ELVIS COSTELLO & ALLEN TOUSSAINT / THE RIVER IN REVERS
「私の好きなアラン・トゥーサン」企画、第4弾。トゥーサンのセッション及びゲスト参加曲特集です。今回はニューオーリンズ物以外に焦点を当ててみました。どうぞ!!
VA / RHYTHM COUNTRY AND BLUES
ドン・ウォズのプロデュースにより、R&Bとカントリーを融合させた、94年の名作アルバム。ヴィンス・ギルとグラディス・ナイトのデュエットによる「Ain't Nothing Like The Real Thing」に始まり、アル・グリーン&ライル・ラヴェット、サム・ムーア&コンウェイ・トィッティ、ナタリー・コール&リーヴァ・マッキンタイア、アーロン・ネヴィル&トリーシャ・イヤウッド、そしてジョージ・ジョーンズ&BBキングなどなど、大物勢揃いの極上アルバム。その中でアラン・トゥーサンは、かのチェット・アトキンスと「Southern Night」を披露。これがまらいい塩梅なんですよ!
https://www.youtube.com/watch?v=9ymiIJsoKO0
CYNDI LAUPER / MEMPHIS BLUES
シンディー・ローパーが、ハイやスタックスで活躍してきた腕利き達と共にメンフィスで録音したブルース・アルバム。2010年作。豪華ゲストの参加もあって大変話題になったアルバムですね。アラン・トゥーサンは3曲に参加。ローウェル・フルソンやメンフィス・スリムを弾くトゥーサンも良いですが、注目はルイ・ジョーダンの「Early In The Mornin'」。この曲にはトゥーサンだけではなく、やはり今年亡くなられた大御所B.B.キングもゲスト参加しているんです。って言いますか、トゥーサンはシンディとBBの共演に華を添える感じではありますが、なんだかトゥーサンとBBの共演に胸が熱くなります。そしてシンディはトゥーサンを伴いLettermanでこの曲を披露しているんです。残念ながらそこにBBは居ませんが、それ故にトゥーサンがフィーチャーされていて、なかなか面白いセッションになっています。シンディの暴れっぷりも見事!
https://www.youtube.com/watch?v=7WEcBngVfiE
OZ NOY / TWISTED BLUES VOLUME 1
イスラエル出身の鬼才ギタリスト、OZ-NOYによる彼流ブルース・アルバム。2011年の作品。ジョン・メデスキ、ウィル・リー、ヴィニー・カリウタ、リーズ・ワイナンスなど猛者達が参加する中、アラン・トゥーサンは「Oh Really?」でピアノを弾いています。ニューオーリンズ・ファンクをプログレッシヴに料理したような曲ですが、トゥーサンのピアノソロもなかなか痛快!そしてこのアルバムのリリース・ライヴの模様がいくつかYouTubeに上がっているんですが、トゥーサンをゲストに招いたそのステージがまたスリリング!!下の動画はそんな中から「Cissy Strut」のライヴ。(案外、トゥーサンがこの曲を弾いてること自体珍しいかも?)
https://www.youtube.com/watch?v=Z7vpWpbBFBw
JOHN FOGERTY / WROTE A SONG FOR EVERYONE
CCRのジョン・フォガティが、フー・ファイターズ、キース・アーバン、ミランダ・ランバート、ザック・ブラウン・バンド、マイ・モーニング・ジャケット、アラン・ジャクソンなど、多彩なゲストを招いた2013年のソロ・アルバム。トゥーサンはジェニファ・ハドソンと共に「Proud Mary」に参加。アイク&ティナ・ターナーのカヴァーでも知られるあの超有名曲。バックはトゥーサンのバンドにザディコやケイジャンのミュージシャン、さらにリバース・ブラス・バンドも加わったお祭りバンド。悪い訳がありません!
https://www.youtube.com/watch?v=RuY6VcQE8ew
VA / I BELIENE TO MY SOUL
アン・ピープルズ、ビリー・プレストン、メイヴィス・ステイプルス、アーマ・トーマス、そしてアラントゥーサンという絶妙の顔合わせを1枚に纏めた、ジョー・ヘンリーのプロデュースによる06年の名作。トゥーサンは自身の作品を歌うだけでなく、ピアニストとしてバックバンドにも名を連ね、ホーン・アレンジも務めるという、おそらくジョー・ヘンリーにとっても頼れるブレーン的存在だたのでは?と想像せずにはいられません。この後の2人の関わりの深さからも、この作品における実りの多さが伺われますね。そこかしこに響くトゥーサンらしい優しいタッチのピアノの音色が素晴らしい! このアルバム、そして同年にリリースされたトゥーサン&エルヴィス・コステロの共演作「THE RIVER IN REVERSE」という2作のジョー・ヘンリー・プロデュース作が、トゥーサンの長い音楽活動において、新たな扉を開けたこように思えます。
MADELEINE PEYROUX / STANDING ON THE ROOFTOP
マデリン・ペルー、2011年の5作目。プロデュースはクレイグ・ストリート。ジョー・ヘンリーの師匠格に当たる方ですね。トゥーサンはマーク・リボー(g)、ミシェル・ンデゲオチェロ(b)、 チャーリー・ドレイトン(ds)等と共にピアノでクレジットされていますが、全体的にピアノの音はさほど聞こえてきませんし、鍵盤奏者もトゥーサン一人ではありません。ですが唯一ピアノがフィーチャーされている「The Party Oughta Be Comin' Soon」での、エレガントでありながら退廃的な雰囲気を醸すその音色はトゥーサンで間違いないでしょう。ニューオーリンズ的という以上に、トゥーサン独特の音色や空気感を楽曲に生かす手法はジョー・ヘンリーと共通していますね。
https://www.youtube.com/watch?v=mokG2Oz-MUM
ELVIS COSTELLO / SPIKE
そしてジョー・ヘンリーと並んで晩年のトゥーサンを語るには避けて通れないエルヴィス・コステロ。もちろんそれは06年の「THE RIVER IN REVERSE」を差す訳ですが、二人の共演はそれが最初ではありませんでした。84年にリリースされたヨーコ・オノのトリビュート作「EVERY MAN HAS A WOMAN」において、エルヴヴィス・コステロが取り上げた「Walking On Thin Ice」をトゥーサンがプロデュースしたのが2人の邂逅の始まりだったとか。そして本格的な共演と言えばコステロの89年作「SPIKE」収録の「Deep Dark Truthful Mirror 」。このアルバムは一部ニューオーリンズで録音されていまして、ダーティ・ダズン・ブラス・バンドの面々と共にトゥーサンも「Deep Dark Truthful Mirror」でピアノを弾いています。これはホント名曲!!コステロの歌とトゥーサンのピアノの絡みはホント泣けます。枯れたDDBBのブラスがまた良い。
https://www.youtube.com/watch?v=ZqJHh0IEhZg
THE LEVON HELM BAND / THE MIDNIGHT RAMBLE SESSIONS
70年代にトゥーサンがザ・バンドのホーン・アレンジを務めたことはよく知られますが、こちらはそのザ・バンドの中心人物、リヴォン・ヘルムが晩年にウッドストックの自宅スタジオにて繰り広げたライヴ「MIDNIGHT RAMBLE」から選りすぐりの名演を集めた作品。トゥーサンは2007年1月1日録音の「A Certain Girl」でフィーチャーされています。ギターでサポートするのはエルヴィス・コステロ。和気あいあいとした楽しい雰囲気が最高!終盤のピアノソロも素晴らしい! 最後にトゥーサンが「Thank you Levon!」と声をかけると、おそらくレヴォンと思われるしゃがれた声が「Thank you!」と返してくる。なんか泣けますね。残念ながらこちらの音源はYouTubeに上がってませんが、トゥーサンとミッドナイト・ランブル・バンドの共演による「A Certain Girl」を見つけたのでそちらのリンクを貼っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=9zcfmhnG-cg
PAUL McCARTNEY / VENUS AND MARS
さて、70年代、件のザ・バンドのホーン・アレンジをきっかけに、ロック系アーティストがこぞってトゥーサンの元を訪れます。いわゆるトゥーサン詣で。ニューオーリンズのシーセイント・スタジオに訪れた最大の大物がポール・マッカートニーでした。とは言え、ポールはただスタジオを使って「VENUS AND MARS」を録音し、トゥーサンは挨拶程度に「Rock Show」でピアノを弾いただけ、といった印象ではありますけどね。とは言え、ポールがバンドメンバーと共にニューオーリンズにやって来て、シーセイント・スタジオでトゥーサンと交わった、その記録がこの曲な訳で、この1曲しかないからこそ、逆に想像力を刺激されてしまうのです。
https://www.youtube.com/watch?v=qPDHE1xcNFk
VA / GOIN' HOME
2007年にリリースされたファッツ・ドミノのトリビュート作。ここでトゥーサンはファッツの「I Want to Walk You Home」を弾いています。歌うはポール・マッカートニー。ポールにとってファッツは少年時代のアイドルの一人だったでしょうし、おそらくトゥーサンはその当時デイヴ・バーソロミュー楽団の一員としてファッツのバックも務めたりしていたはず。そんな両者がファッツの曲で共演する。なんか良いですね。トゥーサンらしいピアノのイントロから、まるでファッツになりきったようなポールの歌声が聞こえた瞬間、思わずニヤけてしまいます。
VA / ART OF McCARTNEY
最後もポール・マッカートニー関連。こちらは昨年リリースされたポール・マッカートニー・トリビュート・アルバム。ボブ・ディラン、ビリー・ジョエル、ウィーリー・ネルソン、B.B. キング、スモーキー・ロビンソン、さらにはジェミー・カラム、コリーヌ・ベイリー・レイ、アウル・シティなどなど、超豪華アーティストが参加しています。ここでアラン・トゥーサンは「Lady Madonna」を披露。これが良いんですよ!ブライアン・レイ(b)、エイブ・ラボリエル・Jr.(ds)、ラスティ・アンダーソン(g)などポールのバンド・メンバーをバックにピアノを弾き歌うトゥーサン。元々、この曲はファッツ・ドミノをイメージして作られたと言われ、ファッツのカヴァーも存在していたり。そんなトゥーサンにはもってこいの曲であり、ファッツ~ポール~トゥーサンのトライアングルはここでも鉄板!
https://www.youtube.com/watch?v=kC93Q0T8TvY
いかがでしたか?アラン・トゥーサンのピアノは、そのタッチやフレージングですぐに、あ!トゥーサンだ!と分かってしまうような、”トゥーサンの音”を持っていますよね。その音色が本当に素晴らしい!!しかもこのようなセッションでは、そんな魅力を存分に発揮しつつ、それぞれの楽曲に溶け込むような演奏をしている。それがまた味わい深い!まるでトゥーサンのピアノが入るだけで、何か魔法にかかったような、そんな印象さえ与えてくれます。
よかったらこちらもご一緒に!!
15.11.14 MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S WORK
15.11.12 MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S SONG 70年代編
15.11.12 MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S SONG 60年代編
「私の好きなアラン・トゥーサン」企画、第4弾。トゥーサンのセッション及びゲスト参加曲特集です。今回はニューオーリンズ物以外に焦点を当ててみました。どうぞ!!
VA / RHYTHM COUNTRY AND BLUES
ドン・ウォズのプロデュースにより、R&Bとカントリーを融合させた、94年の名作アルバム。ヴィンス・ギルとグラディス・ナイトのデュエットによる「Ain't Nothing Like The Real Thing」に始まり、アル・グリーン&ライル・ラヴェット、サム・ムーア&コンウェイ・トィッティ、ナタリー・コール&リーヴァ・マッキンタイア、アーロン・ネヴィル&トリーシャ・イヤウッド、そしてジョージ・ジョーンズ&BBキングなどなど、大物勢揃いの極上アルバム。その中でアラン・トゥーサンは、かのチェット・アトキンスと「Southern Night」を披露。これがまらいい塩梅なんですよ!
https://www.youtube.com/watch?v=9ymiIJsoKO0
CYNDI LAUPER / MEMPHIS BLUES
シンディー・ローパーが、ハイやスタックスで活躍してきた腕利き達と共にメンフィスで録音したブルース・アルバム。2010年作。豪華ゲストの参加もあって大変話題になったアルバムですね。アラン・トゥーサンは3曲に参加。ローウェル・フルソンやメンフィス・スリムを弾くトゥーサンも良いですが、注目はルイ・ジョーダンの「Early In The Mornin'」。この曲にはトゥーサンだけではなく、やはり今年亡くなられた大御所B.B.キングもゲスト参加しているんです。って言いますか、トゥーサンはシンディとBBの共演に華を添える感じではありますが、なんだかトゥーサンとBBの共演に胸が熱くなります。そしてシンディはトゥーサンを伴いLettermanでこの曲を披露しているんです。残念ながらそこにBBは居ませんが、それ故にトゥーサンがフィーチャーされていて、なかなか面白いセッションになっています。シンディの暴れっぷりも見事!
https://www.youtube.com/watch?v=7WEcBngVfiE
OZ NOY / TWISTED BLUES VOLUME 1
イスラエル出身の鬼才ギタリスト、OZ-NOYによる彼流ブルース・アルバム。2011年の作品。ジョン・メデスキ、ウィル・リー、ヴィニー・カリウタ、リーズ・ワイナンスなど猛者達が参加する中、アラン・トゥーサンは「Oh Really?」でピアノを弾いています。ニューオーリンズ・ファンクをプログレッシヴに料理したような曲ですが、トゥーサンのピアノソロもなかなか痛快!そしてこのアルバムのリリース・ライヴの模様がいくつかYouTubeに上がっているんですが、トゥーサンをゲストに招いたそのステージがまたスリリング!!下の動画はそんな中から「Cissy Strut」のライヴ。(案外、トゥーサンがこの曲を弾いてること自体珍しいかも?)
https://www.youtube.com/watch?v=Z7vpWpbBFBw
JOHN FOGERTY / WROTE A SONG FOR EVERYONE
CCRのジョン・フォガティが、フー・ファイターズ、キース・アーバン、ミランダ・ランバート、ザック・ブラウン・バンド、マイ・モーニング・ジャケット、アラン・ジャクソンなど、多彩なゲストを招いた2013年のソロ・アルバム。トゥーサンはジェニファ・ハドソンと共に「Proud Mary」に参加。アイク&ティナ・ターナーのカヴァーでも知られるあの超有名曲。バックはトゥーサンのバンドにザディコやケイジャンのミュージシャン、さらにリバース・ブラス・バンドも加わったお祭りバンド。悪い訳がありません!
https://www.youtube.com/watch?v=RuY6VcQE8ew
VA / I BELIENE TO MY SOUL
アン・ピープルズ、ビリー・プレストン、メイヴィス・ステイプルス、アーマ・トーマス、そしてアラントゥーサンという絶妙の顔合わせを1枚に纏めた、ジョー・ヘンリーのプロデュースによる06年の名作。トゥーサンは自身の作品を歌うだけでなく、ピアニストとしてバックバンドにも名を連ね、ホーン・アレンジも務めるという、おそらくジョー・ヘンリーにとっても頼れるブレーン的存在だたのでは?と想像せずにはいられません。この後の2人の関わりの深さからも、この作品における実りの多さが伺われますね。そこかしこに響くトゥーサンらしい優しいタッチのピアノの音色が素晴らしい! このアルバム、そして同年にリリースされたトゥーサン&エルヴィス・コステロの共演作「THE RIVER IN REVERSE」という2作のジョー・ヘンリー・プロデュース作が、トゥーサンの長い音楽活動において、新たな扉を開けたこように思えます。
MADELEINE PEYROUX / STANDING ON THE ROOFTOP
マデリン・ペルー、2011年の5作目。プロデュースはクレイグ・ストリート。ジョー・ヘンリーの師匠格に当たる方ですね。トゥーサンはマーク・リボー(g)、ミシェル・ンデゲオチェロ(b)、 チャーリー・ドレイトン(ds)等と共にピアノでクレジットされていますが、全体的にピアノの音はさほど聞こえてきませんし、鍵盤奏者もトゥーサン一人ではありません。ですが唯一ピアノがフィーチャーされている「The Party Oughta Be Comin' Soon」での、エレガントでありながら退廃的な雰囲気を醸すその音色はトゥーサンで間違いないでしょう。ニューオーリンズ的という以上に、トゥーサン独特の音色や空気感を楽曲に生かす手法はジョー・ヘンリーと共通していますね。
https://www.youtube.com/watch?v=mokG2Oz-MUM
ELVIS COSTELLO / SPIKE
そしてジョー・ヘンリーと並んで晩年のトゥーサンを語るには避けて通れないエルヴィス・コステロ。もちろんそれは06年の「THE RIVER IN REVERSE」を差す訳ですが、二人の共演はそれが最初ではありませんでした。84年にリリースされたヨーコ・オノのトリビュート作「EVERY MAN HAS A WOMAN」において、エルヴヴィス・コステロが取り上げた「Walking On Thin Ice」をトゥーサンがプロデュースしたのが2人の邂逅の始まりだったとか。そして本格的な共演と言えばコステロの89年作「SPIKE」収録の「Deep Dark Truthful Mirror 」。このアルバムは一部ニューオーリンズで録音されていまして、ダーティ・ダズン・ブラス・バンドの面々と共にトゥーサンも「Deep Dark Truthful Mirror」でピアノを弾いています。これはホント名曲!!コステロの歌とトゥーサンのピアノの絡みはホント泣けます。枯れたDDBBのブラスがまた良い。
https://www.youtube.com/watch?v=ZqJHh0IEhZg
THE LEVON HELM BAND / THE MIDNIGHT RAMBLE SESSIONS
70年代にトゥーサンがザ・バンドのホーン・アレンジを務めたことはよく知られますが、こちらはそのザ・バンドの中心人物、リヴォン・ヘルムが晩年にウッドストックの自宅スタジオにて繰り広げたライヴ「MIDNIGHT RAMBLE」から選りすぐりの名演を集めた作品。トゥーサンは2007年1月1日録音の「A Certain Girl」でフィーチャーされています。ギターでサポートするのはエルヴィス・コステロ。和気あいあいとした楽しい雰囲気が最高!終盤のピアノソロも素晴らしい! 最後にトゥーサンが「Thank you Levon!」と声をかけると、おそらくレヴォンと思われるしゃがれた声が「Thank you!」と返してくる。なんか泣けますね。残念ながらこちらの音源はYouTubeに上がってませんが、トゥーサンとミッドナイト・ランブル・バンドの共演による「A Certain Girl」を見つけたのでそちらのリンクを貼っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=9zcfmhnG-cg
PAUL McCARTNEY / VENUS AND MARS
さて、70年代、件のザ・バンドのホーン・アレンジをきっかけに、ロック系アーティストがこぞってトゥーサンの元を訪れます。いわゆるトゥーサン詣で。ニューオーリンズのシーセイント・スタジオに訪れた最大の大物がポール・マッカートニーでした。とは言え、ポールはただスタジオを使って「VENUS AND MARS」を録音し、トゥーサンは挨拶程度に「Rock Show」でピアノを弾いただけ、といった印象ではありますけどね。とは言え、ポールがバンドメンバーと共にニューオーリンズにやって来て、シーセイント・スタジオでトゥーサンと交わった、その記録がこの曲な訳で、この1曲しかないからこそ、逆に想像力を刺激されてしまうのです。
https://www.youtube.com/watch?v=qPDHE1xcNFk
VA / GOIN' HOME
2007年にリリースされたファッツ・ドミノのトリビュート作。ここでトゥーサンはファッツの「I Want to Walk You Home」を弾いています。歌うはポール・マッカートニー。ポールにとってファッツは少年時代のアイドルの一人だったでしょうし、おそらくトゥーサンはその当時デイヴ・バーソロミュー楽団の一員としてファッツのバックも務めたりしていたはず。そんな両者がファッツの曲で共演する。なんか良いですね。トゥーサンらしいピアノのイントロから、まるでファッツになりきったようなポールの歌声が聞こえた瞬間、思わずニヤけてしまいます。
VA / ART OF McCARTNEY
最後もポール・マッカートニー関連。こちらは昨年リリースされたポール・マッカートニー・トリビュート・アルバム。ボブ・ディラン、ビリー・ジョエル、ウィーリー・ネルソン、B.B. キング、スモーキー・ロビンソン、さらにはジェミー・カラム、コリーヌ・ベイリー・レイ、アウル・シティなどなど、超豪華アーティストが参加しています。ここでアラン・トゥーサンは「Lady Madonna」を披露。これが良いんですよ!ブライアン・レイ(b)、エイブ・ラボリエル・Jr.(ds)、ラスティ・アンダーソン(g)などポールのバンド・メンバーをバックにピアノを弾き歌うトゥーサン。元々、この曲はファッツ・ドミノをイメージして作られたと言われ、ファッツのカヴァーも存在していたり。そんなトゥーサンにはもってこいの曲であり、ファッツ~ポール~トゥーサンのトライアングルはここでも鉄板!
https://www.youtube.com/watch?v=kC93Q0T8TvY
いかがでしたか?アラン・トゥーサンのピアノは、そのタッチやフレージングですぐに、あ!トゥーサンだ!と分かってしまうような、”トゥーサンの音”を持っていますよね。その音色が本当に素晴らしい!!しかもこのようなセッションでは、そんな魅力を存分に発揮しつつ、それぞれの楽曲に溶け込むような演奏をしている。それがまた味わい深い!まるでトゥーサンのピアノが入るだけで、何か魔法にかかったような、そんな印象さえ与えてくれます。
よかったらこちらもご一緒に!!
15.11.14 MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S WORK
15.11.12 MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S SONG 70年代編
15.11.12 MY BEST ALLEN TOUSSAINT'S SONG 60年代編