吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

クリストファー・ロビン(プーと大人になった僕)2018年アメリカ

2018-09-19 05:50:44 | 映画・ドラマを観て考えよう

 僕らはいつしか子供の頃の空想や遊びを忘れてしまう。
 それが大人になるってことだけど、実は大事なものを忘れてしまっているンぢゃないのか?
 そんなコトを思い出させてくれる映画です。


※『クリストファー・ロビン』がホントの題名です。

 100エーカーの森でプーさんや森の仲間たちと楽しく遊んでいたクリストファー・ロビンに別れの時がやってくる。
 クリストファーが寄宿学校に入学する年齢になってしまったのだ。
 森の仲間たちに『絶対に忘れないよ』と約束するクリストファーだが(やっぱり)そのことをすっかり忘れてしまう。

 時は流れて・・・ウインズロウ鞄会社に就職したクリストファーは業績不振のためのコスト削減を上司に命じられ、パニック状態。
 週末の休みを返上してリストラ策を考えるが、もはや人員削減の道しか残っていないとしか思われない。
 悩んで公園のベンチに腰掛けると自分の名前を呼ぶ声がする・・・。


※振り返ってみるとそこに懐かしいプーの姿が!

 実はプーさんはハチミツの蓄えが無くなってしまい、森の仲間たちのところへ行ってみたが、仲間たちは行方不明になっていたというのです(別にクリストファーを助けに現れたワケでは全然ナイ。ここがプーさんのイイところです)。プーさんはクリストファーに『仲間たちを捜して欲しい』と頼むのです。

 最初冷たく突き放すクリストファーですが、プーさんの寂しそうな後ろ姿に負け、仲間たちを捜しに、とうとうサセックスまで行くハメに・・・。サセックスには妻と娘が行ってて、本当はここにクリストファーもいるハズだった。妻や娘の目を避けながら、かつての100エーカーの森に向かうクリストファー・・・このくだりは思わず笑ってしまいます。

 さて、大冒険の末に無事仲間たちを捜しあてたクリストファーは(ああ!会議に間に合わない!)急いでロンドンに帰ります。コスト削減案の入ったカバンを抱えて・・・しかし、カバンの中身はおちゃめなティガーによって『もっと大事なもの』に入れ替えられていたのです。小枝やドングリがぎっしり詰まったカバンを持ってクリストファーがロンドンに向かったことを知ったプーさんは、書類の束をクリストファーに届けようとしますが、これがとんだ大騒動を引き起こします。

 ラスト近くで、ロンドン中に散らばってしまうクリストファーの書類・・・クリストファーのアイデアは会社を救うことができるのか?


※マーク・ゲイティス(ドラマ『SHERLOCK』のマイクロフト役)が嫌味な上司を楽しそうに演じてます

 プーさんはCGならもっとリアルにも描けたハズですが、あえて『ぬいぐるみ』感を強く出したデザインになってます。これがイイ感じ()列車の中で社内販売が来ると皆で『ぬいぐるみ』のフリをして誤魔化すシーンがあったりして、実に楽しいです。

 映画の後半の『書類を届けにプーさんたちが奮闘する』ストーリーは私には余計に思えました。
 プーさんの仲間を見つけた後、風船を持ったプーさんと並んで座る、あのシーンでラストにして欲しかった(で、本当はプーさんたちは屋根裏部屋でホコリをかぶっている・・・)。元気になってロンドンに戻ったクリストファーは容赦なくリストラの大ナタを振るう・・・あ、これじゃアンハッピー・エンドですね(イカンイカン・・・)。でも後半はディズニーらしいパターン化が行われてしまい、どの映画を見ても同じに思えてしまいます。

 今後は何かをするとき、プーさんの言葉を思い出してみましょう。

 それは風船よりも大事なことなの?