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さて、とうとう第4章です(ここでやっと全体の半分です)。
4 考えとは、有意味な命題のことである。
4.001 命題たちの総体が、言語である。
4.002 人間には言語を構築する能力がある。(後略)
ここまでは前回の内容を敷衍しています。
そして、ここで唐突にヴィトゲンシュタインの爆弾発言が登場します。
4.003 哲学的なことについて書かれてきた命題や問いのほとんどは、まちがっているのではなく、ノンセンスである。だから私たちは、その種の問いに答えることなどできっこない。ただそれらがノンセンスであると確認することしかできない。哲学者たちの問いや命題のほとんどは、私たちが私たちの言語の論理を理解していないことにもとづいている。
(それらは「善は美と、程度の差はあっても同一なのか」というような問いである)
そして、もっとも深い問題が、じつは問題ですらないということも、驚くべきことではない。
4.004 すべての哲学は言語批判である。(後略)
何ということでしょう。今まで2千年以上に亘って哲学者たちを悩ませてきた数々の問題は「言語の論理を理解していないこと」による「ノンセンス」だと言うのです。
さらにヴィトゲンシュタインの持論が展開されていきます。
『日常言語では同一の言語が異なった様式で用いられることがあり、そこから哲学全体に見られる基本的な混同が発生する。これを克服するには論理的文法を持った記号言語を構築する必要がある。』と。
これまで読み進めてきた内容から考えると、こうです。
『可能的世界は論理空間に余すところなく射影されている』ので『全てのものは言語で描写されている』のです。
『問いを発した時には、すでにその答えまで存在する』ワケです。よって『答えられない問い』は、そもそも『前提条件が間違っている』という主張です。
※可能的世界は全て論理空間に射影されている・・・しかしその網から漏れたものはないのだろうか?
そのうえで、哲学の目的を次のように定めるのです。
4.112 哲学の目的は、考えを論理的にクリアにすることである。(後略)
4.114 哲学のするべきことは、考えることのできるものの境界を決めると同時に、考えることのできないものの境界を決めることである。哲学のすべきことは、考えることのできるものによって内側から、考えることのできないものを、境界の外に締め出すことである。
4.115 哲学は、言うことのできるものをクリアに描くことによって、言うことのできないものを指ししめすだろう。
ええっ!?そうなの?と驚きながら次回へ(つづく)←第5章へ進みたい方はこの文字列をクリック!
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もしや、思い過ごしかも知れぬ、しくしくしく。
前回、管理人様がizukun様に、
>哲学は文系だと。
俺が思うに、ヴィドちゃん自身はバリバリの理系やん、
プロペラの開発とかさ。
彼は哲学を文系から理系へと、当てはめているな。妄想だが。
もう少し、お百度参りいたします。しくしく。
これ、私は「屈折語の語順が影響してるンぢゃないか?」と想像。(ドイツ語知らんから)英語では関係代名詞ってモノがあって、訳するのに苦労します。
で、例をひとつ。
” I rang the bell and was shown up to the chamber which had formerly been in part my own.”(「ボヘミアの醜聞」から)
これを
『私はベルを鳴らし かつて私自身が共に住んでいたところの部屋に上がった。』
と訳すのがフツーです。
・・・が『こう読んでしまうと、彼らの考え方は理解できません』と。私の恩師は次のように訳すのでした。
『私はベルを鳴らして部屋に上がったが、そこにはかつて私自身が共に住んでいたのだった。』
前から訳すワケです。
『原文と違う?いや違って当然、言語が違うンだから』と涼しい顔です。
『彼奴らは先に結果をポンと抛りだして、後から説明をするのだ』と。
・・・で、もう少し読み進めると分かるかもしれません(分からんかもしれんが・・・)。
この前の散文詩人にはロックだしw
しかも、
>彼奴らは先に結果をポンと抛りだして、後から説明をするのだ
ここがね、
もう、私がずっと習い続けたオヤジの英語の授業のセリフそっくり、
アイツ永遠に言い続けたわ、塾でも、
一瞬で12に戻ったわ、おかげさまで。
あの時点で、
結論だけで良いわ、もう英語と思ったさw(話が成り立たんが)
牛は解り易いわ、ナイス。
(牛以外の動物でもいいけど)
察するにお父さんは英語教師としてかなり優秀。
私の恩師はコレ受験英語なので「どんな英文も必ず五文型にあてはまる」として「どれが主語でどれが述語かを見分ける力を養えば、単語の1つや2つ分からんでも類推で訳せる」と言っていました。