ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S SESSION

2015-11-22 10:41:07 | ニューオーリンズ
ELVIS COSTELLO & ALLEN TOUSSAINT / THE RIVER IN REVERS
「私の好きなアラン・トゥーサン」企画、第4弾。トゥーサンのセッション及びゲスト参加曲特集です。今回はニューオーリンズ物以外に焦点を当ててみました。どうぞ!!








VA / RHYTHM COUNTRY AND BLUES
ドン・ウォズのプロデュースにより、R&Bとカントリーを融合させた、94年の名作アルバム。ヴィンス・ギルとグラディス・ナイトのデュエットによる「Ain't Nothing Like The Real Thing」に始まり、アル・グリーン&ライル・ラヴェット、サム・ムーア&コンウェイ・トィッティ、ナタリー・コール&リーヴァ・マッキンタイア、アーロン・ネヴィル&トリーシャ・イヤウッド、そしてジョージ・ジョーンズ&BBキングなどなど、大物勢揃いの極上アルバム。その中でアラン・トゥーサンは、かのチェット・アトキンスと「Southern Night」を披露。これがまらいい塩梅なんですよ!
https://www.youtube.com/watch?v=9ymiIJsoKO0



CYNDI LAUPER / MEMPHIS BLUES
シンディー・ローパーが、ハイやスタックスで活躍してきた腕利き達と共にメンフィスで録音したブルース・アルバム。2010年作。豪華ゲストの参加もあって大変話題になったアルバムですね。アラン・トゥーサンは3曲に参加。ローウェル・フルソンやメンフィス・スリムを弾くトゥーサンも良いですが、注目はルイ・ジョーダンの「Early In The Mornin'」。この曲にはトゥーサンだけではなく、やはり今年亡くなられた大御所B.B.キングもゲスト参加しているんです。って言いますか、トゥーサンはシンディとBBの共演に華を添える感じではありますが、なんだかトゥーサンとBBの共演に胸が熱くなります。そしてシンディはトゥーサンを伴いLettermanでこの曲を披露しているんです。残念ながらそこにBBは居ませんが、それ故にトゥーサンがフィーチャーされていて、なかなか面白いセッションになっています。シンディの暴れっぷりも見事!
https://www.youtube.com/watch?v=7WEcBngVfiE



OZ NOY / TWISTED BLUES VOLUME 1
イスラエル出身の鬼才ギタリスト、OZ-NOYによる彼流ブルース・アルバム。2011年の作品。ジョン・メデスキ、ウィル・リー、ヴィニー・カリウタ、リーズ・ワイナンスなど猛者達が参加する中、アラン・トゥーサンは「Oh Really?」でピアノを弾いています。ニューオーリンズ・ファンクをプログレッシヴに料理したような曲ですが、トゥーサンのピアノソロもなかなか痛快!そしてこのアルバムのリリース・ライヴの模様がいくつかYouTubeに上がっているんですが、トゥーサンをゲストに招いたそのステージがまたスリリング!!下の動画はそんな中から「Cissy Strut」のライヴ。(案外、トゥーサンがこの曲を弾いてること自体珍しいかも?)
https://www.youtube.com/watch?v=Z7vpWpbBFBw



JOHN FOGERTY / WROTE A SONG FOR EVERYONE
CCRのジョン・フォガティが、フー・ファイターズ、キース・アーバン、ミランダ・ランバート、ザック・ブラウン・バンド、マイ・モーニング・ジャケット、アラン・ジャクソンなど、多彩なゲストを招いた2013年のソロ・アルバム。トゥーサンはジェニファ・ハドソンと共に「Proud Mary」に参加。アイク&ティナ・ターナーのカヴァーでも知られるあの超有名曲。バックはトゥーサンのバンドにザディコやケイジャンのミュージシャン、さらにリバース・ブラス・バンドも加わったお祭りバンド。悪い訳がありません!
https://www.youtube.com/watch?v=RuY6VcQE8ew



VA / I BELIENE TO MY SOUL
アン・ピープルズ、ビリー・プレストン、メイヴィス・ステイプルス、アーマ・トーマス、そしてアラントゥーサンという絶妙の顔合わせを1枚に纏めた、ジョー・ヘンリーのプロデュースによる06年の名作。トゥーサンは自身の作品を歌うだけでなく、ピアニストとしてバックバンドにも名を連ね、ホーン・アレンジも務めるという、おそらくジョー・ヘンリーにとっても頼れるブレーン的存在だたのでは?と想像せずにはいられません。この後の2人の関わりの深さからも、この作品における実りの多さが伺われますね。そこかしこに響くトゥーサンらしい優しいタッチのピアノの音色が素晴らしい! このアルバム、そして同年にリリースされたトゥーサン&エルヴィス・コステロの共演作「THE RIVER IN REVERSE」という2作のジョー・ヘンリー・プロデュース作が、トゥーサンの長い音楽活動において、新たな扉を開けたこように思えます。



MADELEINE PEYROUX / STANDING ON THE ROOFTOP
マデリン・ペルー、2011年の5作目。プロデュースはクレイグ・ストリート。ジョー・ヘンリーの師匠格に当たる方ですね。トゥーサンはマーク・リボー(g)、ミシェル・ンデゲオチェロ(b)、 チャーリー・ドレイトン(ds)等と共にピアノでクレジットされていますが、全体的にピアノの音はさほど聞こえてきませんし、鍵盤奏者もトゥーサン一人ではありません。ですが唯一ピアノがフィーチャーされている「The Party Oughta Be Comin' Soon」での、エレガントでありながら退廃的な雰囲気を醸すその音色はトゥーサンで間違いないでしょう。ニューオーリンズ的という以上に、トゥーサン独特の音色や空気感を楽曲に生かす手法はジョー・ヘンリーと共通していますね。
https://www.youtube.com/watch?v=mokG2Oz-MUM



ELVIS COSTELLO / SPIKE
そしてジョー・ヘンリーと並んで晩年のトゥーサンを語るには避けて通れないエルヴィス・コステロ。もちろんそれは06年の「THE RIVER IN REVERSE」を差す訳ですが、二人の共演はそれが最初ではありませんでした。84年にリリースされたヨーコ・オノのトリビュート作「EVERY MAN HAS A WOMAN」において、エルヴヴィス・コステロが取り上げた「Walking On Thin Ice」をトゥーサンがプロデュースしたのが2人の邂逅の始まりだったとか。そして本格的な共演と言えばコステロの89年作「SPIKE」収録の「Deep Dark Truthful Mirror 」。このアルバムは一部ニューオーリンズで録音されていまして、ダーティ・ダズン・ブラス・バンドの面々と共にトゥーサンも「Deep Dark Truthful Mirror」でピアノを弾いています。これはホント名曲!!コステロの歌とトゥーサンのピアノの絡みはホント泣けます。枯れたDDBBのブラスがまた良い。
https://www.youtube.com/watch?v=ZqJHh0IEhZg



THE LEVON HELM BAND / THE MIDNIGHT RAMBLE SESSIONS
70年代にトゥーサンがザ・バンドのホーン・アレンジを務めたことはよく知られますが、こちらはそのザ・バンドの中心人物、リヴォン・ヘルムが晩年にウッドストックの自宅スタジオにて繰り広げたライヴ「MIDNIGHT RAMBLE」から選りすぐりの名演を集めた作品。トゥーサンは2007年1月1日録音の「A Certain Girl」でフィーチャーされています。ギターでサポートするのはエルヴィス・コステロ。和気あいあいとした楽しい雰囲気が最高!終盤のピアノソロも素晴らしい! 最後にトゥーサンが「Thank you Levon!」と声をかけると、おそらくレヴォンと思われるしゃがれた声が「Thank you!」と返してくる。なんか泣けますね。残念ながらこちらの音源はYouTubeに上がってませんが、トゥーサンとミッドナイト・ランブル・バンドの共演による「A Certain Girl」を見つけたのでそちらのリンクを貼っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=9zcfmhnG-cg



PAUL McCARTNEY / VENUS AND MARS
さて、70年代、件のザ・バンドのホーン・アレンジをきっかけに、ロック系アーティストがこぞってトゥーサンの元を訪れます。いわゆるトゥーサン詣で。ニューオーリンズのシーセイント・スタジオに訪れた最大の大物がポール・マッカートニーでした。とは言え、ポールはただスタジオを使って「VENUS AND MARS」を録音し、トゥーサンは挨拶程度に「Rock Show」でピアノを弾いただけ、といった印象ではありますけどね。とは言え、ポールがバンドメンバーと共にニューオーリンズにやって来て、シーセイント・スタジオでトゥーサンと交わった、その記録がこの曲な訳で、この1曲しかないからこそ、逆に想像力を刺激されてしまうのです。
https://www.youtube.com/watch?v=qPDHE1xcNFk



VA / GOIN' HOME
2007年にリリースされたファッツ・ドミノのトリビュート作。ここでトゥーサンはファッツの「I Want to Walk You Home」を弾いています。歌うはポール・マッカートニー。ポールにとってファッツは少年時代のアイドルの一人だったでしょうし、おそらくトゥーサンはその当時デイヴ・バーソロミュー楽団の一員としてファッツのバックも務めたりしていたはず。そんな両者がファッツの曲で共演する。なんか良いですね。トゥーサンらしいピアノのイントロから、まるでファッツになりきったようなポールの歌声が聞こえた瞬間、思わずニヤけてしまいます。



VA / ART OF McCARTNEY
最後もポール・マッカートニー関連。こちらは昨年リリースされたポール・マッカートニー・トリビュート・アルバム。ボブ・ディラン、ビリー・ジョエル、ウィーリー・ネルソン、B.B. キング、スモーキー・ロビンソン、さらにはジェミー・カラム、コリーヌ・ベイリー・レイ、アウル・シティなどなど、超豪華アーティストが参加しています。ここでアラン・トゥーサンは「Lady Madonna」を披露。これが良いんですよ!ブライアン・レイ(b)、エイブ・ラボリエル・Jr.(ds)、ラスティ・アンダーソン(g)などポールのバンド・メンバーをバックにピアノを弾き歌うトゥーサン。元々、この曲はファッツ・ドミノをイメージして作られたと言われ、ファッツのカヴァーも存在していたり。そんなトゥーサンにはもってこいの曲であり、ファッツ~ポール~トゥーサンのトライアングルはここでも鉄板!
https://www.youtube.com/watch?v=kC93Q0T8TvY






いかがでしたか?アラン・トゥーサンのピアノは、そのタッチやフレージングですぐに、あ!トゥーサンだ!と分かってしまうような、”トゥーサンの音”を持っていますよね。その音色が本当に素晴らしい!!しかもこのようなセッションでは、そんな魅力を存分に発揮しつつ、それぞれの楽曲に溶け込むような演奏をしている。それがまた味わい深い!まるでトゥーサンのピアノが入るだけで、何か魔法にかかったような、そんな印象さえ与えてくれます。


よかったらこちらもご一緒に!!

 15.11.14 MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S WORK
 15.11.12 MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S SONG 70年代編
 15.11.12 MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S SONG 60年代編

MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S WORK

2015-11-14 00:06:46 | ニューオーリンズ
LABELLE / NIGHTBIRDS

私の好きなアラン・トゥーサン!連載3回目は敢えてトゥーサン作曲ではない曲に焦点を当てての裏方名曲10選。今回は好きな順ではなく、おおよそ年代順に並べてみました。どうぞ!!


Ooh Poh Pah Doo / JESSIE HILL
Land of 1000 Dances / CHRIS KENNER
Funky Belly / WARREN LEE
Sophisticated Cissy / THE METERS
Life Is Carnival / THE BAND
Street Parade / EARL KING
Right Place Wrong Time / DR. JOHN
Lady Marmalade / LABELLE
White Lady / BADGER
Smoke That Fire / NEW BIRTH BRASS BAND


まずはジェシー・ヒル「Ooh Poh Pah Doo」。1960年、まさにトゥーサン黄金時代の始まりを告げる号砲のような名曲。そしてウィルソン・ピケットで有名な「ダンス天国」の元歌であるクリス・ケナーの「Land of 1000 Dances」。こんな重要曲にもトゥーサンはプロデューサーとして絡んでいるんです。そしておそらくトゥーサンがミーターズをバックに起用したものの中でもかなり初期の1曲ではないかと思われるウォーレン・リーの「Funky Belly」。まさにニューオーリンズ流レア・ファンク!!そしてミーターズのデビュー曲「Sophisticated Cissy」。なんだかんだでトゥーサン抜きでミーターズを語ることは出来ませんよね。この両者のタッグがニューオーリンズ・ファンクの新しい70年代を演出したのですから。そんな最強タッグが産み落としたニューオーリンズ・ファンクの最高峰が、ドクター・ジョンの「Right Place Wrong Time」だったり、アール・キングの「Street Parade」だったり。ただアール・キングの方はクレジット上はトゥーサンのプロデュースではないようですけどね。ですが間違いなくアレンジには関わっているでしょうし、実質上のプロデューサーだったのではないでしょうか?

ザ・バンドの「Life Is Carnival」はトゥーサンがホーン・アレンジを担当。両者の邂逅がトゥーサンの名をロック界にも知らしめたとか。そしてトゥーサン関連最大のヒット曲となったラベルの「Lady Marmalade」は説明不要ですね。さらにジャッキー・ロマックスがリード・シンガーを務めたバジャーあたりのソフトなソウルロック的な味わいにおいてもトゥーサン・プロデュースの持ち味発揮。ちなみにこの曲、ギターはジェフ・ベックが弾いてたり。最後は一気に時代が飛んで1996年にトゥーサンが立ち上げたレーベルNYNOから、ジェイムス・アンドリュース率いるニュー・バース・ブラス・バンド!!

MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S SONG 70年代編

2015-11-12 22:26:43 | ニューオーリンズ
ALLEN TOUSSAINT / LIFE, LOVE AND FAITH

私が大好きなトゥーサン・ソング、70年代編です。今の気分で好きな順に並べてみました!!


Play Something Sweet / FRANKIE MILLER
What Do You Want The Girl To Do ? / ALLEN TOUSSAINT
I've Got To Convince Myself/ ALLEN TOUSSAINT
Soul Sister / ALLEN TOUSSAINT
Yes We Can / LEE DORSEY
Sneakin' Sally Thru The Alley / LEE DORSEY
Shoorah! Shoorah! / BETTY WRIGHT
What Is Success / ALLEN TOUSSAINT
You Might Say / BROWNING BRYANT
Freedom For The Stallion / LEE DORSEY


私がアラン・トゥーサン曲の中で最も好きな曲、それは「Play Something Sweet」、またの名を「Brickyard Blues」。74年にフランキー・ミラーが歌った曲。これは文句無しの大名曲ですよね。リー・ドーシーの「Yes We Can」や「Sneakin' Sally Thru The Alley」、ベティ・ライトの「Shoorah! Shoorah!」、ブロウニング・ブライアントの「You Might Say」など、相変わらず裏方仕事で名作を残しまくった70年代ですが、この時代はトゥーサンがプロデューサーとしてだけでなく、自作自演アーティストとしてその魅力を大きく世に示した時代でもありました。名作「SOUTHERN NIGHTS」からは敢えてタイトル曲を外し「What Do You Want The Girl To Do ?」を。この曲とか、「What Is Success」、「Soul Sister」辺りの独特なソウル・フィーリングは堪らないものがありますね。あと「I've Got To Convince Myself」はトゥーサンの開放感溢れるポップセンスが最高!そして最後は名作スロー。「With You In Mind」とどちらにしようか迷っての「Freedom For The Stallion 」。

写真は「Soul Sister」、「I've Got To Convince Myself」を収録した72年作。

MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S SONG 60年代編

2015-11-12 00:08:19 | ニューオーリンズ
ALLEN TOUSSAINT / EVERYTHING I DO GONH BE FUNKY - THE HIT SONGS & PRODUCTIONS 1957 - 1978


アラン・トゥーサンを偲んで、私が大好きな60年代のトゥーサン・ソングを10曲選んでみました。トゥーサンが作曲、もしくは共作した名曲の数々。今の気分で私の好きな曲順に並べてみました。やっぱりこの時代のニューオーリンズR&Bは最高ですね!


Ride Your Pony / LEE DORSEY
Working In The Coal Mine / LEE DORSEY
Lipstick Traces / BENNY SPELLMAN
Ruler Of My Heart / IRMA THOMAS
A Certain Girl / ERNIE K-DOE
All These Things / ART NEVILLE
Mother-In-Law / ERNIE K-DOE
Fortune Teller / BENNY SPELLMAN
Grumblin' Fussin' Nag Nag / THE DEL ROYALS
I Like It Like That (Part 1) / CHRIS KENNER
Wrong Number / AARON NEVILLE


古き良きニューオーリンズを代表するシンガー達が歌った名曲ばかり。でもこの時代、これはデイヴ・バーソロミュー達が築いた黄金のニューオーリンズR&Bに新たな息吹を吹き込んだ、まさにアラン・トゥーサン時代の始まりだったのです。ここに挙げた10曲は説明不要の名曲ばかり。唯一マイナーと言えば、ザ・デル・ロイヤルズですかね。ウィリー・ハーパーを中心にしたコーラス・グループで、ノベルティ・タッチの「Grumblin' Fussin' Nag Nag」は「Always Naggin'」という曲名でも知られる曲で、トゥーサンらしさ全開の隠れ名曲。


あ、よくよく数えたら11曲ありますね。捨て曲無しなので、仕方ありません。




アラン・トゥーサン、安らかに

2015-11-11 00:22:49 | ニューオーリンズ
ALLEN TOUSSAINT / SONGBOOK

とても信じられないニュースに驚いています。11月9日、アラン・トゥーサンがツアー中のスペインで亡くなられたとのことです。77歳だそうですから、年齢的にはそれほど驚く程でもないのかもしれませんが、あまりに急な話ににわかには信じられないと言いますか、デマであって欲しいと願わずには居られません。

先月、ニューオーリンズで開催された「Crescent City Blues & BBQ Festival」において、ファンキー・ミーターズのステージにゲストとしてアラン・トゥーサンが出演したんです。これは夢の共演ですよ!その時のおそらくオフィシャルと思われるライヴ映像が短い期間公開されていまして、私もそれを観て凄く興奮したものなんですが…。まさかあれから一月と経たずに…。その時のアラン・トゥーサンの姿は元気そうだったんですけどね。それが私が観た最後の動くアラン・トゥーサンでした。名曲「All These Things」を、アラン・トゥーサンとアート・ネヴィルで歌い繋いだのは感動的でしたね。




70年代のミーターズとアラン・トゥーサンの確執は、もはや伝説的ではありますが、ミーターズの解散以降、レオ・ノッセンテリやアート・ネヴィルなどメンバー個人がトゥーサンと共演した音源はあるものの、少なくともミーターズというバンドとトゥーサンの共演が公式に録音されることはなかったはずです。先月の共演がオリジナルではなくファンキー・ミーターズだったとはいえ、オフィシャルで録音録画しているのであれば、これはぜひリリースしていただけると嬉しいですね。もちろんあれがミーターズ解散後の初共演って訳ではないのかもしれませんが(少なくとも私は、あの日、リアルタイムで初めて観ました。)、それでもやっぱりニューオーリンズ音楽ファンにとって、ミーターズとアラン・トゥーサンの共演っていうのは特別なものなんですよね。


アラン・トゥーサンが亡くなられたのは本当に残念ですが、最後にファンキー・ミーターズとの共演を見せてもらえたのは、ファンとしてとても嬉しかったです。


アラン・トゥーサンさん、安らかに。これまで沢山の名曲と演奏をありがとうございました。

トラヴィス・ヒル、安らかに

2015-06-06 10:48:47 | ニューオーリンズ
オーリンズの若き才能が、この日本の地で亡くなられました。私は亡くなられる前日に彼のライヴを観ているので、本当に信じられませんでした。こんなことあるのか?あまりに急過ぎて、しばらく信じることが出来ませんでした…。これからの活躍を信じて疑ってなかっただけに、その突然過ぎる衝撃と悲しみに打ちのめされました。死因は歯科治療による感染症だったそうです。

トラヴィス・ヒル。「Ooh Poo Pah Doo」のヒットで知られるジェシー・ヒルの孫であり、トロンボーン・ショーティ、ジェイムズ・アンドリューズとは従兄弟に当たるという、28歳のトランぺッター。

昨年もゴールデンウィークに来日し、関西で活躍するBLITZ & SQUASH BRASS BANDと共にニューオーリンズ仕込みの素晴らしいステージを披露してくれました。そして今年も、昨年に続いてBLITZ & SQUASH BRASS BANDとのジョイントによる来日ツアーが企画され、5月3日、代々木公園で開催された「シンコ・デ・マヨ・フェスティバル」がその初回でした。ですが、哀しいことに、それがトラヴィス・ヒルにとって最後のステージとなってしまいました。

「Mardi Gras in New Orleans」に始まり、「Caribbean Secondline」、そして最後を「When the Saints Go Marching In」で締めるという3曲、およそ20分という短いステージではありましたが、私のようなトラヴィスを観に来たニューオーリンズ好きはもちろん、イベントを楽しみに来ていたラテン系な人達をも巻き込んでの、濃密且つ楽しさに溢れたステージでした。

トラヴィス・ヒルは、このとき既に体調及び口内の状況が悪かったのではないかと思われますが、そんなことはまったく感じさせない流石のエンターテイナー振り。BLITZ & SQUASH BRASS BANDを従え、センターでトランペットを吹く勇姿は存在感抜群。トランペットだけではなくパーカッションも叩いてましたし、「Mardi Gras in New Orleans」では歌も歌ってくれました。また、ステージ前方に進み出て観客を煽ったり、前方に小さな女の子を見つけ嬉しそうに愛嬌を振りまいたりする姿は特に印象的でした。終始にこやかでとても元気そうに見えたのですが。

今になって思えば、パーカッションを叩いていたのは、あまり長くトランペットを吹くことが出来なかったからなのかな?とも思えたり。そう考えると、それでもステージで最高の演奏を届けようとするトラヴィスのミュージシャンとしての強い思いを感じさせられますし、ステージ上でのトラヴィスの姿は本当に素晴らしかったです。私はその勇姿を一生忘れないでしょう。






トラヴィス・ヒルの御遺体はニューオーリンズに帰り、5月23日に葬儀が執り行われたようです。きっと盛大なジャズ・フューネラルで送られたことでしょう。なんてったて、ニュー・バース・ブラス・バンドやリル・ラスカルズ・ブラス・バンドなどでならしていたという彼ですからね。


トラヴィス・ヒルさん、安らかに。





トラヴィス・ヒルのプロフィールと、来日から亡くなられるまでの経緯は、「ブルース銀座』さんのブログに詳しいです。→http://black.ap.teacup.com/sumori/1620.html



Move Your Body / Rebirth Brass Band
最近では、昨年リリースされたリバース・ブラス・バンドの最新作でも1曲トランペットを吹いていました。

ダーティー・ダズン・ブラス・バンド@ビルボードライヴ東京

2015-03-05 21:31:04 | ニューオーリンズ
3月4日、ビルボードライヴ東京にて、Dirty Dozen Brass Band(DDBB)を観てまいりました!

今回もやって来ましたよ!最強メンバーが! トランぺットのグレゴリー・デイヴィスとエフレム・タウンズ、バリトン・サックスのロジャー・ルイス、テナー・サックスのケヴィン・ハリス、そしてスーザフォンのカーク・ジョセフ!! 既に伝説と化しているオリジナル・メンバー5人衆です。そしてドラムスとギターにそれぞれ新加入かサポートかよく分かりませんが、ジュリアン・アディソン 、タケシ・シンムラが加わった7人編成。

いきなりカーク・ジョセフのスーザフォンが唸りを上げるベースラインは「Do It Fluid」。デビュー・アルバムからの選曲ですよ!嬉しいですね~。ザ・ブラックバーズ(ドナルド・バード)のカヴァーですけど、完全にDDBB色に染まったニューオーリンズ・ブラス・グルーヴ。残念ながらスーザフォンの音色はモワモワとしてはっきりとは聞き取れない音響でしたが、それでもその低音ラインはグイグイと腰にくる。やはりカーク・ジョセフですよ!!そしてそれに絡むフロント4人の縦横無尽なホーン・アンサンブル。まさに百戦錬磨なブラス・ファンク!!この4人が横並びに揃うと迫力ありますね。タイダイなTシャツを着たケヴィン・ハリスが格好良い! お馴染みの「It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)」を挟み、切れ目無しに「Tomorrow」へ。こちらは最新作「Twenty Dozen」から。カリブっぽい朗らかなリズムとメロディアスなサビがまた極上ながら途中、ロジャー・ルイスのブリブリのバリトン・サックス・ソロが最高でした。

そしてミーターズの「Fire On The Bayou」のコーラスから「Unclean Waters」へ。こういった似ている曲を繋げてしまう展開はライヴならではですね。DDBB流バイユー・ファンクなノリもなかなか。タケシ・シンムラという名前の通りの日本人ギタリストさんのネチッこいバッキング&ソロが光ってましたね! そして特筆すべきはドラムスのジュリアン・アディソン。正直、彼についてはまったくノーマークでしたが、この彼がまた良い仕事してました!黒人らしいパワフルな質感と見事な切れ味、そして肉感的なグルーヴ。カーク・ジョセフのベースラインもさることながら、リズムの要としてかなりの存在感を発揮していましたね!!

さて、仕切り役的に序盤はエフレム・タウンズがバンドを引っ張っている印象でしたが、ニューオーリンズ・クラシックとしても有名なトラディショナル「Li'l Liza Jane」はまるでグレゴリー・デイヴィスの独壇場な感じで、何処か人懐っこい歌声とお祭りおやじ的なキャラが全開。観客との強引なコール&レスポンスで盛り上がっただけでは飽き足らず、ノリの良い女性客をステージに上げて一緒に踊り出したりのやりたい放題。でも耳を凝らせばその後ろでカーク・ジョセフが鬼のようなベース・ラインを吹いたりしてるから堪らない。まさにガンボ状態!!

いよいよステージも終盤。ここで紹介されたのはなんとブラック・ボトム・ブラス・バンドからトロンボーンのYASSY、アルトサックスのMONKY、スネア・ドラムのSEIYAの3人。彼らが加わっての賑やかにジェイムズ・ブラウン「Super Bad」的なJBファンクで切り込みつつの「Use Your Brain」。この曲は近年のDDBBのライヴにおけるキラー・チューンですね!! ニューオーリンズらしい”ノベルティ感”と”もっちゃり感”を良い具合に含んだファンクネス。またカーク・ジョセフのスーザフォンが強力なんですよ。もうウネリまくり!!そしてジュリアン・アディソンのドラムスもまた格好良かった!!終盤にはロジャー・ルイスの長尺ソロ・パートもあったりで、緩急入り交じった展開にジャム・バンド気質が伺えたり。最後はレゲエっぽいリズムに乗って“Uh Oh♪”とコール&レスポンスを繰り返しながら延々とメンバーを紹介していく長尺ジャム(曲名分りませんでした…)から再び「Use Your Brain」に戻って終了。

拍手喝采に包まれながらメンバーがステージを降りていくなか、ケヴィン・ハリスとロジャー・ルイスだけステージに残り、もう1曲?みたいな展開に。正真正銘のラストはもちろん「Dirty Old Man」。ロジャー・ルイスがダーティに決めまくる。またしても女性客を次々にステージへ上げての大騒ぎ。メンバーも次々に戻って来てニューオーリンズ流饗宴は最高潮に。


この日のセットリストですが、本文に書いた通り、違う曲から始まったりとか、途中にソロやメンバー紹介が入ったりとか、一筋縄では行かない展開でしたが、概ね核となる楽曲は以下のような感じでした。

01. Do It Fluid
02. Tomorrow
03. Unclean Waters
04. Li'l Liza Jane
05. Use Your Brain
06. Dirty Old Man


いや~、それにしても、やっぱりニューオーリンズは良いですね!あとこの日の収穫はドラマーのジュリアン・アディソン。まだ若い方なのだと思いますが、この人には今後注目したいと思います!

ボ・ドリス、安らかに

2015-01-22 20:21:55 | ニューオーリンズ
BO DOLLIS & THE WILD MAGNOLIAS / 30 YEARS AND STILL WILD!

1月20日、ザ・ワイルド・マグノリアスのビッグ・チーフ、ボ・ドリスが亡くなられたそうです。ニューオーリンズの自宅にて。71歳。

ニューオーリンズの地に脈々と受け継がれるマルディグラ・インディアンの伝統。そのマルディグラ・インディアンにつきましてはWIKIに詳しいのでそちらを見て頂ければ幸いですが、我々ニューオーリンズ音楽ファンにとって、マルディグラ・インディアンと言えば、やはりワイルド・マグノリアスであり、そのビッグ・チーフであるボ・ドリスなのであります。

彼らは、マルディグラ・インディアン独特のパレードを彩るリズムと掛け声と、それにファンク・グルーヴを結びつけたような、まさにニューオーリンズならではのインディアン・ファンクの草分けであり、かの地を代表する一つの文化の象徴とも言える存在でした。私も数年前にブルーノート東京で彼らのライヴを観ましたが、その時の熱い熱いステージと、ボ・ドリスの強烈な存在感は今も脳裏に焼き付いております。

ニューオーリンズの音楽シーンに欠かせない存在だっただけに残念でなりません…。





上の写真はワイルド・マグノリアス、2002年の結成30周年記念作品。新録6曲にレア音源などをプラスした変則的なアルバム。全編で土っぽくも迫力満点なボ・ドリスの歌声と、ファンキーなインディアン・グルーヴが楽しめます。新録には山岸潤史、ラッセル・バティステ、ドナルド・ハリソン・Jr などが参加。ジャジーなフィーリングを注入するドナルド・ハリソン・Jrは異色ですが、彼もマルディグラ・インディアンの血を引くビッグ・チーフだったり。そしてレア音源の方は、年代的にもデビュー・アルバム発表前のものがゴロゴロ収録されていたりしますが、もう少し詳細なデータが欲しいというのが正直なところ。70年の「Ho Na Nae」は、その後のデビュー・アルバムで中心的な役割を果たしたウィリー・ティーとの初共演ライヴからだとか、3ヴァージョン入った「Handa Wanda」の一つは、デビューシングルのパーカッションリハーサルだとか、その他もろもろ、かなり興味深いです。





THE WILD MAGNOLIAS / THE WILD MAGNOLIAS
そしてこちらはワイルド・マグノリアス、74年のデビュー・アルバム(もちろんデビュー作+αの再発盤ですけどね)。ウィリー・ティーやスヌークス・イーグリンがバックを務めたことでも知られますが、このファンク、もしくはバンド化されたマルディグラ・インディアンというのが当時どれだけ衝撃的だったのか?今となっては想像しづらいですが、これがニューオーリンズの新しいファンクの形へ一石を投じたことは間違いないでしょう。何せ、ネヴィル・ブラザーズの前身、ワイルド・チョピトゥーラスより2年も早いんですから。


ボ・ドリスさん、安らかに。

ニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァル

2015-01-14 09:44:23 | ニューオーリンズ
THE METERS / LOOK-KA PY PY

今年もニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァル(正式名称はNew Orleans Jazz & Heritage Festival)、通称ジャズフェスのラインナップが発表になりました。遠いニューオーリンズで行われるフェスですが、我々ニューオーリンズ音楽ファンにとっては聖地と言っても良い、伝統のフェスティヴァル。私は行ったことがありませんし、今年も行けませんが、毎年ラインナップを眺めながら彼の地に思いを馳せるのが楽しみなのです。

詳しいラインナップはこちら→http://lineup.nojazzfest.com


まずはオリジナルメンバーでの出演となるザ・ミーターズの名に目が奪われますね。アート・ネヴィルの体調が心配されますが、アートは息子のイアンも参加するダンプスタファンクにもゲスト出演するようなので、意外と元気なんでしょうね。

あとは、トロンボーン・ショーティ、アラン・トゥーサン、アーマ・トーマス、アーロン・ネヴィル、プリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンド、ワイルド・マグノリアス、バックウィート・ザディコ、ジョン・クリアリー、ダーティ・ダズン・ブラス・バンド、マーシャ・ボールなどなど、ルイジアナ/ニューオーリンズを彩るお馴染みのアーティストがずらりと並んでいます。

さらにルイ・アームストロング、ファッツ・ドミノをそれぞれトリビュートするドクター・ジョン、ダヴェル・クロフォードや、メイシー・グレイをゲストに迎えるギャラクティックなど、彼の地ならではのステージも羨ましい限り。

ですがどこを探してもネヴィル・ブラザーズはもちろん、アーロン抜きのネヴィルズの名前すら見つけられないのはとても寂しいですね。アーロンはソロで出演しますし、アートはミーターズで出ます。チャールズはアーロンをサポートするのかな? そしてシリル・ネヴィルはヴォイス・オブ・ザ・ウェットランド・オールスターズ、ロイヤル・サザン・ブラザーフッド、そしてソロと大活躍。ですがやっぱり兄弟揃ってジャズフェスの舞台に立つ姿が観れないのはなんとも寂しいですよね~。ま、仕方ないですけど。



そしてこのジャズフェスは、ニューオーリンズ意外からのゲストが年々豪華になっていくところも注目。今年も、エルトン・ジョン、ザ・フー、トニー・ベネット&レディ・ガガ、ジミー・クリフ、ノーダウト、シカゴ、アンソニー・ハミルトン、ピットブル、スティーヴ・ウィンウッド、ウィルコ、アリソン・クラウス、バディ・ガイ、ジェリー・リー・ルイス、テデスキ・トラックス・バンドなどなど。ホント豪華。このメンツの中にピットブルが居るって言うのが凄いですよね。まさにガンボ!!


あと気になるのは最終日の大トリを誰が飾るのか?っていうところ。ジャズフェスの新しい顔となりつつあるトロンボーン・ショーティが最終日にエントリーされているのでやはり彼なのか? ちなみにオリジナルのミーターズも最終日。ですがこの日のみ、ヘッドライナーと思われる位置がTBAになってるんですよね~。それが果たして誰なのか?とても気になります。


しかし、なんて言いますか、ニューオーリンズ行きたいですね!!

ミーターズEXPERIENCE@ビルボードライヴ東京

2014-11-25 23:40:50 | ニューオーリンズ
少し前の話ですが、10月28日、ビルボードライヴ東京にてミーターズEXPERIENCEのライヴを観てまいりました!昨年に続いて2度目の来日。その凄過ぎるメンバーは以下の5人。

レオ・ノセンテリ(THE METERS) / Leo Nocentelli (Guitar)
バーニー・ウォレル(P-FUNK / FUNKADELIC) / Bernie Worrell (Keyboards)
フレッド・ウェズリー(JB HORNS / PARLIAMENT / FUNKADELIC) / Fred Wesley (Trombone)
スタントン・ムーア(GALACTIC) / Stanton Moore (Drums)
ビル・ディケンズ / Bill"The Buddha"Dickens (Bass)


で、私のお目当てはレオ・ノッセンテリ。これだけのメンバーが揃いながら、私はほぼレオ・ノッセンテリのギター目当てで観に行ったんです。もちろん、フレッド・ウェズリーも、スタントン・ムーアも大好きなんですけど、やはり私にとってオリジナル・ミーターズは特別なのです。

実は昨年もレオ・ノッセンテリ目当てで彼の目の前のテーブルに座ったのですが、もうギター・アンプが目と鼻の先って感じで、とにかくその音が大きいのなんの! もう他の人のソロも歌も全てを掻き消さんばかりの爆音なんですよ。さすがにこれは酷いなと、今度行く時はもう少し後ろの席にしよう、なんて思ったものですが、ステージが進むにつれ、JBファンクもP-FUNKも全てミーターズなノリにしてしまうかのようなレオのチャカチャカしたカッティングに身も心も飲み込まれていく感じで、いやはやレオ・ノッセンテリってとんでもないなと。そのアクの強いギタリストとしての魅力もさることながら、私にとってのミーターズ的なノリっていうのは、彼のギターに負うところが大きかったんだなと痛感させられたのでした。

なので今回も、また性懲りも無くレオの目の前に陣取りました。もう始まる前から目の前のギター・アンプを見てワクワクしていましたよ。そしてメンバーが登場。昨年はフレッドとバーニーは途中から出てきましたが、今回は最初っからフル・メンバーです。そんな中、サウンドチェック的にレオがギターの音を出しただけで凄まじい爆音。なんか笑っちゃいましたね。1曲目は「Come back jack」、そして「Cissy Strut」、さらに「Fire on the Bayou」とミーターズ・ナンバーの2連ちゃん。

いや~、凄いですよ。思う存分にレオのギターを堪能しました。往年のミーターズ作品に比べるとあまりにもごり押しに弾きまくる印象のレオ様ですが、生で体感すると、その弾きっぷりの節々からミーターズ汁がドロドロと溢れ出る感じで、もう堪らないものがありましたね。いやはや、レオ・ノッセンテリ万歳ですよ!

もちろん、凄いのはレオだけではありません。「Come back jack」からレオの爆音に負けない程の重低音でミーターズをヘヴィ・ファンク化するようなビル・ディケンズのベースも存在感抜群でしたし、「Cissy Strut」で次世代ミーターズなビートを叩き出したスタントン・ムーアも最高でした。

そして中盤からステージの主役はバーニー・ウォーレルへ。ムーグによるウニョウニョを含めたキーボードソロから彼の世界に誘われ、「Red Hot Mama」で大盛り上がり。さらにバーニーのキーボードにフレッド・ウェズリーのトロンボーンが応えるように始まった「Give Up The Funk」。やっぱこれやらないとね!

そして終盤、いよいよフレッド・ウェズリーが前面に立ちます。曲はJB’Sの大名曲「Pass the Peas」。盛り上がる観客達。やはりフレッドは人気者ですね。あのリフも、あのソロもいまだ健在。やっぱりJB’Sは格好良い!!しかもこの曲、途中でバーニーがP. Funk (Wants To Get Funked Up) を弾きだしてそちらに傾れ込む展開。堪りませんね~!! 最後はフレッドの代名詞「House Party」。お馴染みの“パーティー!パーティー”というコール&レスポンスでこのファンク・パーティーも大団円。

で、相変わらずレオ・ノッセンテリはP-FUNKもJBも全て爆音ミーターズなノリでチャカチャカ弾き倒してました。いや~もうホント堪らないものがありましたね。あの独特のグルーヴ感はなんなんでしょうね。まさに唯一無比なギタリストですよ!強引なギターソロも含めて全てにノックアウトでした。


01. Come back jack
02. Cissy Strut
03. Fire on the Bayou
04. Red Hot Mama
05. Give Up The Funk
06. Pass the Peas~P. Funk (Wants To Get Funked Up)
07. House Party


この日のセットリスト↑ これ以上はあり得ないような美味しい選曲。これぞ鉄板!ですがあまりにも昨年と代わり映えしないのはちょっぴり残念だったりも。ミーターズもP-FUNKもJB’Sも、名曲はまだまだ沢山あるんですけどね~。