えびね会のTさんから播種の見学の誘いがありました。
私が無菌培養をしたいというので気にかけてくださいました。
播種培地は寒天培地ではなく液体培地を使われています。
<種子消毒>
果実に採取日と管理番号を記入したタグを付けてあります。採取後、乾燥させた果実を縦に3片に割ります。白く粉状に見えるのが種子です。
ピンセットで菅瓶にかき落とします。この時、種子の果肉までかくと、ダマになりやすい。
消毒液として次亜塩素酸カルシウムの粉末を水に溶かして上澄みをとった飽和水溶液を使います。
種子を入れた菅瓶に次亜塩素酸カルシウム溶液を入れて、蓋を閉めて振りながら5分間待ちます。
消毒した種子は浮いてきます。
以下、クリーンベンチ内での作業になります。
浮かんだ種子を吸い取らない様にスポイトを菅瓶の底まで入れて消毒液を吸い取り、捨てます。
このスポイトはガラス管を熱し両方に引っ張って細くし、カットして自分で作ったとの事です。
スポイトはアルコールランプで消毒します。ガラスなので何度でも使えます。
次にヤカンに入れた滅菌水を注ぎ、蓋をして降りながら消毒液を洗い流します。
浮いた種子を吸い取らない様にスポイトで滅菌水を吸い取り捨てます。
これを2回繰り返します。
滅菌水は水道水を煮沸したものです。
<播種>
菅瓶の周りに付着した種子をピンセットでかき落とし、予め培養試験管 (ニューリップ BT-30)に入れておいた液体培地の中に落とします。
ゴム栓をして、アルミ箔を被せて終わりです。
<実地指導>
私にも実地指導をしてくれました。
私がやった培養試験管がわかる様に印を付けてました。生えるかなあ?
家でやってみる様に液体培地入り培養試験管を4本準備してくれました。
ありがとうございます。
Tさんはえびね会の会員(事務局)ですが、春香苑の店主でもあります。
もう長い間交配をやって多くの新花を作出されています。
今年の4月に棚入れしたこの花もTさんの作出花です。