酸、カプリル酸を多く含むので注意して使います。
・キャノーラ(日清)
エルカ酸をほとんど含まない。泡たちはあまりよくないが。保湿力があり、肌刺激がほとんどなく比較的固めの石鹸になるが溶けやすい。性質はオリーブオイルとよく似ていて妹的なオイル。業務用は家庭用より、酸化安定がいいです。
・シアバター
紫外線や乾燥から肌を守り,あか切れ、傷の手当てだけでなく血行をよくするので 筋肉痛やリュウマチにもきくといわれ、アフリカが主産地です。乾燥の季節に使うと保湿力があり溶け崩れにくく硬いしっとりなせっけんができます。紫外線防止効果 乾燥肌 しわ 肌荒れ そのまま塗ってクリームとしてもつかえるすぐれものです。
などなど、これらは石けんつくりを始めた頃のオイルです。最近はブログにも取り上げている新しいオイルも出てきています。それらがまたいい素材なので、石鹸にしてみたい願望は、ますます膨らむばかりです。
読んでくださった方、少しはオイルの性格や特徴がわかってくださればいいのですが・・・
☆泡が立たなくても石けんですし、洗浄力もあります。石けんってオイルしだいでいろんな性格になります。泡泡しなくても肌にいい物はたくさんあります。そこのところがお解かりいただけたらいいな~と思っています。そんな物ですぐらいで・・・・・
バオバブオイルとマカダミアオイルの石けん
ここでもうひとつバオバブオイルについて紹介します。特別な石鹸を作るときしか使わない貴重なオイルです。また私の知る限り一番高いオイルになります。(はと麦オイルが一番でした)
・バオバブオイル
バオバブオイルは今、地球上でもっとも手に入れることが難しいオイルのひとつ。しかも他のオイルと一線を画する独特の脂肪酸組成とビタミンの含有で、世界中のサロンや化粧品メーカーでとても人気のあるオイルです。
その理由のひとつには保湿のオレイン酸を34%、アレルギーなどを予防するといわれるリノレン酸を30%、そしてエイジングケアのパルミトレイン酸を22%を含む芸術的ともいえる脂肪酸組成!
そして、オレイン酸やリノレン酸を多く含むオイルは、一般的にとても酸化しやすいのですが、このバオバブオイルはシアバターを超える安定性をもちます。
オイルの中ではひまし油、ホホバ油に次いで酸化安定性の高い、とても日持ちのするオイルで、通常2年以上は持つといわれています。
バオバブオイルはビタミンA、D、E、Fを非常に多く含んでいます。
ビタミンA - 皮膚細胞の分化に関係するビタミン。皮膚の新陳代謝を高める働きをする。
ビタミンD - 細菌と戦う免疫の働きをコントロールして、皮膚の傷が治るのを助ける。
ビタミンE - ビタミンCと並び抗酸化パワーの強いビタミン。
ビタミンF - 肌の細胞の活性化を促進。ビタミンF(γリノレン酸)といえば、アトピー性皮膚炎と密接に関係しているといわれる脂肪酸で、この不足がアレルギーひとつの原因になるといわれています。
月見草オイルやヘンプシードオイルにも多く含まれていますが、残念なことにこの2つのオイルはとても酸化しやすいのが特徴。
ところがこの貴重なビタミンF(γリノレン酸)を含みながら、
2年以上も安定しているバオバブオイルはまさに奇跡オイルです。
とこうなんです。この言葉に魅せられてついつい手を出してしまいました。高いだけなかなか使えないんですが、ここぞという時は石鹸にします。後はもっぱらクリームやジェルにして使っています。しかし化粧品メーカーの1個数千円の石けんを考えると、広告料などありませんので、安いと思って作ります。・・・・贅沢ですかね?そこは自分へのご褒美ということで!