今回図書館で借りてきた本は
「一色一生」 志村ふくみ
「魂の布 モンスーンアジア12人の女性作家たち」 松本路子
「私のお針箱」 キルト作家27人のお針道具集
など、布にまつわるものが中心でした。
「私のお針箱」はキルト作家27人のお針道具集です。
斉藤謡子さん、黒羽志寿子さんなど
キルト雑誌などでよくお見かけする作家のお針箱が見られます。
私もモラを縫っていますのでお針箱らしきものはありますが、
他の方はどんなものを使っていらしゃるのか興味がありました。
「魂の布」は 竹染めの白 奏泉寺由子さんに始まって、
ジャワの華布 ジョセフィーヌ・コマラさんまで、
12人の布作りの方々を松本路子さんが訪ね、写真共々仕上げたものです。
わたしも布はとても好きですが、ただ眺めるだけで、
糸からつむぎ、染める人たちの苦労を知る由もなく、全てが新鮮な驚きでした。
奏泉寺さんの竹染めの布は、関西にいるとき何度か見ていますが、
色なき色の深いことと見入りました。
黒羽志津子さんのソーイングケースとヴォアヴァン・ポウミンさんのパー・ビエン
志村ふくみ 「一色一生」に至っては
興味本位の読み方を許さない本だと思いました。
染色にまつわるどれをとっても知らない事だらけですが、
まるで色の中に人の生き様を重ね、哲学書のようにも思えます。
去年、京都の美術館で作品を見たことがあります。
どれほどの技術を持ってすればこのようなものが出来るのかと
立ち去りがたい思いがしました。
志村ふくみさんの本を読んでいると、
古来日本人の色に対する美意識は独自に深いものがあると思い知らされます。
私の好きなモラは単純明快に単色の組み合わせからなるので
この美意識からは一番遠いところにあるように思います。
されど、モラ色が好きということで、私の雑感は終わりにします。