日出町にある二階堂美術館で、
「美の蔵 30年の歩み」
開館30周年記念 特別展が開催されています。
一階展示室に入ると、正面にドンと、
横山大観の霊峰不二(六曲一双)が目に飛び込んできます。
なんて素晴らしい!
一階だけですが、大観、上村松園など、一部撮影が許可されていました。
ただ、この素晴らしさは、この写真ではお伝え出来ないのが残念です。
私は二階堂美術館では、
これまで上村松園を観るのが一番の楽しみでした。
今回は写真を撮ることが出来ると現地でわかり、松園は全て撮ってきました。
こちらは、壁面の掛け軸ではなく、
覗ケースに入っていた小品でしたが、
初めて見ました。
「多希狩之図」
昭和初期の作品で、籠を持って近くの里山にきのこ採りに行くという図だそうです。
桜下處女図 大正初期頃
桜の下で娘と童子が蝶と戯れているものです。
桜可里之図 明治41年 部分
五人の女性を重なり合わせたことで、
奥行きのある画面が描き出されています。
「花ざかり」明治33年頃
知り合いの娘の婚礼に取材したもので、
花嫁の恥ずかしげな不安顔と、
付き添う母親の緊張の瞬間を捉えています。
このように細長い画面を対幅にしたものは珍しく、とても印象的な作品でした。
手前から大観、松園、竹内栖鳳と並んだ様子です。
大観は「山路」 竹内栖鳳「熱帯風光」、
二階展示室は、多くが加山又造の作品で、
しかも大作揃い、新収蔵品とあって、
こちらも驚くこと、この上なく、
とても見応えのある作品です。
30年の歩みというので、
懐古的かと思いきや、新収蔵品が数多く紹介された、攻めの姿勢が素晴らしい会場でした。