mola_circus モラを楽しむ

パナマのクナ族が着ているモラ(ブラウス)は、模様がまるで絵画のようです。いっしょにモラを楽しみませんか。

美の蔵

2024-11-21 | 美術館
日出町にある二階堂美術館で、
「美の蔵 30年の歩み」
開館30周年記念 特別展が開催されています。







一階展示室に入ると、正面にドンと、





横山大観の霊峰不二(六曲一双)が目に飛び込んできます。

なんて素晴らしい!

一階だけですが、大観、上村松園など、一部撮影が許可されていました。

ただ、この素晴らしさは、この写真ではお伝え出来ないのが残念です。



私は二階堂美術館では、
これまで上村松園を観るのが一番の楽しみでした。

今回は写真を撮ることが出来ると現地でわかり、松園は全て撮ってきました。


こちらは、壁面の掛け軸ではなく、
覗ケースに入っていた小品でしたが、
初めて見ました。








「多希狩之図」
昭和初期の作品で、籠を持って近くの里山にきのこ採りに行くという図だそうです。








桜下處女図 大正初期頃

桜の下で娘と童子が蝶と戯れているものです。




桜可里之図 明治41年 部分

五人の女性を重なり合わせたことで、
奥行きのある画面が描き出されています。





「花ざかり」明治33年頃

知り合いの娘の婚礼に取材したもので、
花嫁の恥ずかしげな不安顔と、
付き添う母親の緊張の瞬間を捉えています。






このように細長い画面を対幅にしたものは珍しく、とても印象的な作品でした。





手前から大観、松園、竹内栖鳳と並んだ様子です。

大観は「山路」 竹内栖鳳「熱帯風光」、

二階展示室は、多くが加山又造の作品で、
しかも大作揃い、新収蔵品とあって、
こちらも驚くこと、この上なく、

とても見応えのある作品です。

30年の歩みというので、
懐古的かと思いきや、新収蔵品が数多く紹介された、攻めの姿勢が素晴らしい会場でした。














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小野竹喬の世界②

2024-11-07 | 美術館
大分市美術館で開催中の
「小野竹喬の世界」展へ、



春耕 1924年


重要文化財の「波切村」後の展示が気に掛かっていたところ、
友人に誘われたこともあり、
また水曜日は学芸員さんの説明も聞けるということで、行ってきました。




八瀬村頭 1926年

いずれも、渡欧体験を経て、
従来の日本画に囚われない写実に迫ろうとした作品だそうです。

欧州の風景を描いた小品もいくつか展示されていましたが、思うようにいかなかったのか、



山 1929年

この作品では、東洋の古典絵画を見直す、
点描表現が見直されています。






🔹🔹



前回、撮ろうとしてうまく行かなかった作品を、ここからは紹介したいと思います。


一人で見て回るのとは違って、
絵の説明など詳しくしていただき、

同時期、同じ京都にいた竹喬と福田平八郎との交流話なども聞かれ、

また疑問に思っていたことの解答なども得ることが出来ました。😊



あかあかと日は難面もあきの風<習作>
1976年


この作品は、俳句を題材にした句抄絵シリーズの中の一点ですが、
もっとも多くの習作が残っていて、
試作を重ねたことが分かっているそうです。

私などはこれが完成品だと思ってみていたので、習作??と前回は疑問符がついたままでした。

発表作は、日輪の左右の青色の帯が、
茜一色になっているそうです。


福田平八郎さんも、デッサンをよくしていましたが、竹喬さんも負けていないようです。



暑き日を海に入れたり最上川<習作>
1976年

上と似たような作品に思いますが、
日本海への落日を描き、
これも習作となっています。


最後に、



月 1944年

悲しみの宿る作品になってしまいますが、

1944年末、長男の戦死を受けた竹喬の悲痛が、空に反映されているようです。

子どもの死を乗り越えるのは容易ではなかったことでしょう。



仲秋の月 1947年

戦後に創設された日展への初出品作

神々しい山の端から満月が現れ、
空と樹林は清光に包まれる、、

戦後における自らの無心の再出発と捉えられる作品です。


竹喬は、晩年、
1976年に文化勲章を受賞しています。


🔹🔹


この後、友人と美術館内にある喫茶店へ、

面白い作品に出会いましたので、
明日に続きます。





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小野竹喬の世界

2024-10-15 | 美術館
大分市美術館で開催中の
「小野竹喬の世界」展へ行ってきました。




波切村 1918年 重要文化財

友人のブログで、この作品が昨日までの展示と知りましたので、是非にと行ってきました。

もう一面は、




残念ながら、影が映り込んでしまいました。

ブルーが魅力的な作品です。




私は、小野竹喬の作品を見るのは初めてでした。

静かな佇まいの作品がとても好きでした。




琵琶湖春秋 1930年頃


六曲一双の大画面です。

湖東の栗東あたりから、鈴鹿山脈を望む景観です。



こちらは
琵琶湖の水郷から右手に三上山を望み、
左手には湖北へと続く湖面が開けた景観です。




湖面では水鳥も遊び、、

こんな繊細で雄大な景色を前に、
とても心豊かな贅沢を感じました。






山桜 1947年頃




樹上の雪 1958年





初雪 1963年


小野竹喬(1889ー1979)は、
日本の自然を描き続けました。

いずれも優しい眼差しが感じられます。


チラシにもなっていたのは、



野辺 1967年



晩年になってから、
夕焼けの茜色を題材とした作品が現れて、

ちょっと意表をつかれました。









樹間の茜 1974年



生涯にわたる様々な功績により、
1976年、文化勲章を受賞しています。

作品からも、とても恵まれた作家人生であったように見受けられました。




波濤 1927年


いずれも、竹喬の故郷にある
「笹岡市立竹喬美術館」が所蔵する名品です。






美しい大分さん、私は、
美術館のホームページにいいねして、
こちらをいただいてきました🎵


🌿🌿



美術館は標高があるからかして、
いつも紅葉の始まりが早いと感じます。




会期中、もう一度行けたらと思っています。










コメント (3)
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田中一村展

2024-09-30 | 美術館
何気に雑誌を見ていて目に止まったのが、
田中一村展の案内でした。

え、うそ、

これは嬉しい!



公式ページからダウンロード

東京都美術館で開催中の一村展のチラシです。


二十数年前にも一村のブームがあり、
その頃住んでいた宝塚の遊び仲間と、
奄美大島の田中一村記念美術館へ行ったことがあります。

伊丹空港から奄美へ、
飛行機を降りて、そのまま美術館へ、

今思っても、あんなに幸せな美術鑑賞はなかった気がします。

宿の浜辺でアダンの木を初めて見て、
またまた感動、

そんな旅でした。

久しぶりにその時に買った画集を出してきました。






2001年10月25日 第1刷発行

本の背表紙は、
「奄美の杜①」〜ビロウ・コンロンカに蝶〜
絹本 153×70.3㎝ の作品です。

買った当初は気付いてなかったのですが、



部分です


コンロンカにアサギマダラがいます。


一村といえば、アカショウビンが有名で、



これも切り取っていますが、

「奄美の杜⑨」〜ビロウとアカショウビン〜
絹本 153×57㎝


私たちもその声を聞きたさに、
翌日は車を貸し切って、島の南の方まで観光に出ました。

残念ながら姿を見ることはできませんでした。


今回の回顧展は大規模で、近年発見された初公開の作品や、未完の大作など、
250余の作品が展示されるそうです。

美術館の、展示案内動画を見ると、会場も広く、圧巻の展示風景でした。


たまたま東京に行く予定があり、
しかもホテルが上野なので、
じっくりと鑑賞できそうで楽しみです。







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北斎と広重 展 続き

2024-09-09 | 美術館
きのうは北斎の作品を見ましたが、
きょうは広重の作品を見ていきたいと思います。



東海道五拾三次之内 原朝之冨士




蒲原夜之雪




舞坂今切真景


北斎が「冨嶽三十六景」を書き終えた後、

広重は「東海道五拾三次之内」を30代で描き始めています。

北斎は1760年、広重は1797年生まれです。

北斎は90の長寿でしたが、
広重は62歳でなくなっています。

【北斎の没後、
広重は「不二三十六景」「冨士三十六景」を制作、北斎の「脚色した風景」ではなく、
「見た風景そのまま」を描きました。
北斎を意識したことは間違いなく、対抗心もあったことでしょう。】

これは解説から導いた物で、
私の知識ではありません。





私が思うに、
対抗心はあったにせよ、シラミがわいても構わない北斎と、居住まいのきちんとした広重では、元々個性の違いを感じずにはいられません。

それは否応なく絵にも現れる物だと思います。



会場にはこの他にも、
北斎と広重を比べる物がありましたが、

それは絵の本質ではないと感じました。

もちろんそのように比べることに異議があるわけではなく、ただの感想です。



東海道風景図絵 1851

東海道の各宿場の風景を描いた版本



冨士見百図 1859

波の表現も北斎と広重では自ずと異なります。



名所江戸百景 八ッ見のはし 1856





安藤家に残されていた遺品のうち
袂落とし(財布)と煙草入れ


会場で撮影することができましたので、帰ってからじっくり作品の解説を見たりして、
好きな絵を載せることができました。


北斎と広重、
偉大な二人の絵師の、
数多くの作品を見ることができたのは幸せでした。










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