岩井俊二監督、新作で紡いだのは

埼玉自民県議団が「子ども放置禁止」条例案、取り下げ、島岡美延です。私なら通報義務？と衝撃を受けた条例案。「専業主婦、子ども二人の標準家庭」を想定した制度の老朽化が「年収の壁」問題などに現れて久しいのに、政治家はまだ現実を知らない？

この物語の登場人物たちも、理不尽な社会の規則で迷子になったのか。映画『キリエのうた（13日公開）』をご紹介します。岩井俊二監督×音楽：小林武史の最新作は石巻、大阪、帯広、東京――、監督のゆかりのある地を舞台に紡ぐ、13年間の出逢いと別れ。主演はアイナ・ジ・エンド、歌うことでしか〈声〉が出せない路上ミュージシャン、キリエ役。この声、一度聴いたら忘れられない・・・。

姿を消したフィアンセを探し続ける青年・夏彦役に松村北斗。傷ついた人々に寄り添う教師・フミ役に黒木華。過去を捨て、キリエのマネージャー役を買って出る謎めいた女性・イッコ役に広瀬すず。

先入観なく見てほしい、179分。