(前エントリ)
規制委に付き合いきれない/敦賀原発活断層調査地図(2012年11月28日~2013年4月21日)
■敦賀原発2号機直下の活断層
<日本原子力発電(原電)敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の直下にある「D-1破砕帯(断層)」を調べていた原子力規制委員会の専門家チームは15日、この断層を活断層だと断定する報告書をまとめた。(中略)規制委は6つの原発で活断層調査を進めているが、報告書がまとまったのは初めて。報告書は22日の規制委定例会合で、今後、原電が敦賀2号機の再稼動申請を出しても受け付けず、運転再開を認めないことを確認する見通し。チームの座長役の島崎邦彦委員長代理は「これまで安全性が低い状態だった。事故が起きなかったのは幸いだ」と述べた。>
(東京新聞2013年5月16日付 敦賀「直下は活断層」断定 規制委チーム/廃炉の公算大)
<原電はこれまで原発で発電した電気を東京電力や関西電力など5社に売電してきた。現状で原発からの発電はゼロだが、それでも発電所を維持管理するという名目で、電力5社からの料金収入を得てきた。だが、仮に原電が敦賀2号機のは色を選択すれば、その分の料金収入は途絶える。廃炉となれば、原発の資産価値はゼロとなり、原電はその目減り分を損失として会計処理する必要がある。さらに、原電は敦賀原発の廃炉費用の積み立て不足(昨年3月時点で274億円)という問題も抱えている。>(東京新聞2013年5月16日付 保有3基の稼動困難 原電経営危機に)
■敦賀原発の断層調査の流れ
■専門家チームが断層を調べる6原発
<今月1月28日には、チームは報告書案を大筋合意。あとは規制委に報告し、迅速に対応が決まるはずだった。ところが、急ブレーキがかかり、チームは報告書決定まで長い道をたどる。(中略)政治家も口を出した。3月27日に開かれた自民党の会合には、規制委事務局の幹部が呼ばれ、原電幹部がいる前で批判を受けた。「(規制委の委員が)私見をべらべらしゃべるのは絶対にやめていただきたい。クレディビリティー(信頼性)が低くなる」「原電の出した質問状に回答がない」。原電の不満を代弁する内容で、その後、原電の反論を聞く会合が追加された。(中略)14日には、地元敦賀原発がある高木毅衆院議員や、中国電力島根原発がある細田博之幹事長代行らが呼びかけ人となり「電力安定供給推進議員連盟」が発足。衆参両院から42人が出席し、各地の原発の早期再稼動を呼び掛けていくことなどを確認した。(中略)この時期の議連発足は、規制委への圧力団体とも受け取れる。しかし、高木氏はこれを否定した上で、敦賀原発については「事業者は活断層ではないと言っている。雇用問題など地元の不安もある。規制委はどの方面からも納得される結論を出して欲しい」と、原電が調査を終える6月末まで、規制委が最終判断を先送りすることを強く求めている。
(東京新聞2013年5月16日付 敦賀「直下に活断層」 廃炉政治が妨げ/自民会合 原電の不満代弁/議連発足 規制委に圧力)
<日本原子力発電(原電)が、敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の真下に活断層があると認定した原子力規制委員会の調査チームの専門家たちに、「厳重抗議」と題した異例の文書を送り付けた。(中略)17日、議論のやり直しを要請するため規制委を訪れた原電の浜田康男社長は「専門家はわれわれの意見をほとんど無視した。だから抗議文を送った」と報道陣に言い放った。(中略)原電は、評価に加わった5人の各専門家の宛名を書いた厳重抗議を規制委事務局に手渡した。事務局は、原電への対応は規制委がするとのただし書きをつけ、専門家に郵送したという。一方、受け取った専門家側は驚きと不快感を隠せない。(中略)「研究者個人の勇気や使命感に頼った審査体制ではいけない」と規制委にも注文をつけた。>
(東京新聞2013年5月20日付 原電、専門家に個別抗議/規制委調査 活断層認定に反論/「個人宛て送付 不快感」)
<廃炉を強制する法律の規定はないが、再稼動できない施設を維持するのは費用の無駄遣いとなるため、原電は廃炉を勧告されたに等しい。現時点では、原電は廃炉を決断していないが、問題となるのは廃炉ごみの行方。原発を解体すると、さまざまなレベルの放射性廃棄物が一基当たり2万㌧前後発生する。特に問題なのが制御棒や炉心部など放射線量が高い部材で、地中で300年管理することになっているが、原電は「処分地は電力業界全体で検討している。現状では決まっていない」と回答した。>
(東京新聞2013年5月23日付 敦賀「廃炉勧告」 原発ごみ行き場なし/処分地未定2万㌧放置も)
<「もし(地層の変形が)見つかっていなかったら、結論は変わっていたと思う」22日の規制委定例会合で、調査の座長役となった島崎邦彦委員長代理が振り返った。この言葉に、更田豊志委員は「今後、重要な見落としが起きる可能性があるということか」と強い懸念を何度も口にした。島崎氏の言葉は本当のことだ。(中略)基本的に、電力会社の調査は「大丈夫」と立証することを目的にしており、規制委が得たいデータとはずれが生じる。(中略)規制委の委員たちもこうした状況を苦々しく感じており、この日の会合では、中村佳代子委員が「事業者のデータは信頼に足るものではない」と批判。(中略)規制委が客観的な判断を下すには、自らが調査地点や方法なども決めた調査が不可欠だが、「人員や予算が足りず、民間企業への調査に税金を使うのかという問題も残る」(田中俊一氏)などとして、改善は進んでいない。>
(東京新聞2013年5月23日付 規制委判断 偶然頼み/電力会社任せの断層調査に限界)
※どうせ、いざとなったら「国策」を持ち出すんだから、調査に税金を使うことに何の問題もないと思うんだが。
■日本原子力発電を支える構図
■敦賀原発2号機が廃炉となったら… 日本原子力発電への影響
(東京新聞2013年5月23日付 敦賀活断層認定/「抵抗」原電がけっぷち/「柱」失い経営に打撃/廃炉費積み立て不足)
■停止中の原発でも残る危険性
<やっかいなのは、プールに貯蔵されている約1600体の使用済み核燃料だ。その多くは既に十分冷えており、理屈の上では安全な場所に移すことは可能。(中略)さらに問題なのが、11年まで使われた193体。使用済み核燃料は、熱い上に強い放射線を放つため、通常3~5年間はプールに入れ、水で放射線を遮蔽しながら冷やす必要がある。>
(東京新聞2013年5月25日付 直下に活断層認定 敦賀残る核燃料リスク/プールに使用済み1600体/一部熱いまま移送できず/原電「取り出さない」)
■敦賀原発断層調査のポイント
■敦賀原発のこれまでの主な動き
(東京新聞2013年12月19日付 原子炉直下断層再調査へ 「再稼動できず 廃炉はせず」敦賀2号機中ぶらり/認定覆す新証拠なしか)
規制委に付き合いきれない/敦賀原発活断層調査地図(2012年11月28日~2013年4月21日)
■敦賀原発2号機直下の活断層
<日本原子力発電(原電)敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の直下にある「D-1破砕帯(断層)」を調べていた原子力規制委員会の専門家チームは15日、この断層を活断層だと断定する報告書をまとめた。(中略)規制委は6つの原発で活断層調査を進めているが、報告書がまとまったのは初めて。報告書は22日の規制委定例会合で、今後、原電が敦賀2号機の再稼動申請を出しても受け付けず、運転再開を認めないことを確認する見通し。チームの座長役の島崎邦彦委員長代理は「これまで安全性が低い状態だった。事故が起きなかったのは幸いだ」と述べた。>
(東京新聞2013年5月16日付 敦賀「直下は活断層」断定 規制委チーム/廃炉の公算大)
<原電はこれまで原発で発電した電気を東京電力や関西電力など5社に売電してきた。現状で原発からの発電はゼロだが、それでも発電所を維持管理するという名目で、電力5社からの料金収入を得てきた。だが、仮に原電が敦賀2号機のは色を選択すれば、その分の料金収入は途絶える。廃炉となれば、原発の資産価値はゼロとなり、原電はその目減り分を損失として会計処理する必要がある。さらに、原電は敦賀原発の廃炉費用の積み立て不足(昨年3月時点で274億円)という問題も抱えている。>(東京新聞2013年5月16日付 保有3基の稼動困難 原電経営危機に)
■敦賀原発の断層調査の流れ
■専門家チームが断層を調べる6原発
<今月1月28日には、チームは報告書案を大筋合意。あとは規制委に報告し、迅速に対応が決まるはずだった。ところが、急ブレーキがかかり、チームは報告書決定まで長い道をたどる。(中略)政治家も口を出した。3月27日に開かれた自民党の会合には、規制委事務局の幹部が呼ばれ、原電幹部がいる前で批判を受けた。「(規制委の委員が)私見をべらべらしゃべるのは絶対にやめていただきたい。クレディビリティー(信頼性)が低くなる」「原電の出した質問状に回答がない」。原電の不満を代弁する内容で、その後、原電の反論を聞く会合が追加された。(中略)14日には、地元敦賀原発がある高木毅衆院議員や、中国電力島根原発がある細田博之幹事長代行らが呼びかけ人となり「電力安定供給推進議員連盟」が発足。衆参両院から42人が出席し、各地の原発の早期再稼動を呼び掛けていくことなどを確認した。(中略)この時期の議連発足は、規制委への圧力団体とも受け取れる。しかし、高木氏はこれを否定した上で、敦賀原発については「事業者は活断層ではないと言っている。雇用問題など地元の不安もある。規制委はどの方面からも納得される結論を出して欲しい」と、原電が調査を終える6月末まで、規制委が最終判断を先送りすることを強く求めている。
(東京新聞2013年5月16日付 敦賀「直下に活断層」 廃炉政治が妨げ/自民会合 原電の不満代弁/議連発足 規制委に圧力)
<日本原子力発電(原電)が、敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の真下に活断層があると認定した原子力規制委員会の調査チームの専門家たちに、「厳重抗議」と題した異例の文書を送り付けた。(中略)17日、議論のやり直しを要請するため規制委を訪れた原電の浜田康男社長は「専門家はわれわれの意見をほとんど無視した。だから抗議文を送った」と報道陣に言い放った。(中略)原電は、評価に加わった5人の各専門家の宛名を書いた厳重抗議を規制委事務局に手渡した。事務局は、原電への対応は規制委がするとのただし書きをつけ、専門家に郵送したという。一方、受け取った専門家側は驚きと不快感を隠せない。(中略)「研究者個人の勇気や使命感に頼った審査体制ではいけない」と規制委にも注文をつけた。>
(東京新聞2013年5月20日付 原電、専門家に個別抗議/規制委調査 活断層認定に反論/「個人宛て送付 不快感」)
<廃炉を強制する法律の規定はないが、再稼動できない施設を維持するのは費用の無駄遣いとなるため、原電は廃炉を勧告されたに等しい。現時点では、原電は廃炉を決断していないが、問題となるのは廃炉ごみの行方。原発を解体すると、さまざまなレベルの放射性廃棄物が一基当たり2万㌧前後発生する。特に問題なのが制御棒や炉心部など放射線量が高い部材で、地中で300年管理することになっているが、原電は「処分地は電力業界全体で検討している。現状では決まっていない」と回答した。>
(東京新聞2013年5月23日付 敦賀「廃炉勧告」 原発ごみ行き場なし/処分地未定2万㌧放置も)
<「もし(地層の変形が)見つかっていなかったら、結論は変わっていたと思う」22日の規制委定例会合で、調査の座長役となった島崎邦彦委員長代理が振り返った。この言葉に、更田豊志委員は「今後、重要な見落としが起きる可能性があるということか」と強い懸念を何度も口にした。島崎氏の言葉は本当のことだ。(中略)基本的に、電力会社の調査は「大丈夫」と立証することを目的にしており、規制委が得たいデータとはずれが生じる。(中略)規制委の委員たちもこうした状況を苦々しく感じており、この日の会合では、中村佳代子委員が「事業者のデータは信頼に足るものではない」と批判。(中略)規制委が客観的な判断を下すには、自らが調査地点や方法なども決めた調査が不可欠だが、「人員や予算が足りず、民間企業への調査に税金を使うのかという問題も残る」(田中俊一氏)などとして、改善は進んでいない。>
(東京新聞2013年5月23日付 規制委判断 偶然頼み/電力会社任せの断層調査に限界)
※どうせ、いざとなったら「国策」を持ち出すんだから、調査に税金を使うことに何の問題もないと思うんだが。
■日本原子力発電を支える構図
■敦賀原発2号機が廃炉となったら… 日本原子力発電への影響
(東京新聞2013年5月23日付 敦賀活断層認定/「抵抗」原電がけっぷち/「柱」失い経営に打撃/廃炉費積み立て不足)
■停止中の原発でも残る危険性
<やっかいなのは、プールに貯蔵されている約1600体の使用済み核燃料だ。その多くは既に十分冷えており、理屈の上では安全な場所に移すことは可能。(中略)さらに問題なのが、11年まで使われた193体。使用済み核燃料は、熱い上に強い放射線を放つため、通常3~5年間はプールに入れ、水で放射線を遮蔽しながら冷やす必要がある。>
(東京新聞2013年5月25日付 直下に活断層認定 敦賀残る核燃料リスク/プールに使用済み1600体/一部熱いまま移送できず/原電「取り出さない」)
■敦賀原発断層調査のポイント
■敦賀原発のこれまでの主な動き
(東京新聞2013年12月19日付 原子炉直下断層再調査へ 「再稼動できず 廃炉はせず」敦賀2号機中ぶらり/認定覆す新証拠なしか)
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