STURGILL SIMPSON / A SAILOR'S GUIDE TO EARTH
いよいよフジロックが近づいてまいりました。いよいよあと10日ですよ!今年も楽しみなアクトが目白押しですよね。今年はブログで予習特集をやらない予定だったのですが、やっぱりうずいて仕方が無いので、「ルーツな日記」的にこれは絶対外せない!というアーティストをいくつか紹介していきたいと思います。とは言えあと10日ですからね。どれだけ出来るやら? まずは最も楽しみなスタージル・シンプソンから!!
今年のグラミー賞で、主要部門の一つである『ALBUM OF THE YEAR』のノミネートに、ビヨンセ「LEMONADE」、アデル「25」、ドレイク「VIEWS」など、錚々たる作品と共に名を連ねた一つのカントリー作品、それがスタージル・シンプソンの「A SAILOR'S GUIDE TO EARTH」でした。昨今流行のポップ・カントリーではありませんし、泣く子も黙る大御所でもありません。いやむしろこれがメジャー・デビュー作だったそうで、いきなりの快挙に大変話題になりました。何せグラミー賞の中でも最も重要とされる『ALBUM OF THE YEAR』ですからね!
ケンタッキー州ジャクソン出身のスタージル・シンプソン。2013年にアルバム・デビューを果たした遅咲きの現在39歳による3作目にしてメジャー・デビュー作となった「A SAILOR'S GUIDE TO EARTH」。カントリー以上に、米南部ソウル的な芳醇な香りが濃厚で、そのサウンドはもちろん、彼の含蓄溢れる男臭い歌声も魅力的。私も初めて聴いたその一発目から惚れまくりましたね。ピアノとストリングスをバックにした雄大なメロディーから、一気にサザン・テイストなバンド・グルーヴに雪崩れ込む1曲目「Welcome To Earth (Pollywog)」から引き込まれ、フォーキーな滋味溢れるスロー「Breakers Roar」、タメの効いた南部グルーヴがめちゃくちゃ格好良い「Keep It Between The Lines」、そしてザ・バンド的なフィーリングをすら感じさせる「Sea Stories」など、前半から、カントリーの枠に止まらない米南部ルーツなソウルフルな感覚に酔わされます。ツアー・メンバーを中心にしたバックの演奏も最高です。特にRobert Emmett によるオルガンは強力ですね〜。そして今作のサウンド的な要と言ってもよいのが、ゲスト参加のザ・ダップ・キングス・ホーンズでしょう。かのシャロン・ジョーンズのバック・バンドとしても知られるホーン隊ですね。彼らによる「Keep It Between The Lines」等でのファンキー&ソウルフルなホーン・リフが、この作品のサザン・ソウル的な佇まいを担っているといっても過言ではありません。
その一方で、土臭さやカントリー的な側面で格別な味わいを演出しているのがダン ・ダグモアのスティール・ギターです。この人は70年代からリンダ・ロンシュタット等のバックで活躍し、近年はテイラー・スウィフト作品にも招集されるなど、数十年に渡って数多の作品にその音色を残してきた名手です。例えば意外なカバー、ニルヴァーナの「In Bloom」で聴かせる彼のスティール・ギターの味わいとか、本当にうっとりです。それにしてもニルヴァーナをカントリー・タッチでしんみりと聴かせるスタージルのセンス、素晴らしいですね。さらにブルージーな「Brace For Impact (Live A Little)」、必殺のサザン・ソウル・バラード「All Around You」、人情味溢れる暖かさが滲みる「Oh Sarah」、この辺りで聴かせるシンガーとしてのスタージル・シンプソンの力量にも唸らされます。そしてラストを締めるはロッキンに疾走する「Call To Arms」。ダップ・キングスを含むバックバンドが一丸となって突き進む加速感にはゴスペル的なノリも感じさせられ大興奮!! スタージル・シンプソンの歌もソウルフルで最高!!
実はこの作品は、2014年に誕生したスタージル・シンプソンの第一子への手紙という形で製作されたそう。そう思って聴き直すとまた違った味わいを感じさせられます。やはりスタージル・シンプソンの歌声には、父親らしい包容力が感じられ、その渋い暖かさがまた格別なのです。とは言え、英語がダメな私には、どんなことが歌われているのかさっぱり分らないんですけどね…。でも歌詞が分らなくても、この作品が最高なことは、聴けばすぐに分りますよ! ちなみに「Sea Stories」には、東京、川崎、横須賀、横浜、新宿、渋谷、六本木、と言った日本の都市が歌い込まれていますが、実はスタージル・シンプソン、若い頃はアメリカ海軍に入隊していて、日本にも赴任していたそう。
そんな意外な経歴も持つスター・ジルシンプソン。残念ながらグラミー賞『年間最優秀アルバム』の受賞は逃しましたが、『BEST COUNTRY ALBUM』は見事に受賞しました。正直、グラミー賞発表時はまさか来日が叶うとは夢にも思っていませんでした。何せ日本ではまだまだ無名な存在ですからね。なのでフジロックの第1弾発表にスタージル・シンプソンの名を見つけた時は、一瞬我が目を疑いましたよ!やってくれましたね、フジロック!! 超強力なアクトが揃う今年のフジロックですが、スタージル・シンプソンのフジ出演こそ、まさに快挙です!!
STURGILL SIMPSON / METAMODERN SOUNDS IN COUNTRY MUSIC
こちらは「A SAILOR'S GUIDE TO EARTH」の一つ前の作品となる、2014年の2ndアルバム。ダップ・キングスが参加していない分、かなりカントリー寄りのイメージなれど、こちらも素晴らしい作品。カントリーとは言え、サイケっぽい音響を感じさせる曲もあったりと、なかなか一筋縄ではいかない一面もあったり。とは言え、麗しくも瑞々しいカントリー・サウンドに溢れ、スタージル・シンプソンの渋く光る歌声が耳を奪う快作。実はこの作品も既にグラミー賞の『BEST AMERICANA ALBUM』部門にノミネートされてたんですよね〜。
Sturgill Simpson - Keep It Between The Lines [Live on SNL]
いやはや、このライヴ演奏はヤバいでしょ!! スワンプ・ロックやジャム・バンド的ですらある。フジロックにもこれぐらいなフル・バンドで来てくれたら最高なんですけどね。オフィシャルサイトのアーティストデータにはスタージル・シンプソン、一人しか記されていないのが気になりますが…。
いよいよフジロックが近づいてまいりました。いよいよあと10日ですよ!今年も楽しみなアクトが目白押しですよね。今年はブログで予習特集をやらない予定だったのですが、やっぱりうずいて仕方が無いので、「ルーツな日記」的にこれは絶対外せない!というアーティストをいくつか紹介していきたいと思います。とは言えあと10日ですからね。どれだけ出来るやら? まずは最も楽しみなスタージル・シンプソンから!!
今年のグラミー賞で、主要部門の一つである『ALBUM OF THE YEAR』のノミネートに、ビヨンセ「LEMONADE」、アデル「25」、ドレイク「VIEWS」など、錚々たる作品と共に名を連ねた一つのカントリー作品、それがスタージル・シンプソンの「A SAILOR'S GUIDE TO EARTH」でした。昨今流行のポップ・カントリーではありませんし、泣く子も黙る大御所でもありません。いやむしろこれがメジャー・デビュー作だったそうで、いきなりの快挙に大変話題になりました。何せグラミー賞の中でも最も重要とされる『ALBUM OF THE YEAR』ですからね!
ケンタッキー州ジャクソン出身のスタージル・シンプソン。2013年にアルバム・デビューを果たした遅咲きの現在39歳による3作目にしてメジャー・デビュー作となった「A SAILOR'S GUIDE TO EARTH」。カントリー以上に、米南部ソウル的な芳醇な香りが濃厚で、そのサウンドはもちろん、彼の含蓄溢れる男臭い歌声も魅力的。私も初めて聴いたその一発目から惚れまくりましたね。ピアノとストリングスをバックにした雄大なメロディーから、一気にサザン・テイストなバンド・グルーヴに雪崩れ込む1曲目「Welcome To Earth (Pollywog)」から引き込まれ、フォーキーな滋味溢れるスロー「Breakers Roar」、タメの効いた南部グルーヴがめちゃくちゃ格好良い「Keep It Between The Lines」、そしてザ・バンド的なフィーリングをすら感じさせる「Sea Stories」など、前半から、カントリーの枠に止まらない米南部ルーツなソウルフルな感覚に酔わされます。ツアー・メンバーを中心にしたバックの演奏も最高です。特にRobert Emmett によるオルガンは強力ですね〜。そして今作のサウンド的な要と言ってもよいのが、ゲスト参加のザ・ダップ・キングス・ホーンズでしょう。かのシャロン・ジョーンズのバック・バンドとしても知られるホーン隊ですね。彼らによる「Keep It Between The Lines」等でのファンキー&ソウルフルなホーン・リフが、この作品のサザン・ソウル的な佇まいを担っているといっても過言ではありません。
その一方で、土臭さやカントリー的な側面で格別な味わいを演出しているのがダン ・ダグモアのスティール・ギターです。この人は70年代からリンダ・ロンシュタット等のバックで活躍し、近年はテイラー・スウィフト作品にも招集されるなど、数十年に渡って数多の作品にその音色を残してきた名手です。例えば意外なカバー、ニルヴァーナの「In Bloom」で聴かせる彼のスティール・ギターの味わいとか、本当にうっとりです。それにしてもニルヴァーナをカントリー・タッチでしんみりと聴かせるスタージルのセンス、素晴らしいですね。さらにブルージーな「Brace For Impact (Live A Little)」、必殺のサザン・ソウル・バラード「All Around You」、人情味溢れる暖かさが滲みる「Oh Sarah」、この辺りで聴かせるシンガーとしてのスタージル・シンプソンの力量にも唸らされます。そしてラストを締めるはロッキンに疾走する「Call To Arms」。ダップ・キングスを含むバックバンドが一丸となって突き進む加速感にはゴスペル的なノリも感じさせられ大興奮!! スタージル・シンプソンの歌もソウルフルで最高!!
実はこの作品は、2014年に誕生したスタージル・シンプソンの第一子への手紙という形で製作されたそう。そう思って聴き直すとまた違った味わいを感じさせられます。やはりスタージル・シンプソンの歌声には、父親らしい包容力が感じられ、その渋い暖かさがまた格別なのです。とは言え、英語がダメな私には、どんなことが歌われているのかさっぱり分らないんですけどね…。でも歌詞が分らなくても、この作品が最高なことは、聴けばすぐに分りますよ! ちなみに「Sea Stories」には、東京、川崎、横須賀、横浜、新宿、渋谷、六本木、と言った日本の都市が歌い込まれていますが、実はスタージル・シンプソン、若い頃はアメリカ海軍に入隊していて、日本にも赴任していたそう。
そんな意外な経歴も持つスター・ジルシンプソン。残念ながらグラミー賞『年間最優秀アルバム』の受賞は逃しましたが、『BEST COUNTRY ALBUM』は見事に受賞しました。正直、グラミー賞発表時はまさか来日が叶うとは夢にも思っていませんでした。何せ日本ではまだまだ無名な存在ですからね。なのでフジロックの第1弾発表にスタージル・シンプソンの名を見つけた時は、一瞬我が目を疑いましたよ!やってくれましたね、フジロック!! 超強力なアクトが揃う今年のフジロックですが、スタージル・シンプソンのフジ出演こそ、まさに快挙です!!
STURGILL SIMPSON / METAMODERN SOUNDS IN COUNTRY MUSIC
こちらは「A SAILOR'S GUIDE TO EARTH」の一つ前の作品となる、2014年の2ndアルバム。ダップ・キングスが参加していない分、かなりカントリー寄りのイメージなれど、こちらも素晴らしい作品。カントリーとは言え、サイケっぽい音響を感じさせる曲もあったりと、なかなか一筋縄ではいかない一面もあったり。とは言え、麗しくも瑞々しいカントリー・サウンドに溢れ、スタージル・シンプソンの渋く光る歌声が耳を奪う快作。実はこの作品も既にグラミー賞の『BEST AMERICANA ALBUM』部門にノミネートされてたんですよね〜。
Sturgill Simpson - Keep It Between The Lines [Live on SNL]
いやはや、このライヴ演奏はヤバいでしょ!! スワンプ・ロックやジャム・バンド的ですらある。フジロックにもこれぐらいなフル・バンドで来てくれたら最高なんですけどね。オフィシャルサイトのアーティストデータにはスタージル・シンプソン、一人しか記されていないのが気になりますが…。