梅雨らしい日々が続きますが、皆さま如何お過ごしでしょうか。
先週末から、久しぶりの出張(という名の大人の遠足)に行っておりました。
今回の出張先は、秋津国の首都名越市。
はじめての、国境を越えての出張です。
いい機会なので、カメラ片手にあれこれ撮ってきました。
あらためて確認するまでもないかもしれませんが、秋津国
列島中部の山岳地帯に領地を有する国家ですが、明治、和泉の両国に挟まれている交通の要所であり、
ドイツ、スイスからの技術により、早くから鉄道網が発達した地域で、
手元の『連合諸国地図帖』にも、細い線で山岳地帯を縫うように多くの鉄道が記されているのが確認できます。
さて、初日は午後からなので、時間を有効活用すべく
早朝に自宅を出発、ラッシュ前の中央線に揺られて早朝の東京ユニオン駅に到着。
ホームに待っていたのは秋津国鉄ご自慢の『北海特急(Nordsee Express)』。
すらっと流れるような車体が美しい3両編成です。
(↓発車間際で時間がなかったので、写真はwikipediaよりw)
マンハッタン譲りの摩天楼を飛び出し、車内でパスポートチェックを済ませ、
列車に揺られること6時間。
俊足の特急とはいえ、やはり名越は遠いですね。
列車は徐々に速度を落とし、Stadt駅を通過。終点名越HBFはもう目の前です。
このあたりは各支線が収束してくるので、走る列車もバラエティ豊か
すれ違うのは近郊線(Sバーン)の電車と、『山岳急行(Alpen-zug)』のディーゼル車。
轟音とともに運河の鉄橋を渡り、終点名越HBFにようやく到着しました。
とりあえず駅前のホテルを予約していたので、駅を出てホテルに荷物を預けます。
さすがは1国の首都だけあって、中央駅周辺にはそれなりにビルが並んでいます。
ホテルの前が「交通センター(Verkehrsknotenpunkt )」となっており、市内電車やバスはもとより
郊外から直通する、所謂インターアーバンの郊外電車が乗り入れていました。
交通センターのすぐ東は運河を渡る石橋になっています。
優美なこの橋は「記念橋」といい、何を記念しているのかはわかりませんでしたが、
大運河により分断された二つの町を結ぶ巨大なアーチが魅力的ですね。
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↑橋上は郊外電車が併用軌道で通っています。
交通センターで電車を待っていると、古ぼけた市内電車が来たので乗ってみることに。
ごろごろと走り出すと道路上に出て、すこしの間大通りを走りましたが
じきに写真のような路地裏へと入っていきます。
車内にあった観光パンフレットによると、
名越市は太古の昔、火山活動によってできた溶岩台地が侵食されてできた土地で、
運河沿いを中心に地形が非常に入り組んでいることから、古来より
人々は狭い土地にひしめき合うように暮らしてきたとのことで、
なるほど確かに、上も下も建物がいっぱいで、道路拡張の余地が全くないのがわかります。
それでも道路は歩行者・自動車と共用なので、電車はのろのろがくがくと
慎重に走って、記念橋の東詰に戻ってきました。
目の前を郊外電車が横断していきます。
記念橋の東詰には私鉄『豊岡電車』の記念橋ターミナルがでんと構えており、
周辺にはデパートなどもあることから、このあたりがこの街の中心のようです。
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↑交通量も非常に多いです。
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↑記念橋駅近くには老舗百貨店『玉屋デパアト』やアーケードの商店街があります。
電車は記念橋駅前を過ぎると、終点『蒲焼町駅前』に到着しました。
蒲焼町、というのは面白い名前ですな。
市内電車は道の真ん中でぷっつりと途絶えて修了。
貨物用の引込線が駅舎奥まで続いておりました。猫さんたちに失礼して、ちょっと行ってみましょう。
蒲焼町駅の全景です。
一応専用軌道のようですが、線路に面して神社の鳥居があり
電車も、高床ながら小型の電車が休んでいて
路面電車なのか地方電車なのかわからない雰囲気ですね。
さて、のんびりしてしまいましたが、
私は出張の身。そろそろ仕事をしなければなりませんので、郊外電車に乗り
朝方通過したStadt駅から、国鉄の近郊電車で帰ることにいたしましょう。
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↑途中で貨物線の下を通過しました。
Stadt駅に到着。
乗ってきた郊外電車の運転手によれば、この駅に停まる国電は30分~1時間に1本程度とのことでしたが、
運よく、ホームに2列車が到着しており、待つことなくホテルに戻ることができました。
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