ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

2019年 ベストアルバム 20枚

2019-12-31 21:24:57 | 余話

第1位

Brian Owens / Love Came Down
まさにニューソウル期のマーヴィン・ゲイが現代に蘇ったような作品にして、このクオリティーは奇跡としか言いようのない大傑作。冒頭の陰影溢れるサウンドから徐々に染み入るファンクネス、そしてブライアン・オーウェンスの表情豊かな歌声が醸すブラックネスに、ただただ引き込まれていく。今年一番聴いたアルバム!!


第2位

Solange / When I Get Home
随分前にサマソニで観たソランジュと、前作「A Seat at the Table」のソランジュが同一人物とは俄に信じ難かったですが、新作を聴いて確信しました。ソランジュはヤバい!!今、一番生で観たい人。


第3位

THe Lumineers / III
フジロックのステージも最高だったルミニアーズ。遅れて届けられた最新作は、奥深いコンセプトが味わい深い楽曲群で彩られたモダン・アメリカーナ。連作PVによる短編映画のような世界観も秀逸でした。


第4位

Beyoncé / The Lion King: The Gift
ビヨンセの新作は映画『ライオン・キング』へのインスパイアード・アルバム。ビヨンセによるアフリカへのリスペクトが詰まった作品。豪華ゲストと共に繰り広げられるビヨンセの歌唱は、相変わらずの絶品にして圧巻!!


第5位

The New Orleans Catahoulas / Homegrown
今年もニューオーリンズ物を色々聴きましたが、なんだかんだで一番テンション上がったのがこの作品。ジェラルド・フレンチ、ケヴィン・ルイスなど、ニューオーリンズの職人達が集い、オールドスタイルのR&Bを演っている。かの地の緩さ溢れる、最高にゴキゲンな録音。


第6位

Anderson Paak / Ventura
アンダーソン・パックの描くモダンR&B。ソウル、ファンク、ジャズ、そしてヒップホップの行く末を見ているよう。ブラック・ミュージックの未来はこの人に託した!


第7位

Rhiannon Giddens with Francesco Turrisi / There Is No Other
アメリカーナから一歩も二歩も踏み込んで来たリアノン・ギデンスの新作は、イタリア出身、ダブリンを拠点に活動するフランチェスコ・トゥリッシとのコラボ作。深淵なるルーツを感じさせる、彼女ならではの視点が秀逸。そして悲しげでありながら凛とした歌声も素晴らしい。


第8位

Bobby Rush / Sitting on Top of the Blues
大好きなブルースマン。現行、ブルースの猥雑さを感じさせる最後のレジェンドと言っても良いでしょう。ルイジアナの南部臭も相変わらず強烈。


第9位

Ezra Collective / You Can’t Steal My Joy
先鋭的な英ジャズ界の震源地、エズラ・コレクティヴ。数枚のEPを経てついにドロップされたフル・アルバム!!


第10位

John Boutté / a “well tempered” Boutté
ニューオーリンズの至宝。シンプルなバンドをバックに円熟の歌声を聴かせてくれます。まさに極上。


第11位

The Soul Rebels / Poetry in Motion


第12位

Robbie Robbrtson / Sinematic


第13位

Tank and the Bangas / Green Balloon


第14位

Michael kiwanuka / kiwanuka


第15位

Galactic / Already Ready



第16位

Stella Donnelly / Beware of the Dogs



第17位

Bill Frisell / Harmony



第18位

Brittany Howard / Jaime



第19位

Faye Webster / Atlanta Millionaires Club



第20位

Leyla McCalla / Capitalist Blues



以上です。今年は20枚に絞りました。例によって、私が趣味と今日の気分だけで選んだ2019年の20枚です。ほんの余興ではありますが、楽しんで頂けたら幸いです。これにて、本年の「ルーツな日記」は終了です。

来年も、また宜しくお願いいたします!!!

2019年 ベストアルバム 発掘物編

2019-12-31 20:39:28 | 余話
VA / THE NEW ORLEANS JAZZ & HERITAGE FESTIVAL

今年のリイシュー/発掘物は、ビートルズの「アビーロード」とか、ボブ・ディランの「トラヴェリン・スルー」とか、泣く子も黙る大物もありましたが、「ルーツな日記」的には、何と言っても、ニューオーリンズ・ジャズフェスティヴァルの歴史が詰まった5枚組ボックス、「Jazz Fest: The New Orleans Jazz & Heritage Festival」でしょう!!

1970年から始まり、来年で50周年を迎えるというこのフェスティヴァル。ニューオーリンズ音楽ファンにとっては、まさに憧れですし、聖地といっても良い、唯一無比のフェスなのであります。

ニューオーリンズ音楽ファンとして、ジャズフェスに行ったことが有るか無いかが、一人前かどうかの分かれ目みたい印象もある程で、かく言う私はいまだ行ったことがありませんので、とても肩身が狭い思いではありますが、だからこそ、こういうボックスセットはありがたいのです!!だってこれを聴き、付属のブックを眺めているだけで、その歴史を俯瞰出来るだけではなく、まるでその場にいるような疑似体験すら出来てしまうのですから!!

ザ・ゴールデン・イーグルスの「Indian Red」から始まり、ネヴィル・ブラザーズの「Amazing Grace / One Love」まで、トロンボーン・ショーティやドクター・ジョン、アーマ・トーマス、スヌークス・イーグリン、アラン・トゥーサン、ワイルド・マグノリアス、ファンキー・ミーターズ、などなど、古くは74年のアール・キングから、近年は2016年のビッグ・フリーディアまで、あらゆるジャンルをごった煮にした、まさにガンボなニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァルを思う存分に堪能することが出来ます。

今年は、デイヴ・バーソロミュー、アート・ネヴィル、ドクター・ジョンという、ニューオーリンズの音楽を作って来たレジェンド達が、相次いで亡くなられてしまいました。彼らが培って来た音楽は、脈々と受け継がれ、新しい要素を吸収しながら、今も成長を続けています。その土壌としてジャズフェスが果たした役割は果てしなく大きく、カトリーナ被災等の艱難辛苦を乗り越えながら、50年も続いていることにもただただ圧倒されるばかりです。そしてまだまだ終わりではありません。この先年々も、ニューオーリンズ音楽を見守り続け、さらなる発展を演出し続けることでしょう。

そんなかの地の空気に思いを馳せながら、この5枚組CDに没頭するのが、これまた至福の時間なのであります!!