ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

LIVE MAGIC! 予習:ジョン・クリアリー

2014-10-21 23:08:01 | ニューオーリンズ
今週末開催される『Peter Barakan's LIVE MAGIC!』、その看板アーティストの一人ジョン・クリアリー。初日の土曜日にはジョン・クリアリー&ザ・アブソリュート・モンスター・ジェントルメンというバンド名義でトリを務め、日曜日にはソロで出演するという、両日に渡って違った魅力を体験させてくれそうなイギリス生まれのニューオーリンズ・ピアニスト。という訳で、前回の「LIVE MAGIC! 予習」に引き続き、今回は外伝的にジョン・クリアリーを取り上げてみたいと思います。



JON CLEARY / ALLIGATOR LIPS AND DIRTY RICE
ジョン・クリアリーのデビュー・アルバム「ALLIGATOR LIPS AND DIRTY RICE」。94年の作品。イギリス生まれで17歳の時に渡米したというジョン・クリアリー。1962年生まれですから、32歳ぐらいの作品ですね。デビュー作としては決して若くはないかもしれませんが、それ故に、彼らしいソウル・フィーリングは既に確立されてる感じですね。もちろん、その後にライヴ盤「MO HIPPA」で再演される自作曲「C'mon Second Line」など、ニューオーリンズ・フレイヴァー満載。ベースにはジョージ・ポーター・ジュニアも参加。



TAJI MAHAL / PHANTOM BLUES
ソロ作をリリースしていたとは言え、90年代のジョン・クリアリーは、まだまだ知る人ぞ知る存在だったんだと思います。セッション・プレイヤーとして徐々に名が浸透してくるなかで、飛躍のきっかけは、やはりタジ・マハールの作品だったのでしょうか。写真は96年の「PHANTOM BLUES」。ジョン・クリアリーはリズム・セクションの一員として全面的に参加するばかりでなく、2曲の楽曲提供も行っています。ピアノを中心に、時にウーリッツァー、クラビネット、ギターと、多彩なプレイでタジ独特のルーツ指向なブルースを彩っています。ジェシー・ヒルやファッツ・ドミノのカヴァーも有り。タジはジョンを含むほぼ同じ布陣で次作「SENOR BLUES」も製作しています。



BONNIE RAITT / SILVER LINING
ジョン・クリアリーと言えば、ボニー・レイットのバックを務めていたことも有名ですね。こちらはボニー・レイットの02年作「SILVER LINING」。ジョン・クリアリーはリッキー・ファター(ds)、ジェイムス“ハッチ”ハッチンソン(b)と共にパーソナル・メンバーとしてクレジットされています。しかもジョン・クリアリー作のニューオーリンズ・ファンク曲「Fool's Game」が1曲目を飾り、もう1曲のジョン・クリアリー作「Monkey Business」ではボニー・レイットとデュエットをしていたりと、なかなかの活躍ぶり。ジョン・クリアリーはボニーの次作「SOULS ALIKE」にも参加していますし、ノラ・ジョーンズやベン・ハーパーなど豪華ゲストを招いた06年のライヴDVD作品「BONNIE RAITT & FRIENDS」でも良い仕事していますので、そちらもお薦めです。



JON CLEARY AND THE ABSOLUTE MONSTER GENTLEMEN / JON CLEARY AND THE ABSOLUTE MONSTER GENTLEMEN
WIKIによりますと、ジョン・クリアリー&ザ・アブソリュート・モンスター・ジェントルメンが結成されたのは1992年だそう。つまりジョンが1stソロ作を制作した頃には既にバンドで活動していたことになりますが、そのバンド名義でアルバムがリリースされたのは、02年のこちらが初めてでした。ちなみに95年の時点で山岸潤史さんが「今ニューオーリンズで一番ホットなのは、ジョン・クリアリーのバンド!」と発言していたそうですから、まさに満を持してという感じ。してそのバンド・メンバーとはもちろん、ジョン・クリアリー(p,vo)、ダーウィン"Big D" パーキンス(g)、コーネル・ウィリアムズ(b)、ジェフリー“ジェリービーン”アレクサンダー(ds)。オリジナル曲を中心に、ミーターズのカヴァーも交えながら、必ずしもニューオーリンズに捕われない、彼らならではのファンクネスを聴かせてくれます。ジョン・クリアリーらしいお洒落なセンスと言いますか、都会的なクールネスはこの頃から際立ってますね。



JOHN SCOFIELD / PIETY STREET
ジャズ/フュージョン界のレジェンド級ギタリストではありますが、MM&Wと共演するなどジャム・バンド・シーンに接近したり、アーロン・ネヴィルやドクター・ジョンを招いてレイ・チャールズのトリビュート作を作ったりと、興味深い製作活動を続けてきたジョン・スコフィールドが、ニューオーリンズ色の強いバンドを結成した09年作「PIETY STREET」。主要メンバーはジョージ・ポーター・ジュニア(b)、リッキー・ファター(ds)、そしてジョン・クリアリー(p,vo)。ゲスト的な扱いでシャノン・パウエルやジョン・ブッテも参加しています。ジョン・ブッテの歌唱が素晴らしいのは自明のことですが、ジョン・クリアリーも鍵盤はもちろん、リード・シンガーとしてもブッテ以上に存在感を発揮してるんです。また、ここにボ二ー・レイット時代の同僚リッキー・ファター(ds)が含まれている辺りにもこのプロジェクトにおけるジョン・クリアリーの役割の重みが感じられますね。ゴスペル曲を多く取り上げているためか、ジョン・クリアリーがオルガンを多く弾いているところにも注目です。ちなみにこの作品がリリースされた09年、ジョン・スコフィールドはジョン・クリアリーを伴い、ジョン・スコフィールド AND THE PIETY STREET BANDとして東京JAZZに出演しました。



SNOOKS EAGLIN / THE WAY IT IS
ここで紹介した以外にも、B.B.キング、マリア・マルダー、エリック・バードン、ケブ・モ、アナ・ポポヴィッチなどなど、数々のアーティストへ客演しているジョン・クリアリーですが、もちろん彼のお膝元ニューオーリンズでも引く手数多な活躍ぶりなのは言わずもがな。中でも個人的に印象的なのは、かの地が生んだ愛すべき個性派ギタリスト、スヌークス・イーグリンの「THE WAY IT IS」です。2000年の録音でジョン・クリアリーは全14曲中7曲に参加。しかも彼はアソシエイト・プロデューサーとしてもクレジットされています。さらにジョンが参加した曲には、ビッグ・D、コーネル・ウィリアムズ、ジェリービーンも参加したりしていて、まるでスヌークス・イーグリンのバックをジョン・クリアリー&ザ・アブソリュート・モンスター・ジェントルメンが付けてるような編成になっていたりと、なかなかそそられます。スヌークスにとってはこれがラスト・アルバムになってしまいましたが、最後に新進気鋭のニューオーリンズ・グループと繰り広げた、心温まるファンキー・ソウル。



JON CLEARY / OCCAPELLA!
そして、ジョン・クリアリーにとって現在のところ最新作となるソロ名義作「OCCAPELLA!」。2012年の作品。一人多重録音を中心に制作されたアラン・トゥーサンのソング集なんですが、彼のマルチ・プレイヤー振りもさることながら、トゥーサン楽曲のジョン・クリアリー流の解釈と言いますか、新鮮味を持たせつつ楽曲を良さを際立たせるようなアレンジ・センスは流石としか言いようがありません。アブソリュート・モンスター・ジェントルメンも意外な形で一部参加していますし、ドクター・ジョン&ボニー・レイットといったゲスト起用など、スパイスの効かせ方も秀逸。これまでライヴ主体なイメージの強かったジョン・クリアリーが魅せた、技ありの一枚。




さて、目前に迫った「LIVE MAGIC!」、ジョン・クリアリーはどんな音楽マジックを見せてくれるのか? 楽しみですね!

『Peter Barakan's LIVE MAGIC!』オフィシャルサイト→http://livemagic.jp






~関連過去ブログ~

 14.10.19 Peter Barakan's LIVE MAGIC! 予習



ONE TIME BRASS BAND @ 荻窪GUNBA

2014-10-15 18:17:37 | ニューオーリンズ
10月10日、荻窪GUNBAにて、ONE TIME BRASS BANDを観てまいりました。ハチャトゥリアン楽団などでも活躍するドラマー、三輪朋彦さん率いるニューオーリンズ・ブラス・バンド。今回は昨年12月にニューオーリンズに渡ったトロンボーン奏者、菊池ハルカさんの一時帰国を祝した凱旋ライヴでした。

その菊池さんを含め、トロンボーン×2、トランペット×2、テナー・サックス、バリトン・サックス、スーザホン、バスドラム、スネアドラム、エレキ・ギターという総勢10名の大所帯。狭いステージにずらりと並んだホーン隊の偉容からして既に圧巻でしたが、そこから繰り出されるギラギラとした音色によるブラス・サウンドの大迫力たるや!小さなライヴハウスで体験するニューオーリンズ・ブラス・バンド、半端ありませんね。かの地ならではの愛すべきメロディーが濃密に絡み合いながらまるで洪水のように押し寄せてくる興奮。そしてバウンスしまくるベースラインとセカンドライン・ビート! バスドラの三輪さんとコンビを組むスネアドラムはブラック・ボトム・ブラス・バンドのアントンさんですからね!

ルイ・アームストロングで知られる「Mahogany Hall Stomp」や、「St. James Infirmary」、ゴスペルの「This Little Light of Mine」など、古き良きニューオーリンズの息吹をたっぷりに、ストゥージス・ブラス・バンドやホット8・ブラス・バンドなど現行ニューオーリンズ・ブラス・バンドの“粋”も感じさせつつ、ソウルやR&Bのカヴァーが彩る選曲も見事でした。特に印象的だったのは、まず「Amazing Grace」ですね。超有名なあの曲ですが、アレンジも演奏もホント素晴らしかった! 静かなギター・ソロから始まり、それを菊池さんの渋~いトロンボーン・ソロが引き継いでゆく。そしてゆっくりとバンドが加わってくるのですが、これが厳かな葬送曲のような雰囲気で、徐々に徐々に高揚感を増していく感じがとても感動的でした。途中でもう一度ギター・ソロが入るんですが、これがまたブルージーで素晴らしかったですね。こういうブラス・バンドにギタリストが入る編成って結構珍しいと思うのですが、そこが凄く良かったです!ちなみにこのギタリストさん、井上大地さんという方で、失礼ながら私はよく存じ上げていなかったのですが…、きっとこの界隈では有名な方なんでしょうね。いいギター、弾いてましたよ~。

そしてもう1曲、「Just The Two Of Us」。グローヴァー・ワシントン・ ジュニア(ビル・ウィザース)の名曲ですが、リバース・ブラス・バンドもやってる人気曲。この日はお客さんとしてハチャトゥリアン楽団のバンジョー奏者、丸山朝光さんが会場にいらしていたのですが、この曲でステージに呼ばれ、日本人離れした黒い歌声を披露してくれました。ハチャトゥリアン楽団などでバンジョーを弾きながら古いジャズを渋い喉で歌う丸山さんも素敵ですが、こういったソウルナンバーも格好良い!!井上大地さんとのスキャット・バトルのような展開もあったりで盛り上げてくれました。あとカヴァーと言えば驚いたのがファレル・ウィリアムスの「Happy」。まさかブラス・バンドで「Happy」が聴けるとは!この意外性と即効性は見事でしたね。


休憩を挟んでおよそ2時間。各プレイヤーのソロや掛け合い、アンサンブル、それらが目まぐるしく、ニューオーリンズならではの躍動感で繰り広げられる充実の2時間でした。終盤は観客総立ちで踊りながら楽しみましたしね。あと曲間のおしゃべりも楽しかったですし、菊池さんのニューオーリンズ話も沢山聴けました。もちろん彼女のニューオーリンズ・フレイバーたっぷりのトロンボーンも存分に堪能いたしました。いや~、ホント、良いライヴでした!!


この日のセットリストはこんな感じだったでしょうか?

01. Mahogany Hall Stomp
02. Can't Be Faded
03. Amazing Grace
04. This Little Light of Mine
05. St. James Infirmary
06. Happy
---------休憩---------------------
07. Sexual Healing
08. Just The Two Of Us
09. Stand by Me
10. BBQ Blues
11. Ooh Nah Nay
12. We Got That Fire
-------アンコール-------------------
13. Everybody Needs Somebody To Love ~ Do Watcha Wanna

10曲目はトロンボーンの山田翔一さんを中心に作曲されたというオリジナル曲。タイトルはたしかこう聞こえたのですが、間違っていましたらごめんなさい。
バンドのテーマ曲のように格好良かった本編ラストの12曲目は「We Got That Fire」ならぬ「One Time Got That Fire」でしょうか?こちらも間違ってましたらごめんなさい。









ONE TIME BRASS BANDのオフィシャル・サイト↓
http://onetimebrassband.wix.com/otbb#!the-band/cjg9


菊池ハルカさんのブログ「haroblog」↓
http://haroblog.jugem.jp/
今回の一時帰国のレポはもちろん、ニューオーリンズでバンドを掛け持ちする活発な音楽活動や、かの地の生き生きとした日常が、美しい写真と共に綴られています。音楽や書籍では分らないニューオーリンズの空気がたっぷり詰まっている素晴らしいブログです。カーミット・ラフィンズなど有名人も登場します。


リトル・マルディグラ2014のオフィシャル・サイト↓
http://www.little-mardigras.com/
数年前、菊池ハルカさんのツイートから始まり、その彼女の情熱が実を結んだ松江市のマルディグラ。思えば、私が菊池さんのことを知ったのも、彼女の「日本でマルディグラをやりたい!」旨のツイートからでした。しかも実際に開催を実現させた訳ですから、彼女のバイタリティはホント素晴らしいです。その松江市のリトル・マルディグラ、今年も10月5日に開催され、菊池さんもハチャトゥリアン楽団で参加されたそうです。私はなかなか島根までは行けませんが、こういうイベントが続けられていること自体が嬉しいですし、凄く大切なことだと思います。ちなみに松江市は日本で唯一のニューオーリンズの姉妹都市だそうです。




コジモ・マタッサ、安らかに

2014-09-13 06:43:42 | ニューオーリンズ
VA / Cracking The Cosimo Code ~ 60s New Orleans R&B & Soul

ニューオーリンズでスタジオを経営し自らエンジニアを務め、ニューオーリンズR&Bの隆盛に深く寄与したコジモ・マタッサが、9月11日、88歳で亡くなられたそうです。

昨年、「THE COSIMO MATASSA STORY」の第2集がリリースされ、第1集同様にニューオーリンズR&Bの歴史そのものといった濃密な内容が話題になっていましたし、さらについ先日、英ACEから60年代におけるコジモ・スタジオ録音曲のコンピ「Cracking The Cosimo Code ~ 60s New Orleans R&B & Soul 」(写真)がリリースされたばかりですから、いよいよコジモ・マタッサの功績が本格的に見直される時分になったのか?なんて喜ばしく思っていた矢先の訃報に、驚きつつ残念でなりません。

コジモ・マタッサがニューオーリンズのランパート・ストリートにJ&Mスタジオを開設したのは1945年、彼がまだ18歳の時だったそうです。50年代になるとロイド・プライス「Lawdy Miss Clawdy」、ギター・スリム「The Things That I Used To Do」、プロフェッサー・ロングヘア「Tipitina」、シュガーボーイ・クロフォード「Jock-o-Mo」、スマイリー・ルイス「Blue Monday」、アート・ネヴィル(ホウケッツ)「Mardi Gras Mambo」などなど、数々のニューオーリンズ・クラシックがここで録音されました。

そして特筆すべきは多くのレコーディングでデイヴ・バーソロミュー楽団の腕利き達がバックを務めていたこと。すなわちジャスティン・アダムス(g)、アーネスト・マクリーン(g)、フランク・フィールズ(b)、リー・アレン(ts)、レッド・テイラー(ts,bar)、そしてアール・パーマ(ds)などなど。もちろん楽曲によって様々なミュージシャンが入れ替わり立ち代わりだったことでしょうが、彼らがこのスタジオで育んだグルーヴこそがニューオーリンズR&Bの屋台骨となったのです。

1956年に、フレンチ・クォーター内への移転をきっかけに名をコジモ・スタジオと改めた後も、ヒューイ・スミス、アール・キング、エディ・ボー、アラン・トゥーサン、ジェシー・ヒル、アーロン・ネヴィル、アーマ・トーマスなどなど、名だたる名シンガー達がここで録音し、スターとなっていきました。

そしてもう一人、忘れてならないのがリトル・リチャード。もちろんニューオーリンズのアーティストではありませんが、おそらくロイド・プライスとレーベル・メイトだった縁でしょうか?彼もコジモ・マタッサのスタジオを訪れます。そしてJ&Mスタジオでは「Tutti Frutti」を、コジモ・スタジオでは「Long Tall Sally」、「Rip It Up」、「The Girl Can't Help It」、「Lucille」、「Good Golly, Miss Molly」など、彼の代表曲の数々を録音しています。またバックを務めたアール・パーマーの強烈なバック・ビートは、まさに元祖ロックン・ロール・ビート!!

ニューオーリンズR&Bだけではなく、ロックン・ロールそのものにも計り知れない貢献をしたコジモ・マタッサと彼のスタジオ、まさに伝説です。


コジモ・マタッサさん、安らかに。



THE COSIMO MATASSA STORY VOLUME 1
1950 年から移転後の1956年まで収録の4枚組。デイヴ・バーソロミュー、ファッツ・ドミノ、スマイリー・ルイス、ロイド・プライス、プロフェッサー・ロングヘア、ヒューイ・スミス、アール・キング、そしてリトル・リチャードなどを収録。バックの演奏も最高です!



THE COSIMO MATASSA STORY VOLUME 2
こちらは1955年から1961年まで。第1集とはメンバーも変わってきまして、いよいよアラン・トゥーサンが登場します。もちろんこちらも4枚組の大ヴォリューム。第1集同様、各曲のバック・メンバーまで明記されたブック・レットは資料としても重宝します。



トップの写真は、上記の2組とは別シリーズのもので、英ACEからつい先日リリースされた、60年代のコジモ・スタジオ録音を集めた作品「Cracking The Cosimo Code 60s New Orleans R&B & Soul」。流石は英ACEな選曲!!写真の多いカラーのブックレットもなかなか充実。日本盤出して欲しいです。

ドナルド・ハリソン・クインテット@コットンクラブ

2014-08-30 23:52:27 | ニューオーリンズ
8月27日、丸の内のコットンクラブにて、ニューオーリンズを代表するアルト・サック奏者の一人、ドナルド・ハリソンのライヴを観てまいりました。私が観たのはこの日の2ndステージ。

ほぼ開演予定時刻に場内が暗転し、メンバーが拍手で迎えられながらステージに登場。ドナルド・ハリソンを中心に、全員ニューオーリンズ出身者で揃えたクインテットのメンバーは、ステージ向かって左からConun Pappas, Jr. (p)、Max Moran (b)、Joe Dyson (ds)、Detroit Brooks (g)、という布陣。このうちConun Pappas, Jr. 、Max Moran、Joe Dysonの3人はTHE BRIDGE TRIOというジャズ・トリオでも活躍するまだ20代の若手達。そしてDetroit Brooksは、80年代以降、エディー・ボ、カーミット・ラフィンズ、ドクター・マイケル・ホワイト、そしてドナルド・ハリソンなどのアルバムに参加してきたベテラン・ギタリスト。私は丁度、Detroit Brooksの目の前かぶりつきで堪能させていただきました。

1曲目はドナルド・ハリソンのオリジナル「Free To Be」。ジェイムス・ブラウンの「Cold Sweat」を思わせるベース・ラインがグルーヴィーに引っ張っていくジャズ・ファンク。暖かく柔らかな音色で吹きまくるドナルド・ハリソンのアルト・サックスに痺れまくりでした。終盤のドラム・ソロも格好良かった!

2曲目からはジャズの名曲が続きます。まずはアート・ブレイキーの「One By One」。元々ドナルド・ハリソンはアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに参加して頭角を現した人ですからね。まずは挨拶代わりに師匠ゆかりの曲をといった感じでしょうか。

そして「When The Saints Go Marching In」。ニューオーリンズ・ルーツな曲もやってくれるだろうと思ってはいましたが、まさかスタンダード中のスタンダード「聖者の行進」を持ってくるとは意外でした。ですがかえって100%ニューオーリンズのメンバーが演奏する「聖者の行進」って日本で聴ける機会は少なかったりするので、ホント至福の瞬間でしたね。ヴォーカルはドナルド・ハリソンとDetroit Brooksが分け合って、観客の手拍子も入り、楽しい雰囲気でした。跳ねるスネア、転がるピアノ、軽やかに舞うアルト・サックス、やっぱりニューオーリンズって良いですね!そしてギター・ソロが渋かった!!

デューク・エリントンの「Take The A Train」、チャーリー・パーカーで知られる「Cherokee」と続き、現行ニューオーリンズ・ジャズ・シーンの旗手によるジャズ・スタンダードに酔いしれました。特に「Cherokee」での疾走するようなスウィング感は圧巻でしたね~。

やはりアルトを吹くドナルド・ハリソンの存在感は格別でしたが、MCやメンバー紹介で日本語を交えながら、ちょいちょいギャグを挟んだりして、ジャズ・ライヴという若干の緊張感に包まれた雰囲気を、いい感じに和ませてくれていたのも印象的でした。

さて、ステージも終盤、「Iko Iko」が始まるといよいよニューオーリンズの空気が濃厚となってまいります。誰もが知っているニューオーリンズ・クラシックですが、その根っこにはマルディグラ・インディアンのチャントがあります。実はドナルド・ハリソンはマルディグラ・インディアンの家系出身で、インディアン・ソング縁のアルバムも出したりしている人なんです。なので単なるスタンダードではなく、彼のルーツを感じさせる選曲は嬉しいですよね~。もちろん会場も盛り上がりました。

そして本編ラストはまさかの「Hey Pocky A-Way」。もちろんミーターズのあの曲。これもマルディグラ・インディアンのチャントから出来た曲ですよね。いや~、これはファンキーでしたよ!これまでアップライト・ベースを弾いていたMax Moranもエレキ・ベースに持ち替え、うねるようなインディアン・グルーヴを演出してましたし。私もこれまで色々な「Hey Pocky A-Way」を聴いてきましたが、これは相当格好良い「Hey Pocky A-Way」でした!ドナルド・ハリソンのヴォーカルも良かった!

ステージの端っこにこれまで誰もそれを使うそぶりを見せなかったコンガが用意されていたのですが、最後の最後で、まさかのドナルド・ハリソン自身がコンガ・ソロを披露してくれました。手をクロスさせたり、肘を絡めたり、ドラムスとの掛け合いになったりと、なかなか見せてくれました。そしてそのままJoe Dysonのドラム・ソロへ。途中、ドナルド・ハリソンが何やらJoe Dysonに指示を出したりと、ほとんど教師が生徒に試練を与えてるような雰囲気だったりもしましたが、見応えのあるドラムソロでした。そう言えばドナルドはドラムスの彼のことを“ベイビー”と呼んで可愛がっているようでしたね。実は、このJoe DysonをはじめTHE BRIDGE TRIOの3人は元々ドナルド・ハリソンの教え子だったとか、そんなことをMCで話していたように聞こえました。(違ってたらごめんなさい。なにぶん私、英語が苦手なもので…)。

ドラム・ソロから再び「Hey Pocky A-Way」に戻りステージは終了。もちろん拍手喝采が鳴り止まない。そのままアンコールへ突入しての「Soul To Soul」。07年のアルバム「3D」収録曲ですが、アダルトでムーディだったそれより、断然ファンキーでソウルフル!やっぱりライヴは良いですね!最後は観客達のスタンディングオベーションによる熱い拍手に包まれて終了。

見る前は、いかにもジャズなマニアックな選曲なのかな?なんてちょっぴり不安も有りましたが、蓋を開けてみれば、私のようなジャズ初級者にも分かりやすい選曲でしたし、ニューオーリンズ色も濃く、ファンキー且つソウルフルな演奏に、あっという間のおよそ1時間20分でした。若手の瑞々しい感覚と、ベテランの手練手管、それらがお互いの信頼関係によって見事に纏められたかのような見事なステージでした!!


この日のセットリスト

01. Free To Be
02. One By One
03. When The Saints Go Marching In
04. Take The A Train
05. Cherokee
06. Iko Iko
07. Hey Pocky A-Way
-------------------------------
08. Soul to Soul



終演後はお楽しみのサイン会。私もいくつかサインを頂きました。


DONALD HARRISON JR. / INDIAN BLUES
こちらは91年録音のマルディグラ・インディアンとジャズが融合したドナルド・ハリソンらしい作品。ゲストにドクター・ジョンの他、ドナルド・ハリソンのお父さんも参加しています。(せっかく頂いたサインがビッグ・チーフの伝統的衣装と重なって見えにくいですが…。)



DONALD HARRISON, JR. AND THE TIPITINA'S INTERNS VOL. 1
こちらは会場で買ったCD。ティピティナス・インターンシップ・プログラムという音楽プログラムの生徒達(卒業生?)による作品でしょうか?ドナルド・ハリソンはこのプログラムの指揮をとっているんですかね?その辺りちょっと良く分からないのですが…。もちろんドナルド・ハリソン自身も演奏に参加していますし、プロデューサーも務めています。Max Moranがほとんどの曲でベースを弾き、Joe Dysonも1曲でドラムを叩いています。で、気になるのが多くの曲でドラムスを担当しているRaymond Weber Jr. という人物。おそらくジャケ写のドラマーさんその人だと思うのですが、かのレイモンド・ウェバーの息子さんですかね?どうなんでしょう?アルバムの内容はと言いますと、これがファンキーで格好良い!!ドナルド・ハリソン、そしてConun Pappas, Jr. 、Max Moran、Joe Dysonの若手3人集からサインを頂きました。

アーマ・トーマス、幻のコティリオン・アルバム

2014-06-06 22:00:03 | ニューオーリンズ
IRMA THOMAS / FULL TIME WOMAN: THE LOST COTILLION ALBUM

ニューオーリンズR&Bの女王、アーマ・トーマス。彼女が71年、72年にアトランティック傘下のコティリオンに残した録音集がリリースされました。全15曲中13曲が未発表曲という、ファン垂涎の音源集です。録音時期的にはスワンプ・ドッグとの「IN BETWEEN TEARS」の直後だと思われるのですが、この時期はアーマ・トーマスにとってもまだ30歳になったばかりという、シンガーとして充実した時期であるのに反し、商業的な成功はもちろん、真っ当なリリース自体にも恵まれなかった不遇の時代でもあります。今回、また一つ、彼女の埋もれた名唱が発掘されました。

01. Full Time Woman
02. All I Wanna Do is Save You
03. She's Taken My Part
04. Shadow of the Sun
05. Waiting For Someone
06. Fancy
07. Time After Time
08. Our Love Don't Come That Easy
09. Turn Around and Love You
10. Tell Me Again
11. Try To Be Thankful
12. It's Eleven O'Clock (Do You Know Where Your Love Is)
13. Could It Be Differently
14. Song with No Name (aka Song for Jim)
15. Adam and Eve


まず1曲目「Full Time Woman」から「She's Taken My Part」までの3曲は、71年11月12日にワーデル・ケゼルグのプロデュースにより、マラコ・スタジオで録音されたもの。この「Full Time Woman」と「She's Taken My Part」は当時シングルのAB面曲としてリリースされたそう。私も「Full Time Woman」はコンピ盤で聴いたことがあったものの、こうして当時の録音集として、しかもこの時期にマラコでアーマがケゼルグと邂逅した曲として聴くと、あらためてその魅力に唸らされますね。南部印のゆったりとしたカントリー・フレイバー溢れるメロディーを、雄大なブラック・フィーリングで歌うアーマ・トーマス、最高です。またこのシングルは、アーマをアトランティックに引っ張り込んだ張本人ジェリー・ウェクスラーが「自分史上最高の一枚」と賞したそうですが、それも頷ける出来映えですね。「She's Taken My Part」での軽やかなファンクネス、そしてスロー・ナンバー「All I Wanna Do is Save You」の包容力たっぷりのソウルネス、どちらも素晴らしい。

そして1972年5月3日、4日、デトロイトで録音されたのが、4曲目「Shadow of the Sun」から11曲目「Try To Be Thankful」までの8曲。ここからは全て未発表曲です。流麗なストリングスの下抑制の効いた歌声でスィートなソウル・フィーリングを醸す「Shadow Of The Sun」、土地柄かモータウン的な躍動感が印象的な「Waiting For Someone」、アーマの溌剌とした切れのある歌声が素晴らしい「Fancy」や「Our Love Don't Come That Easy」、後半のディープこの上ない黒いシャウトに痺れるスロー「Time After Time」、ワウ系?のエフェクトが効いたギターとストリングスがグルーヴィーに駆け抜け、アーマの瑞々しいフィーリングも素敵な「Turn Around And Love You」などなど。どれもこれも一級のソウル作品。

続く「It's Eleven O'Clock (Do You Know Where Your Love Is)」と「Could It Be Differently」は1972年7月26日、マイアミのクライテリア・スタジオでの録音。前者はダイアナ・ロス路線を狙ったのか?と一瞬思った程、アーマ・トーマスがソフトなスウィート・ヴォイスを披露していて驚かされます。コンガのリズムとか、ホーン隊やストリングスが醸す雰囲気にはニューソウルっぽい香りもあったり。このストリングスのアレンジにはアリフ・マーディンが関わっているとか。

そして最後はフィラデルフィア・ソウルの総本山シグマ・サウンド・スタジオで録られた2曲。録音は1972年9月12日。プロデュースはヤング・プロフェッショナルズ。アーマ・トーマスがフィリーで録音していたと言うのも驚きですね。

録音スタジオのハシゴや、楽曲のヴァリエーションにはレコード会社側の試行錯誤が感じられますが、それに歌い方を変えながらしっかりと対応するアーマ・トーマスの力量にはまったくもって唸らされるばかりです。アルバム1枚分の録音を終えながら、当時リリースが見送られお蔵入りとなってしまったのにはそれなりの理由があるのでしょう。ライナーに曰く、プロデューサー陣が「アーマにはもう『あれ』がない」と判断したたとか。『あれ』って何でしょうね?ちなみに英語原文では『it』でした。


あと少し気になることがあるのですが、それはこのデトロイトとマイアミ録音を仕切ったプロデューサーであるジョー・ヒントンのこと。ライナーには「「Funny How Time Slips Away」で知られる」とあるんですけど…。確かにウィリー・ネルソン作のこの名曲をヒットさせたジョー・ヒントンというR&Bシンガーはいるようです。ですがWikiによりますとその方、1968年に亡くなられてるんですよね。となると72年にプロデュースは出来ない訳で…。どういうことでしょうね? ちなみに、60年代末からモータウンで活躍したソングライターに同名のジョー・ヒントンという方がいらっしゃいますが、そちらですかね?なんて思ったり。デトロイト繋がりで。いや、それにしては彼作の曲が1曲も無いのはおかしいか…。謎です…。

BLITZ AND SQUASH BRASS BAND @ 肉フェス

2014-05-05 14:39:26 | ニューオーリンズ
5月4日、このゴールデンウィークに駒沢公園で開催中の「肉フェス」に行って参りました。“日本各地の名物肉料理!世界各国の肉料理が集合!!」という肉好きには堪らないイベントでしたが、私は別に肉が食べたかった訳ではありません。では何故そんなイベントに足を運んだかと申しますと、何故かそこで、関西が誇るニューオーリンズ・ブラス・バンド、BLITZ AND SQUASH BRASS BANDのライヴがあったからなんです。しかもニューオーリンズからトランぺッターのトラヴィス・ヒルをゲストに迎えて!

このトラヴィス・ヒルは、トロンボーン・ショーティと同世代の若手トランぺッター。10代の頃からショーティのバンドや、ニュー・バース・ブラス・バンド、リル・ラスカル・ブラス・バンド、ホット8ブラス・バンドなど数々のグループで活躍していたそうで、今後ニューオーリンズを代表するトランペット奏者の一人になるであろうことを期待されるアーティストです。

彼についてはOffbeat誌のサイトに興味深い記事を見つけました。これを読めばその才能に反して彼の名をこれまでほとんど耳にすることがなかった理由が分かるかも。(英語ですけどね…。)

ANDREWS FAMILY TRUMPETER TRAVIS HILL RETURNS TO THE STAGE
http://www.offbeat.com/2013/06/01/andrews-family-trumpeter-travis-hill-returns-stage/

ちなみにこの記事のタイトルにある「ANDREWS FAMILY」という文字と、トラヴィス・ヒルのヒル姓からピンとこられた方もいらっしゃるかと思いますが、そう、彼はあの「Ooh Poo Pah Doo」で知られる名シンガー、ジェシー・ヒルのお孫さんなんです。ジェイムス・アンドリュースやトロンボーン・ショーティ達とは従兄弟にあたります。そんな生まれながらにしてスターの資質を持ったトラヴィス・ヒルなのでありました。


さて、ステージはリハーサルから盛り上がりました。楽器ごとのサウンドチェックから「Put Your Right Foot Forward」へ。BLITZ AND SQUASH BRASS BANDが奏でるセカンドラインな躍動感が堪らなく気持ちいい!ゲストのトラヴィス・ヒルを真ん中に、トロンボーン、サックス、トランペット、など計6管が並び、彼らが鳴らすギラついたアンサンブルが高らかにこだまする。その後ろではバスドラ、スネア、スーザフォンによるグルーヴがうねりまくる。やっぱり野外で聴くブラスバンドは最高ですね。

そして本編、スーザフォンに導かれるように「Going To The Mardi Gras」からスタート。華やかなサウンドにお客さんも続々と集まり、各々に踊り出す。もう肉食べてる場合じゃありません!!2曲目は「Ho Na Nae」。ブラス・バンド・グルーヴによるインディアン・ファンクが格好いい!!トラヴィス・ヒルはゲストながら、ほとんどバンドの中心人物のような存在感。実際、曲終わりの指示など、彼が仕切っているようにも見えました。もちろん彼のトランペットも最高!しかも彼は歌も歌いますし、MCもしますからね。

そんなトラヴィスがルイ・アームストロングに敬意を表しての「St. James Infirmary」。これは彼の歌声もさることながら、トランペット・ソロが滲みましたね~。素晴らしかった!後半は「ハリハリハリホー!」みたいなコール&レスポンスで盛り上がりましたし。最後の枯れた終わり方がまた味わい深かったです。

さ~て、ここからラストへ向かってさらなる盛り上がりが!と期待したところでまさかの時間切れ…。そりゃないですよ~。まあ、無料のライヴですから文句は言えませんが、25分はやはり短すぎます。リハの「Put Your Right Foot Forward」を入れても30分程度。でもそれだけに、魅力が凝縮された演奏は、ホント最高でした!!

ニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァル

2014-04-29 12:14:41 | ニューオーリンズ
4月25日から5月4日、ニューオーリンズでは恒例のニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテイジ・フェスティヴァル、通称ジャズ・フェスが開催されています。昨年に引き続きメインステージの大トリを務めるトロンボーン・ショーティをはじめ、アラン・トゥーサン、アーマ・トーマス、ギャラクティック、バックウィート・ザディコ等、地元ルイジアナ/ニューオーリンズのアーティストはもちろん、エリック・クラプトン、ブルース・スプリングスティーン、サンタナ、ロバート・プラントなどレジェンド達から、フィッシュやストリングチーズ・インシデット辺りのジャム・バンド、さらにアーケイド・ファイア、ヴァンパイア・ウィークエンド、アラバマ・シェイクスなど旬の若手まで、ロック勢も充実した、まさにニューオーリンズが誇る、世界的音楽フェスティヴァルです。

現在、前半3日間が終わったところ。今年は残念ながら手頃に観れるネット中継はありませんが、地元ラジオ局WWOZの生中継はあります。と言ってもジャズ中心なので、メインステージやロック系はほとんど中継されないマニアックな内容ですけどね。しかも時差の都合上、日本では深夜から早朝にかけてなので、なかなかリアルタイムに聴くことは出来ませんし…。ちなみに私は録音しておいて、後からゆっくり聴きました。

それでもタイムテーブル観ながらニューオーリンズに思いを馳せつつ、録音したライヴ音源を聴くのというのは、なかなか極上のひと時なのであります。マニアックとは言え、グレゴリー・ポーター、トレメ・ブラス・バンド、ジョン・ブッテ、プリザベーション・ホール・ジャズ・バンド、デルフィーヨ・マルサリスなど、なかなか豪華な中継でした。特にジョン・ブッテは嬉しかったですね~。お馴染みの「At The Foot Of Canal Street」とか、「Treme Song」とか、最高でした。ナット・キング・コールの「Straighten Up And Fly Right」やルイ・アームストロングの「Someday You'll Be Sorry」辺りのスウィンギーなカヴァーも良かったですし、意表をついたところでシンディー・ローパーの「Time After Time」!!これが素晴らしかった!


あとマルサリス一家の三男坊、デルフィーヨ・マルサリス(trombone)。彼のプレイが素晴らしかったのはもちろんですが、バックにはダーティ・ダズン・ブラス・バンドのロジャー・ルイス(baritone sax)がおりまして、がっつりと「Dirty Old Man」を決めてるところに思わず興奮してしまいました。こういうサプライズもジャズ・フェスならではですよね。





ジャズフェスの動画もいくつかYouTubeに上がってきています。


Robert Plant - Rock and Roll - New Orleans Jazz Fest 2014
http://www.youtube.com/watch?v=AZssiD1Ny9c

Eric Clapton with Crossroads@JazzFest 2014 New Orleans
http://www.youtube.com/watch?v=YIoBRU0A648

Honey Island Swamp Band@JazzFest 2014 New Orleans
http://www.youtube.com/watch?v=TA3lrBLd66U




さて、後半は5月1日からスタートです。楽しみですね!!

ニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァルの公式サイト→http://lineup.nojazzfest.com/

WWOZのライヴ中継情報 Live Event Broadcasts。いずれジャズフェス後半の中継スケジュールも発表されるはず。→http://www.wwoz.org/programs/live-events

TIN MEN @ 横浜ジャグ・バンド・フェスティヴァル

2014-04-14 10:41:06 | ニューオーリンズ
4月12日、横浜ジャグ・バンド・フェスティヴァルに行ってまいりました。日本全国からジャグ・バンド(もしくはジャグ・バンドのようなバンド?)が横浜に大挙押し寄せるこのイベント、私のお目当ては、日本在住のミシシッピ・ブールスマンが率いるスティーヴ・ガードナー&フレンズ、そしてニューオーリンズから来日中のトリオ、ティン・メンです。入場フリーの横浜ビブレ前ではこの両者が続けて観れるというタイムテーブルが嬉しかったです。

さて、まずはスティーヴ・ガードナー&フレンズです。実はスティーヴ・ガードナーとティン・メンのウォッシュボード・チャズはバンド仲間でして、この出演順なら共演もあるかな?なんて期待していたのですが、共演どころか、チャズはバンドの主要メンバーとして1曲目から完全参加でした。リゾネーター・ギターを弾き語るスティーヴ・ガードナーを中心に、マンドリンとベースが加わる。しかもこの2人もリゾネーター。そしてウォッシュボードのチャズ、という布陣。3人のリゾネーターに黒人ウォッシュボードマンが並ぶ本格っぷりに場内どよめいてましたね。ま、全然ジャグバンドではありませんけど…。

トラディショナルの「Going Down The Road Feelin' Bad」で始まり、「Someday Baby」など4曲を披露。カントリ・ブルースにウォッシュボードのグルーヴが加わった強力な土っぽさが最高でした。ミシシッピの熱気を孕んだようなスティーヴの歌声にも痺れましたね。彼の日本語混じりのMCもウケてましたし。そして最後にはサプライズが! スティーヴがティン・メンのメンバーを呼び込み、ギターのアレックス・マクマレー、スーザフォンのマット・ペロンが加わっての賑やかなセッション。曲はメンフィス・ジャグ・バンドでも知られる「Bottle It Up And Go」。観客も沸きました!!


続いて我らがティン・メン。たまたま通りかかった人達や、ジャグ・フェス常連客にとってはこのスーザフォンを含むトリオは何者ですか?って感じだったでしょうし、もちろん私のようにこのトリオを観に横浜まで来ました!っていうファンの方達も沢山いらっしゃったと思います。そんな色々な期待が入り交じって1曲目「Hallelujah, I'm A Bum Again」から盛り上がりました。ま、こちらも全然ジャグ・バンドではないですけどね。それでも「Cocaine Habit Blues」(メンフィス・ジャグ・バンド)ではアレックスとチャズがカズーを吹いてジャグ・バンドっぽい雰囲気を醸していました。あとやはりジャグ・バンドと言えばウォッシュボードな訳で、チャズの本物感は際立ってましたね。この曲での彼の飄々としたヴォーカルも特筆物でした。

あとマットのスーザフォンはこのフェスでも異彩を放ってましたよね~。あの低音グルーヴはやはり強力。特に野外で聴くスーザフォンの音色はまた格別。私は数日前に横浜Thumbs Upで彼らのワンマンを観たのですが、その時は流石に長丁場だからかマットは座ってスーザフォンを吹いてました。ですがこの日は野外を意識してか元気に立って吹いてましたからね。そのマットのスーザフォンをフィーチャーしての「Werewolf」も良かった!

そして最後はボブ・ディランの「Mixed Up Confusion」。ラストはツェッペリンのあの曲で締めるかと思いきや、こっちできましたか!こういうアップナンバーでのスーザフォンは腰に来ますね!そしてアレックスのギター捌きも冴え渡る! もちろんチャズも神業の連続で、途中のブレイクも含め、格の違いを見せつけてくれました。それにしてもこの3人が繰り出すグルーヴはホント凄い!!

4曲と短いセットではありましたが、先日の横浜Thumbs Upとのダブリは「Werewolf」1曲だけですし、「Mixed Up Confusion」なんていう隠し球がまだあったのか!という驚きもあったりで。あとやっぱり野外でみると雰囲気違いますしね。スティーヴ・ガードナーのライヴも合わせて大満足なステージでした。無料ですしね!



もちろん、せっかくのフェスですから、他にもいくつかライヴを観ました。ベン&フレンズ、ラグパパ、リトルファッツ&スウィンギン・ホットショット・パーティーなど。特に印象的だったのは本田劇場前のロビーで観たオールド二匹ブラザーズバンド。ウッドベースとギター弾き語りの2人で「Got My Mojo Workin'」とか演ってました。このお二人、私は初めて観たんですけど、かなり格好良かったです。多分ゲリラ的にロビーでライヴをやってたんだと思いますが、上手かったですね~。たまたまそこに居合わせたと思われるティン・メンの3人も楽しそうに観ていました。

ティン・メンはこのあとThumbs Upでも盛り上がったことでしょう。ですがそちらは有料なので、私は遠慮させていただきました。すいません…。




ティン・メン




スティーヴ・ガードナー&フレンズ&ティン・メン



TIN MEN / AVOCADO WOO WOO
ビブレ前のステージ終了後、英語もしゃべれないのに何とかティン・メンのお三方を捕まえてサインを頂きました。みなさん快く応じてくださいました。でも3人とも何故かサインが控えめ。ジャケットのアートワークを大事にしているのかな?



~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 14.04.09 TIN MEN @ 横浜THUMBS UP

TIN MEN @ 横浜THUMBS UP

2014-04-09 23:16:32 | ニューオーリンズ
4月8日、横浜サムズアップにて、ニューオーリンズからやって来た変わり者トリオ、ティン・メンを観てまいりました!!

何が変わり者かって、その編成です。メンバーはアレックス・マクマレー(g)、ウォッシュボード・チャズ(washboard)、マット・ペロン( sousaphone)の3人。リズムを担うのがウォッシュボードとスーザフォンと言うのが面白いですよね~。いかにもニューオーリンズらしいと言いますか、いや、多分この編成はニューオーリンズでも珍しいんじゃないでしょうか? しかもメンバー3人共がバンドやソロ、そしてセッションなど多方面で活躍する凄腕達ですからね。

*ここからはライヴの内容のネタバレになりますので、これからティン・メンのライヴを観に行かれる方は読まれないことをお勧め致します。



さて、この来日を実現させたバッファロー・レコーズのダグラスさん自らの紹介でステージに上がったティン・メンの3人。ステージ向かって左手にウォッシュボード・チャズ、右手にアレックス・マクマレー、中央後方にマット・ペロンという布陣。レヴァランド・ゲイリー・デイヴィスの「Sit Down on the Banks of the River」で始まったそのステージ。小気味良いアレックスのギターにチャズのウォッシュボードがチャカチャカと絡み、マットのスーザフォンが低音を支える。1曲目からブレイクが入りチャズが挨拶代わりのウォッシュボード・ソロを披露すると観客達も沸きに沸く。アレックスのヴォーカルも味があって良い!

「Jesus Always Gets His Man」、「Lonely One in This Town」、「Maybellene」、「What Tano-San Say」など、最新作「Avocado Woo Woo」からの楽曲を中心に、旧作もしくはアレックスのソロ作収録曲やカヴァーを含めた選曲は、まるでおもちゃ箱をひっくり返したようにバラエティ豊かなれど、どれもがティン・メンならではの魅力に溢れた演奏の連続でした。スーザフォン、ウォッシュボード、ギターという三者三様のリズムが絡み合う彼らにしか成し得ないグルーヴ。それは一見チープなようでありながら、聴けば聴く程芳醇な味わいに飲み込まれていくような。リズムとメロディーを行ったり来たりするマットの低音ラインはもちろん、アレックスとチャズの両者による歌の味わいや、個性的なフィーリングなんかも、やはりニューオーリンズという土地が育んだものなんでしょうね。

カヴァーで印象的だったのは、カーター・ファミリーの「Gospel Ship」。軽快なノリで披露されたカントリー・ゴスペルには、ウキウキさせられましたね。あとビリー・ホリデイで知られる「He Ain't Got Rhythm」。こういうチョイスも粋ですよね~。もちろんチャズの歌声も3人の演奏も全て粋でしたけど。チャック・ベリーの「Maybellene」なんかは、アレックスの歯切れよいギターに目が釘付けでした。そして最もたまげたのがダーティ・ダズン・ブラス・バンドの「Blackbird Special」。この編成でこの曲やりますか?っていう。しかも正統カバーですよ。超高速ブラス・バンド・ファンクのグルーヴを3人だけでやってのけてしまうのです。スーザフォンが大活躍なのはもちろんですが、他のパートを一人でこなしてしまうかのようなアレックスのギターも最高でした。そしてグルーヴに“加速”と“うねり”をもたらすかのようなチャズのウォッシュボード!! もう堪りませんでしたね。まさに三位一体のグルーヴ!!ある意味、本家より濃密でした。

それにしてもチャズの存在は際立っていましたね。すました顔して凄いことやってる感がひしひしと伝わって来ました。まったく気負った感じは無く、飄々としたキャラながら、まるでリズムに命を与えるかの如く神がかったプレイの連続。彼を観ているだけで楽しくなり、そして興奮させれました。ちなみに彼のウォッシュボードは、ザディコ/ケイジャンのラブボードではなく、ジャグ・バンドで使われるようなタイプ。ウォッシュボードに空き缶とベルが付けられていて、それらを駆使して色鮮やかなリズムを繰り出していく。「Jesus Always Gets His Man」のようなアップナンバーでの切れ味にもゾクゾクさせられましたが、「He Ain't Got Rhythm」のような曲でのスウィング感も味わい深かったですね。もちろん要所要所で見せるソロも凄かったです!

メンバー3人が「シブヤー!」「シブヤー!」と声を張り上げて始まった「The Barber of Shibuya」。哀愁を感じるメロディーと、情緒とユーモアに溢れるアレックスの歌が最高でしたね。こういう曲でのアレックスの味わいっていうのは見応えありましたね~。

この「The Barber of Shibuya」で一旦ステージは終了し、しばしの休憩を挟んで第2部へ参ります。



さて、ティン・マンの旧作から「Jingling Down The Street」で始まった第2部。序盤に披露されたハーレム・ハムファッツの「Root Hog Or Die」から「Sweet And Slow」「You're Not The Only Oyster In The Stew」というファッツ・ウォーラー関連2連発は、TIN MEN流古き良きR&Bな感じで、そのラブリーな味わいに酔いしれました。ラブリーと言えば、続いて披露された最新作からのタイトル曲「Avocado Woo Woo」も何処か可愛らしい雰囲気に思わず笑みがこぼれてしまいましたね。

チャズとバンド仲間でもある日本在住のミシシッピ・ブルースマン、スティーブ・ガードナーがゲストに呼ばれてのエディ・ボー「Dinky Doo」。スティーヴのブルースハープが加わり、さらに賑やかな雰囲気に。ダニー・バーカーの「Palm Court Strut」、そしてファッツ・ドミノの「I'm In Love Again」の3曲を共演し盛り上がりました。この流れはニューオーリンズ色が濃くて楽しかったですね~。そこにスティーヴのハープがカントリー・ブルースのテイストを加えてのいっそうのガンボ状態がまた格別でした。

チャズが飄々と歌うスティーヴィー・ワンダーの「Signed, Sealed, Delivered I'm Yours」のカヴァーなんかもありましたが、極め付けは本編ラストの2曲。まずはアレックスが「ロックンロールを~」のようなことを言ってギターを弾き始めたのですが、ロックンロールと言った割には緩いブルースのような感じ。ですがブレイクと同時に彼が声を枯らすように歌ったのは紛れもなくザ・フーの「My Generation」。しかしこれがまた可愛らしく酩酊したような「My Generation」で、これには場内も大爆笑。こういう技ありなカヴァーもティン・メンらしいですよね。さらにレッド・ツェッペリンの「Immigrant Song」。こちらは全うなカヴァー。と言ってもこの編成ですからね、TIN MEN流ロックと言いますか、スーザフォンの吠えっぷりが最高でしたね。観客達も「あああ~!!あー!」と大合唱。

曲が終わると同時に盛大な拍手が鳴り止まない。いつしかアンコールを催促する手拍子となり、大歓声の中、3人が戻ってくる。アンコールは「On The Sunny Side Of The Street」。最後にこういう曲を持ってくる辺りも流石ですね。大騒ぎした後はほっこりと終わる。なんかしみじみしましたね。

おそらく、本当ならここで終わりだったのではないかと思うんです。ですがまたしても手拍子が鳴り止まない。そしてまさかのセカンド・アンコール。アレックスは昔、意外にも東京ディズニー・シーで歌を歌っていたらしいのですが、そんなことを語り、そして歌い始めたのが彼のソロ作から「The Ballad Of Cap'n Sandy」。ストーリー・テラーなアレックスの歌に拍手喝采でした。


いや~、ホント最高でした。1部、2部共に1時間越えのフルボリューム。芳醇で、濃密で、スリリングで、そしてユーモアに溢れた演奏の連続でした。やはりニューオーリンズは凄い!!そしてティン・メンは凄い!!





この夜のセットリスト。 私もメモを取りながら観ていたのですが、それだけでは不十分でしたので、ブルース銀座さんのブログを参考にさせて頂きました。(インスト曲についてはよく分りませんでした…。)

1部
01. Sit Down on the Banks of the River
02. Oh Glory, How Happy I Am
03. Gospel Ship
04. Jesus Always Gets His Man
05. Lonely One in This Town
06. He Ain't Got Rhythm
07. Feets Too Big
08. Werewolf
09. Why Don't You Haul Off and Love Me?
10. Maybellene
11. ???(instrumental)
12. Blackbird Special
13. What Tano-San Say
14. The Barber of Shibuya

2部
01. Jingling Down The Street
02. Root Hog Or Die
03. Sweet And Slow
04. You're Not The Only Oyster In The Stew
05. Avocado Woo Woo
06. Dinky Doo
07. Palm Court Strut
08. I'm In Love Again
09. Function At The Junction
10. Signed, Sealed, Delivered I'm Yours
11. ???(instrumental)
12. My Generation
13. Immigrant Song

ENCORE
01. On The Sunny Side Of The Street
02. The Ballad Of Cap'n Sandy



ティン・メンの来日ツアーの詳細→http://buffalo-records.com/newstopics/info/TinMenTour.html
4月12(土)のYOKOHAMA JUG BAND FESTIVAL では、入場フリーの横浜VIVRE前広場にも出演予定ですよ!

ブルース銀座さんのブログ→http://black.ap.teacup.com/sumori/1511.html

ティン・メン来日でWOO WOO!!

2014-02-16 10:52:56 | ニューオーリンズ
来る4月、ニューオーリンズから面白いトリオがやってきます。その名はティン・メン!!

ニューオーリンンズと言えば、すぐにアラン・トゥーサンやドクター・ジョンなどのピアニスト、もしくはミーターズやギャラクティックなどのファンク系、さらにダーティ・ダズン・ブラス・バンドやホット8ブラス・バンドなどのブラス・バンドなどが頭に浮かびますが、このトリオは、ギター、スーザフォン、ウォッシュボードという変わり種。おそらく多種多彩なニューオーリンズにおいてもこの編成は珍しいのではないでしょうか?

メンバーは、アレックス・マクマレー(g)、ウォッシュボード・チャズ(washboard)、マット・ペロン( sousaphone)の3人。日本における一般的な知名度は低いかもしれませんが、我々ニューオーリンズ音楽ファンには既にお馴染みの方々。

アレックス・マクマレーは、これまでにロイヤル・フィンガーボウルをはじめ数々のバンドでプレイしてきたギタリストで、ソロ作も3枚リリースしています。特に2012年にリリースした最新作「I Will Never Be Alone in this Land」は『Big Easy Music Awards』や、OffBeat誌の『Best of the Beat Awards』にノミネートされるなど評価が高かったので気になってたんですよね~。そしてマット・ペロンはニューオーリンズ・ナイトクロウラーズ・ブラス・バンドやボノラマなどで活躍してきた、彼の地を代表するスーザフォン・プレイヤーの一人です。最後にウォッシュボード・チャズは私がこの3人のなかで唯一生で観たことのあるアーティスト。2008年に来日し、日本在住の白人ブルースマン、スティーヴ・ガードナーとライヴをやったんですが、すごく良いライヴでした! その時のレポはこちら→http://blog.goo.ne.jp/moccho_77/e/b6125393cd88214eedffa24257790b38

さて、そんな3人によるティン・メン。もちろんニューオーリンズらしいごった煮サウンドです。ですが、この編成ですからね、いわゆるごった煮と呼ぶには、あまりにもユニーク。YouTubeで検索すると、トラッド的な緩く素朴な演奏から、レッド・ツェッペリン「Immigrant Song」やモーターヘッド「Ace of Spades」のカヴァーまであるから驚きます。

この3人、今でこそニューオーリンズの空気にどっぷりな感じですが、実は3人とも生まれはニューオーリンズではないんです。だからこそ、型にはまらずに、どこか風通しの良い、彼らならではのニューオーリンズ・サウンドを成し得ているのかもしれません。こんなバンドのライヴ、日本ではなかなか観れませんよね~。




ティン・メンのもっと詳しいプロフィールは「ブルース銀座」さんのブログまで→http://black.ap.teacup.com/sumori/1491.html

今回の来日ツアー、その名も「The Tin Men Japan Woo Woo Tour!」の詳細はバファッロー・レコードさんまで。→http://buffalo-records.com/newstopics/info/TinMenTour.html


実は当初、東京公演がアナウンスされていなかったのですが、先日、めでたく青山CAY公演が発表されました!とは言え私、既に横浜公演を買っちゃてるんですけどね…。あと横浜ジャグ・バンド・フェスティヴァルへの出演も楽しみ!





TIN MEN / AVOCADO WOO WOO
昨年リリースされたティン・メンの最新作「AVOCADO WOO WOO」。プロデュースはジョン・ポーター。ゴスペルを元にしたであろうオリジナル曲「Jesus Always Gets His Man」で幕を開けるティン・メン・ワールド。スーザフォンのゆったりしたグルーヴがいかにもニューオーリンズな「Turn My Lights Back On」。この編成ならではのファニーなブルース「Avocado Woo Woo」。アレックスの巧みなギター・ワークとスーザフォン&ウォッシュヴォードのファンキーなリズムが堪らないアップ・ナンバー「I Got a Guy」。さらにスティーヴィー・ワンダーのカヴァー「Signed, Sealed, Delivered I'm Yours」など。楽しさと、哀愁と、そしてかの地の空気に溢れた愛らしい作品。これはライヴが楽しみです!!